総選挙 その2
タイの総選挙で報道等や話を聞いたりして日本と異なるところをみてみた、まず、投票は政党名を書いたり、候補者名を書いたりしないようである、立候補受付時に政党に受付順(抽選)に番号が与えられる、その番号に投票するようである。投票用紙に番号が書かれてあって、その番号に「×」をつけるそうである。投票する訳だから「○」が普通と思うが当選させたい人に「×」をつけるわけである。選挙ポスターの番号の横に「×」が書かれたものがあり、初めは意味がわからず、当選させたくない所にも投票できるのかと思った。 日本の最高裁判所裁判官の国民審査のまさに逆である。
番号であるがタイ貢献党は何と1番、与党の民主党は10番ということで、街の中には1と10の数字、インラック氏とアピシット首相の写真が溢れている。
また、候補者は必ず政党に所属する、いわゆる「無所属」で立候補することは認められていない、政党もたくさんあって今回の選挙では34党が立候補している。
さらに僧侶には選挙権がないことである。タイの僧侶は20万人~30万人と言われているがこの成人男子に選挙権がない、 政令で決めているのかと思ったが、何と憲法の規定のようである。しかも選挙権がないのは仏教の僧侶だけでイスラム教やキリスト教の牧師等には認められている、普通に生活していて選挙権がないということに違和感があるが、俗界と仏界を厳格にわけるタイ社会では政治も俗事であり、僧が女性に触れたり、飲酒しないのと同様なのかも知れない、
気になることとしては、候補者は大学を卒業していることが条件である、学歴がなければ国会議員になれないということになる。
もっとも驚いたのは選挙期間に入る直前に112人の「殺し屋名簿」が警察から発表され、その後、実際に暗殺の危険がある選挙区も報道された、暴力の存在がまだ払拭されていないようである、また、票の買収もまだまだあるという、そういう状況の中で昨日の不在者投票日と本番の7月3日は終日、そしてそれぞれ前日の午後6時から飲酒禁止である。当初は酒類の販売が停止されるだけかと思っていたが、タイ全土で飲酒禁止のようである、ただ、家庭で飲むのはOKのようでレストラン等では食事しかできないということである、家庭で飲んで酔った状態で街に出るとどうなるのかとついつい思ってしまうがその辺はわからない。過去の選挙の歴史と熱狂的な応援ぶりを見るとそういった規制もやむを得ないのかも知れない。