自由連想

様々な情報を自由にあまり考え込まずにしゃべっている状態。脳をリラックスさせ、ストレスを解消する。

アベノミクスの評価

2015-06-27 | 経済・家計

アベノミクスに批判的な本2冊とアベノミクスのブレイン、内閣官房参与浜田教授の「世界が日本経済をうらやむ日」を読んだ。それぞれ異なる主張に、いったい何を信じるべきなのかと思わされてしまう。

ここ2年の大規模な金融緩和により円安、株高を生み、企業業績は回復してきた。失業率は改善してきたし、賃上げの動きも見られるようになった。もちろん、実質賃金の上昇率の弱さだったり、食品の値上がりに対する批判の声もあるが、行き過ぎた円高で苦しんでいた時期を考えれば、経済状況は良くなっていると言えるだろう。

だから短期的には成功した。批判的な本でも、そう評価する本もあるくらいで、一定の効果があったと考えるべきだと私は思う。少なくとも超円高時代の閉塞感(へいそくかん)は払拭(ふっしょく)されていることは評価できる。

では長期的にはどうなのか。円安の副作用や出口戦略に対する懸念が強く、日本ではどちらかというと大規模金融緩和に否定的な声が多いように思える。特にリスク資産を積み上げてきた日銀の出口戦略は私自身も大いに懸念している。米国が先行する壮大(そうだい)な実験となるが、仮に米国が成功したとしても、日本が成功する保証はない。舵取りが難しく、いずれにせよ容易(ようい)ではない。

肯定論、批判論で展開する理論は、それぞれ所詮(しょせん)模型(もけい)にすぎない。やってみなければわからないというのが真実である。成否により大きく評価はぶれるだけに、現在専門家の間でも意見は大きく分かれているというところだろう。

超金融緩和の先の出口を見出せるのか。論点はそこなのだが、考えてみれば、現代主流のケインズ経済学の財政政策もまた出口を見出せてはいない。需要不足を補うために出動した不景気時の公共投資による財政赤字をどのように正常化するのか。ギリシャの財政問題に象徴されるように、解決の糸口は見えていない。そのように考えるならば、超金融緩和の出口だけを懸念するのは適切ではないのかもしれない。

未来を完全に予見することは出来ないという意味で、経済学は後付けの理論である。限界を意識しながら、付き合っていくしかないだろう。10数年後、今の時代はどのように評価されるのだろうか。それが良いものであってほしいものである。もうすぐ正念場を向かえる。

最後に、正念場を向かえる時期はいつなのか。そのヒントを浜田教授の本から抜粋(ばっすい)して残しておきたい。

「2%程度のインフレを超える不必要なインフレ(高インフレ)の兆(きざ)しが明確にあらわれない限りは、金融緩和を維持することが重要だと考えている。危惧(きぐ)されるのは、金融政策の重要性を理解していない人物が、安倍首相の次の政権の座に就いた時のことである。」

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

幸福学

2015-06-20 | 私論

「幸せについて知っておきたい5つのこと」(著:エルザベス・ダン、ロバート・ビスワス=ディナー)という本を読んだ。「幸せは”考え方”や”心のもちよう”ではなく、行動で決まります。ケーキを作るのにレシピがあるように”幸せ”にもレシピがあるのです。」

”心の持ちよう”ではない。以前記事「幸せとは」で書いた私の内容と異なるのかと思って読んだけれど、そういうわけではなかった。再確認する事項であったり、普段なんとなく感じてたことが示されていて、とても参考になった。

一部を紹介しよう。幸せになるレシピは3つの要素がある。1つ目は”人との交わり”である。2つ目は”親切”である。他人に親切にし、感謝の気持ちを常に抱き続けることによって、人は自らの幸福感を増すことができる。3つ目は”ここにいること”である。少々わかりにくいが、目の前のことに集中することである。

「1日に1つだけ親切をすること」ではなく、「週に1日だけ、5つの親切をすること」で幸福感を増やすことが出来るという。仏(ほとけ)のような心の持ちようではなく、週に1回で良いから、行動であるという意味だろう。一方で、ポジティブな感情は人を行動的かつ友好的にし、その結果として幸福感を高めるという。こうした意味では、心のもちようが大切というのも、間違いではないように思える。

もう一つ取り上げておきたいことは、子供の存在が人々の幸福に与える影響は小さいということ。メリットもあれば、デメリットもあるからだという。少子化を食い止める精神論にはならないけど、子供が出来ないからと悲観することもないということである。

子供を持つ親としての体験談で言えば、メリットとして、仕事上の理不尽な出来事に対して耐性(たいせい)が出来たかなと思う。子供による理不尽な要求に比べれば、大人の世界の理不尽さはマシである。そんな感覚である。幸福度は本人が決めることだけど、子供を持つことによる大変さだけではないことを強調しておきたい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

専業主婦の確定拠出年金

2015-06-13 | 経済・家計

確定拠出年金制度が改革されて、平成29年1月から専業主婦も対象になる見込みである。メリットの一つである所得控除を専業主婦の場合には適用できない。意外と知られていない事項なので、日経電子版の記事を引用して残しておきたい。

「こんなに大きい 個人型DCのメリット

■DC、すべての人が対象に

 ――「確定拠出年金法等の一部を改正する法律案」が今国会に提出されました。公的年金は給付水準の抑制や支給開始年齢の引き上げが進められているだけに、私的年金ともいえる確定拠出年金(DC)がどう変わるのかは気になるところです。

 「僕もDC制度はとても注目しています。今回の改革によって、個人型DCの対象者が公務員や専業主婦に広がるだけでなく、勤務先に企業年金や企業型DCがある人も個人型DCを利用できるようになります。つまり、すべての現役世代が対象になるということを意味します」

――DCのどこに注目しているのでしょうか。

 「ズバリ、掛け金がすべて所得控除の対象になる点です。例えば、自営業者は月額6万8000円まで、年間81万6000円まで払えます。所得税と住民税の合計で最高税率30%の人が掛け金を限度額まで拠出したとすると、年間25万円近くが節税できるのです。この節税メリットはかなり大きいですよ」

 ――確かに、掛け金を全額控除できるのは大きいです。

 「所得税率が高い人ほど、DCを利用することによる節税効果が大きくなりますよね。勤務先に企業年金がない会社員の拠出限度額は月額2万3000円(年額27万6000円)ですが、所得税と住民税で最高税率が50%の人なら14万円近くも所得税を減らせるわけですから。運用自体でそれほど益を出すことができなくても、毎年、これだけ節税できるならぜひ、利用する価値はあるでしょう」

 ――もともと所得税を払っていない専業主婦にとってはメリットは小さいということでしょうか。

 「もともと所得税や住民税を納めていなければ、節税メリットは発生しないという意味ではそうです。それに個人型DCを利用するには証券会社などの運営管理機関に手数料を支払う必要があるため、手数料以上の運用益が出せないと、目減りしてしまうことになります」

■専業主婦の掛け金、控除対象にならず

 ――モーニングスターの調査によると、個人型DCの平均手数料は2015年4月現在で年間6271円だそうです。

 「スルガ銀行とSBI証券のように運営管理機関の手数料をゼロにしているところもありますが(SBI証券は残高50万円以上の場合)、それでも国民年金基金連合会や事務委託先金融機関に支払う手数料は発生するので、年間数千円はかかります」

 ――国民年金については、生計を一にする配偶者や子どもの保険料を払った場合、払った人が社会保険料控除を受けることができます。個人型DCで専業主婦の掛け金を夫が支払った場合、夫は控除を受けられるんでしょうか。

 「その理屈から言えば、配偶者の掛け金も控除になるのではないかと思うのですが、個人型DCの掛け金は社会保険料控除ではなく、『小規模企業共済等掛金控除』の対象になります。そして、この小規模企業共済等掛金控除は掛け金を契約者本人が支払った場合のみ所得控除が認められるというものなので、配偶者の分の掛け金を支払ったとしても、支払った人の所得控除にはなりません」

 ――となると、やはり専業主婦が加入するメリットは小さいのでしょうか。

 「しかし、専業主婦、つまり国民年金の第3号被保険者は自分が将来受け取る年金額を積極的に増やしたいと思ったとしても、現状では民間の年金保険に加入するしか手段はないわけです。第3号被保険者は国民年金基金にも加入できませんから。ですから、自分が将来受け取る年金の額を増やしたいと考える専業主婦にとっては、個人型DCに加入できるようになる意味は小さくないでしょう」(出典:日経電子版、会計士が語るマネー達人への道 2015年5月13日付け)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

モスバーガーとマクドナルド

2015-06-05 | 経済・家計

ハンバーガーはモスバーガーの方が美味(おい)しい。マクドナルドよりもモスバーガーを愛好する友人は、私の周りにも結構多い。よく両者は比較されるものだが、最近ではモス優勢のような記事がちらほら見られる。この5月にモスバーガーは値上げを実施した。それだけ絶好調だからと考えるのは、ちょっと違うと思う。

円安による原材料高で、食品業界は値上げラッシュである。その流れに乗るように、今回モスバーガーは値上げを実施したというわけである。ちまたのニュースだけ聞くと、マクドナルドが大幅赤字と苦しんでいるので、モスバーガーに流れたのだろうかと思えてくる。

しかしながら株価こそ好調のモスフードだが、業績を見れば15年3月期は減益。ここ5年の業績を見ても横ばいという感じで、勝ち組とは言い難(がた)い。8期連続で増収増益を達成していたマクドナルドの一方で、低迷してきたモスバーガーという構図。ここ数年マクドナルドがずっこけても、モスバーガーが低迷を脱却(だっきゃく)したという感じではない。値上げが受け入れられるのか、モスバーガーは真価を問われる時期となっている。

一方のマクドナルド。健康志向を打ち出すなど、もうしばらく迷走が続きそうである。10円単位の値段設定への変更は利用者のためと言いつつも、端数を切り上げて実質値上げとなっている。再びお店に足を運んでもらうことが喫緊(きっきん)の課題なら、端数を切り下げて”実質値下げ”という触れ込みを利用するくらいの戦略がほしかった。

いつか来た道。かつてやはり業績低迷で苦しんでいた時の姿と、今のマクドナルドは、みごとにシンクロする。サラダマックからの撤退(てったい)。同じ道を歩む予感がするし、その時ようやく業績回復が見えてくるのだろうと私は思う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする