「メジャーの打法」~ブログ編

野球、ゴルフを中心とするスポーツ動作論
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うねらない動作(その2)

2006年09月03日 | 古武術
 「うねり」は上肢だけでも起こる。突きは肩の水平位内転と肘の伸展が同時なのに対して、打ちは肩の内転と肘の伸展に時間差がある(「突き」と「打ち」)。

 しかし、「うねる・うねらない」は体全体の動きについて議論すべきだろう。その場合、腰の回転トルクとの関連が注目される。
 強い回転エネルギーが起こると、上肢にそのエネルギーを伝える筋群が引き伸ばされたり、バットヘッドに遅れが生じる。SSC(伸張短縮サイクル)やムチ動作を利用して末端を加速することになるが、全体の動作に「うねり」を生じるのである。
ただしこの議論は大雑把なものである。天然理心流(近藤勇)の胴切りは、腰の回転は使ってもうねってはいないように見えた。


 腰の回転を得るには、

  1. 片足で並進運動を起こしておいて、逆の足でブロックする(これもムチ動作)
  2. 両足で互いに逆方向の力を地面に加え地面反力を得る(偶力)
  3. その両方


などの方法がある。

 それに対して「うねらない」ためには、加撃方向の地面反力のみを利用する。ボクシングの左ジャブなら、右足で後方に地面を押すわけである。