久しぶりにノモスを引っ張りだしてみる。
20年近く前にノモスを知り合いの、
時計好きオヤジに勧められ購入した
古いタンジェントである。
当時10万前後にして、本格的な
手巻き時計として、時計好きオヤジに
熱い視線を浴びたノモス。
オヤジ達は、エタベースでありながら、
ブラッシュアップした機械を喜び、
まだまだ時計ベルトにしては珍しかった
コードヴァンベルトを誇らしく語ったものである。
ノモスが10万、ユンハンスが3万で購入できた
昔話である。
当時、ベルトはトモネジで自分で外すのが
困難かつ、コードヴァンはカチカチで硬かった時代である。シンプルな機械が耐久性を生み、
今なお、現役で活躍している。
数年前にバーゼル行き、ノモスのブースに行ったことがある。ちょうど、カラータンジェントが発売された年である。
白い建物にひっそりと区画内にあるノモスブースは、いかにもらしいブースだった。
ロレックスやモバード やパティックの華やかなブースは対照的なイメージであった。
新製品の説明をしてくれた、ノモスのウォッチメーカーは物静かな時計が大好きな雰囲気の青年だった。
バーゼル会場の外で偶然にまた出会った時の
にこやかな笑顔は今でも忘れられない。
ノモスはそんな青年が組み立てた時計なんだと、
嬉しく思ったことを思い出した。