野老の里

奥武蔵をメインに日帰りの山歩きを中心としたブログです

今日の一曲 Winner by Pet Shop Boys

2014年02月14日 | 今日の一曲

PV


official lyrics video


Live

哀メロ発掘隊の一人であるにゅーめんさんがブログで「2013年、アイドルしか売れない時代」という面白い記事を書いています。
確かにチャートを見るとサザン以外はエグザイルを含めて見事にアイドルしかいない。いや、本当に笑っちゃいましたよ。
ただにゅーめんさんも言及しているように音楽配信のチャートになると違う結果が出ているし、
もっと言ってしまうとアルバムチャートについてはもう少しまともな結果になっています。
このシングルチャートの結果についてはにゅーめんさんが言及している原因のとおりなのでしょう。
ボクはそれに加えて以前から言われてきたように、ネット上で無料で音楽が聴けることと魅力ある曲が減少していることが大きいと思っています。
特にシングルは音楽配信の進展によってモノとして購入する意味合いも薄れてきています。
結果としては異常なチャートとなってしまった訳ですが、この傾向は強くなることはあっても以前の状態に戻ることは難しいでしょう。

でもボク個人としては結構CDは買っているんですよね。ただ邦楽に関してはもうここ10年くらいは買ってません。
「音楽は若者のモノ」とはいえ、最近の若手J-POPは正直なところ気恥ずかしくて聞いていられない。
AKBに対する批判ってのは多いのですが、ボクは秋元さんが作る曲ってのは若手J-POPよりもクオリティは高いと思っています。
曲が売れてほしいと願うのなら、最低限秋元さんを超えるわかりやすさが必要だと思うのですが、結構独り善がりなモノが多いんじゃない?
もちろんオンリーワンといえるほどの強い個性が求められるのは当然として、やはり万人受けする要素が無ければ売れるのは難しい。
万人受けする要素が無ければ、それこそ今話題のゴーストライター騒動のように曲以外のストーリーという余計なモノが必要になる。
そういうストーリーがなければ売れないっていうのはどう考えても本末転倒だけれども、
日本のレコード会社(一時期のソ〇ーのCMとかね)は新人を売り出すとき結構ストーリーを作ってる。
ボクは曲で勝負できないのなら、AKBとそんなに変わらないよ、と思っているのですが。どうでしょうか。

Pet Shop Boysという人達は、ダンスミュージックを下地に万人受けするメロディを乗せてヒットを送り出してきたわけですが、
流石に近年はモノとしてのシングルは売れなくなってきました。
2012年に発表されたアルバム"Elysium"からシングルカットされたこの"Winner"も期待したほどには売れず、チャートにも入らない始末。
でも新しくアルバムを出す度にTOP10内はキープしているので、それほど人気が落ちているって感じはありません。
上述したようにシングル盤は音楽配信の影響をもろに受けていて、コアなファンはアルバムを買う、
ライトな層は音楽配信で買うかYou Tubeに流れてくるのを待つ、という状況になっています。
そしてシングル盤が売れるのは今生きの良い人達に限られていて、ベテラン勢は苦境に立たされている
(例えばポール・マッカートニーの新譜ですらイギリスではチャートインできなかった)のが一般的になっています。
まあ日本と違ってアメリカやイギリスのチャートは曲そのものの評価が売上に表れていて、実際に聞いてみても結構楽しかったりしますが。
それに比べるとアルバムチャートは新人からベテランまで幅広く入ってくるというのは日本も英米も同じなんですよね。
なので良い曲が無いとお嘆きの方にはアルバムチャートに注目してみるのもアリじゃないかと思います。

"Winner"が発表された年にはロンドンオリンピックがあり、PSBにとってのオリンピックアンセムのような扱いをされたのですが、
本人たちは特にオリンピックを意識して曲を作ったということはないようです(PVもオリンピックとは無関係)。
しかし、
"You're a winner
I'm a winner
This is all happening so fast

You're a winner
I'm a winner
Let's enjoy it all while it lasts"
という歌詞は勝者の無常を表したものとも言えるでしょう。
今行われているソチオリンピックでも絶対王者あるいは女王と呼ばれる選手が敗れる事態が多々ある一方で、
十代の若さでメダリストとなった少年が英雄に祭り上げられています。まさに諸行無常。
でもスポーツは戦争ではないから、勝っても負けても引退しない限り競技人生は続く。
そんな彼らを見てボクらも一喜一憂して。けれども非難はすまい。勝者であるときも敗者であるときも決して長くは続かないのだから。


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