アオの国から~徒然日記~

TRPG&ゲーム感想・日々の感想・映画&アニメ&漫画感想・歴史(主に長宗我部関係)等、私的趣味の気の向くままに。

久々の小説感想ですが、一つ目だけ今回は書きまする!

2012-01-04 01:19:31 | 小説&漫画&アニメ
 はい、昨日も最期に少しだけ書きましたが、昨日買った小説感想ですvvとはいっても、ifとはいえ、普通に面白かった『イゴッソウ戦記』だけですが。…もう一個の『長宗我部戦記』の方は……ねぇ…なんか、色々とドツボにはまりすぎて、また後日(笑)





 タイトル見てわかりますが、イゴッソウは右側。主人公は長宗我部信親です。話は本能寺の変から始まります。とはいえ、直接長宗我部とこの本能寺の変は繋がりません。むしろ、この後になります。
 長宗我部方の話は中富川の合戦からスタート!!先陣を任されていた親泰が攻めあぐねている所に颯爽と信親登場!!乱戦の最中に飛び込んでいく信親を親泰が止めるものの、もう一人、信親に追随する者が…その顔をみて、親泰も乱戦に突入する信親を止めず。信親と共にならんで戦うのはなんと、吉良新十郎親実!!年が近い事もあり、幼い頃から互いに切磋琢磨していて、無二の親友兼好敵手。二人の若者を見て、長宗我部家の将来が頼もしいと送り出す親泰…。

 と、ここで終わったら何にもならないんですがね。中富川の合戦から、仙石秀久登場!最初は親実と一騎打ち、親実が押され始めて信親が加勢。でも二人掛かりで押されるくらい強い(笑)。とはいえ、この戦いは史実通りに勝利。

 その後も長宗我部家は順調に…と進んでいくのですが、ここで元親と信親が対立してきます。かなり父子でガチバトル。信親の意見に悉く元親が腹を立てる図が繰り返され、なぜ元親が信親に厳しい態度をとるのか心配になる親実ですが、親泰は元親が信親に嫉妬していると諭します。うん、いい叔父さんだ(笑)。
 いわゆる元親の心的外傷…つまりトラウマです。幼い頃は学問が好きで荒事が嫌いな事から、姫若子と周囲に嘲られ、親や家臣の期待も自分には無いというのを嫌と言うほど味わってきた。普段は温厚だが、何かに火が付いた時に弟達に当たり散らしていた事を暴露する親泰。親泰自体はどうして長兄にここまで辛く当たられるのかと悩んだようですが、それを親貞に相談すると親貞は笑って
「兄者も辛いのだ。よそに養子に出される自分達には嫡男と言う重圧はない。次男三男の自分達にあたる事で兄者が落ち着くなら、聞いてやろうではないか。」
 と、ある意味子供じみた元親の癇癪に、大人な態度で臨む親貞。本当にできた弟です(笑)。自分の父親のそんな過去を初めて聞く親実は意外でしたが、元親に辛く当たられて信親が拗ねないように一緒に居てやれと親泰に促されて信親と共にいる親実。

 伊予の河野氏居城の湯築城には信親と親実、そして久武親直が入り、四国統一はなりました。と、ここの辺りから正史から離れていきます。
 上方への侵出にたいして、元親と信親は対立します。上方の兵力を侮らず、慎重論を唱える信親に対して、元親は上方の者は四国の者を蝙蝠と呼び嘲っている、それは間違いであり目を覚まさせるために軍勢を率いて攻め上る事を頑なに主張します。谷忠澄等も慎重論を唱えますが、ここは元親が押し切りました。そして、元親はちょうどその頃秀吉と対立していた家康の要請に応え、阿波水軍を従えて大坂に向かいます。しかし、大坂に近づくと小西行長の水軍に翻弄されます。小西勢3000対長宗我部勢18000。数の上では勝りますが、なにせ海上戦の経験は少なく、かなり苦戦。そして…秀吉の計略により、小西が引くと、九鬼水軍が現れます。そう、あの鉄甲船のお出ましです。
 上方の想像を上回る軍事力に、長宗我部軍は圧倒され、壊滅…。谷忠澄、福留儀重、江村親家と長宗我部家の名だたる武将は悉く討死します。
 そして、元親もまた…敵方の武者二人を道連れに海に飛び込み死亡。享年46歳。


 え…?元親、討死!!?

 
 はい、ここで信親が長宗我部家の新たな当主になります。が、すでに四国征伐の時期に来ており、実際秀吉は動きます。その中で信親の当主としての器量に疑念を持った久武親直はいきなり謀反…。四面楚歌の中で信親がそれでも民の為に戦うと決意した時、ある人物が信親の元に来ます。まだ若く軍略や策略に秀でていない部分を補佐し、共にこの危機を乗り越えようとします…。

 詳しい内容はここまでにしときますね。でも、このお話は信親が格好良いです。熱くなるところとか、伝わっている好青年ぶりを発揮している感じです。また、親実も史実に近い性格で真っ直ぐで一本気です。なんつーか、ある意味、元親も神経質なところとかトラウマは持っていても不思議ではないので、この小説の人物像は史実に近い所にあるかもしれませんね~。if小説なので、実際にはあり得ない歴史なんですが、こんな歴史があっても楽しいなと、フィクションものの楽しさを楽しめる本です。


 いや~…実は私も長宗我部家の創作を始めた頃は、信親の親友兼好敵手ポジションにいたのは親実です。でも、中富川の合戦や、戸次川の戦いで一緒にいた吉良播磨守の正体が親実の弟・親正と判明した時に、親実のポジションは親正に交代しました(笑)。今では長宗我部一門・次世代の長兄ポジション。信親が当主になればそれを支える柱の一つになると自身に言い聞かせ、親正だけでなく、親和・親忠・盛親・親氏といった年下の従弟達に対しても良き鏡となれるように努力してきた長兄。従弟達の性格も冷静に見極めていたりして、その辺りが後年の悲劇にも繋がっていったと位置づけています。


 ああ、でもこの『イゴッソウ戦記』の親実は好みですvvうん、普通に面白いです、この本。元親が途中で死んだりするのはちょっと待って、という方は図書館か、古本屋か…立ち読みでも良いかな(爆)?意外と読みやすいので、一時間くらいあれば勢いで読めます、はい。



 ちょっと色々仕込みたい事があるので、『長宗我部戦記』の方は遅くなるかも…です。と、言うのは……まあ、これだけでも言っておきましょうか…。いや、「かわいそうな子…(泣)。」と言いましたが、読めば読むほど、だんだん、別の感想でてきました(微笑)。ので、これだけは言っておきます。『長宗我部戦記』の信親は……
 
 重度なファザコン、
 重度ファザコンの、18歳♂です。

 大事な事なので、二度言いました。この子、本当に大丈夫かしらん…と早くも第二巻が心配です(笑)

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