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お粗末NHK「そのとき歴史は動いた」の日露戦争

2005年12月02日 | 日本の戦後処置と歴史認識
なんだか、NHKの「そのとき歴史が動いた」の日露戦争の話はデタラメだ
児玉源太郎自身が、勝てるとは思っておらず、政治的にメディアを操作して、局所的勝利を世界に印象付ける戦略であったわけで、実は日露戦争で勝ったことは一度もない。

また乃木馬鹿介を名将のように描いている。
乃木が解任を中央から通達されたのは単純に旅順での犠牲者の多さからではない、児玉や軍中央や海軍の要請を全く聞こうとせず203高地を攻略しようとしなかったからである。それにじれた児玉が旅順に乗り込み否応なく乃木馬鹿介に命じたわけである。その203高地攻略にしろ乃木馬鹿介は兵の命を虫けらとも考えず内堀外堀を味方の死体で埋めていく戦略である、しかしクロパトキンは微動だにしなかった、クロパトキンは別働の遊撃隊への評価を誤ったのである、負けてもいないのに退却したのが旅順攻防戦である。

旅順攻防はもともと海軍の仕事であり、海軍はロシア艦隊を旅順に釘付けにしておくことが精一杯でそこで陸軍の乃木馬鹿介に【203高地の攻略】を当初から依頼していたのである203高地さえ押さえれば旅順のロシア艦隊は壊滅であったであろう。ところが乃木馬鹿介は、これをやらない、陸軍の面子の為に陸軍が旅順を攻略しようとした、203高地を一向に攻略しようとしない。そうこうするうちに、クロパトキンは203高地が要所であることに気がつき203高地の防備を固めた、そこに乃木馬鹿介はデタラメな人海戦で兵を送り込んで日本兵を殺しまくった、海軍は見ていられずに乃木に遠距離砲の提供を申し出たが野木馬鹿介はこれも断った、しょうがなく児玉がまた乃木に直接命令し、この遠距離砲が功を多少は奏したのである。そこに児玉が支持した別働隊が現れクロパトキンをこれを本隊と評価を誤り、旅順を撤退することになる。

勝ってはいないことは児玉自身がわかっている。クロパトキンは日本軍に負けたのではなくロシア国内の馬鹿に負けさせられたのだ、この旅順撤退がロシアの馬鹿が(この手の馬鹿はどこの国にでもいる)クロパトキン批判を皇帝に吹き込まれ、奉天で会戦せざるを得なくなったのである。

この奉天会戦でもロシア軍はほとんど負けてはいない、「そのとき歴史が動いた」ではこれの功績を野木馬鹿介の功績などと言っているが、事実は黒木軍にクロパトキンは驚いたのである、クロパトキンは非常に慎重なタイプの戦略家で自軍の犠牲者を出すことを極端に嫌った、しかもロシア国内での馬鹿の政略でここで犠牲者をだすわけにはいかなかったのでロシアの伝統的戦術である、退却戦を始めたに過ぎない。しかも堂々とした退却戦でほとんど無傷である。

ところが、日本軍は弾薬が尽きた。そこで戦争を止めたのである。それを勝利としてメディアを操作し国際社会に認識させたのは児玉である。クロパトキンが反撃に出なかったのはあくまでロシアの国内事情による

しかも「そのとき歴史が動いた」での当時の国際情勢を解説する御用学者のなんともお粗末な情勢分析である「日英同盟」「露仏同盟」と単純化させ素人歴史マニアでも恥ずかしくて言えないような事を堂々と言う。
日英同盟など実質的には存在しない、イギリスは日本軍の情勢を見極めていただけだ。しかも日本の言う日英同盟の根拠とは外交官同士の口約束にしか過ぎず英国内ではほとんどその外交官の言うことなど政府中央は相手にしていない、ただこうした最終的な戦況が英国が支援した、と言う形にしておくことにより英国の中国東北地域での利権確保に有利だっただけで、「そういえば木っ端役人の一人が日本との同盟がどうこう言っていたな、あの話をうまく利用しよう」と言うことになったわけである。

大体、2次大戦時の日本陸軍でさえ、ロシア戦争における乃木馬鹿介の指揮能力を無能と判定していたのだ。

そして一番本質的な問題である日露戦争をやらざるを得なかった状況説明を全くしていない、西欧植民地主義の代理戦争侵略戦争である、という本質には全く触れていないのだ。

追記(2005-12-02 20:00)
自分で書いておきながら何なのですが(^^ゞ
私の日露戦争の知識は司馬遼太郎が本筋になってますので、おおまかなところしか知りません(^^;(^^;
それでもNHKのでたらめぶりは指摘できると言うだけの話でして「乃木無能説」や「203高地攻略に対する見解」等、詳しく調べると必ずしもそうともいえないようです。私にとって信頼の置けるホームページで司馬遼太郎の坂之上の雲に批判的な立場から検証されている方がいますので、そちらのページも紹介しておきます(^^ゞ
http://homepage1.nifty.com/SENSHI/senshi.htm

*コメントは思考錯誤まで