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なごみchan

毎日の中で起こる、ひとコマ、その中で分かち会いたい。そんなページです。

挑戦、「蒼い地球」の試みでした。

2008-08-28 16:58:26 | 小編(小説)
いつも私のブログを見てくださっている方々に感謝しつつ、また、初めて出会う方々に「初めまして」の思いを込めて、ご挨拶いたします。

え~と自分のブログに、どれほどの容量があるのか解らないまま
小説を書いてしまったので、こんな形になってしまいました。

この小編を書いたきっかけは早朝に見た夢でした。

私は宇宙戦艦ヤマトの島大介君が好きなのですが
昨日ずっとヤマト完結編のCDを聞いていたせいだろうと
思うのですが、島君の夢を見ました。

窓越しヘルメット越しに雪とキスをしている夢でした。
でも、そのキスは恋愛と言った感じではなく、同胞、ないしは
仲間をいたわるかのようなシーンでした。
起きた時、その感覚が忘れられず
「下手なりに書いてみようかな」と思い立ち
私にしては珍しく早く実行してみました。

思うほどには、やはり書く事が出来ませんでしたが
自分なりに一歩踏み出せたのかな・・・と思いました。
そして、こんな、へたくそな小編ですが、読んで頂けたら
どんなに幸いだろうと創作意欲が、かき立てられました。

この“挑戦”に立ち寄って頂けましたら本当に幸いに思います。

私はつねずね生きている事を(信仰もありますが)
「生かされている」と感じています。
160名から成る教会に居ますと信仰の先輩や友に
さまざまな事が起こります。
何故!!と思うような事も起こります。
その中で泣いたり悩んだり祈ったりする中で
命は頂く物、自分が生きている事は偶然でもなんでもなく
本当に奇跡的な事なのだと思わされる日々です。

作品の中でも生死は起こりますが島君の死が軽く
扱われてヤマトが終了してしまったのはファンとしても
どうしても納得出来ない物として、ずっと気持ちの中に
残っています。

自分なりの世界観の中でキャラクター達を生き生きと生かせ
られたらどんなにいいだろうと言う理想を持っています。

そんな気持ちで書いた始めての小編でした。
理想がどこまで現実になるか判りませんが、もし、また
書ける時が与えられ、ネットに載せる事が出来たら
と・・・・願いながら暮らして行こうと思います。


小編  「蒼い地球」

2008-08-28 11:24:17 | 小編(小説)
今日は思う処があって、思い切って小編を
書かせて頂きました。お読み頂けましたら
幸いに思います。おそれいれますが
詳しくは同ブログ『挑戦、蒼い地球の試みでした。』を
合わせ読み頂けましたら・・・・と思います。
よろしくお願い致します。


それは三人での任務だった。
月基地、三人にとっては懐かしい場所でもあった。

「ずいぶん綺麗になったもんだな、なあ、島」
「ああ、ほんとだ、あの頃は置き去りにされたみたいな基地だったからな」
島は笑いながら古代にそう言った。
三人は辺りを改めて見回した。
「なんだか本当に静かね。」
計器の音が響く静けさに雪が言った。
三人の働く場所は何時も大勢の人に囲まれた場所である。
皆、違和感を感じていた。
「おい、見ろよ」
島が気持ちを切り替えようとするかの様に言った。
島は窓の外を指差した。
そこには青く輝く地球の姿が有った。
「わあ~綺麗、窓が大きいからすごくよく見えるわね。」
三人はしばし地球に見入った。
「はは、なんで、こんなお洒落な造りなのか解らないけど、
これはいいね」
島の言葉に古代も笑ってうなずくと
「さ、任務にかかろうぜ!」と元気に言った。
雪と島は頷いた。


雪は分析機器を繰りながら手を進めていたが、ふと、手を止めると
窓の外に目をやった。
地球の青さが目にしみるような気がして心細さを感じた。
その時、外で仕事をしている古代が窓の視界に入ると雪に手を振った。
雪は手を振り返した。
締め付けられるような静けさから開放されたような気がした雪は
窓から外れていく古代の姿を見送ると任された仕事を続けたのだった。


『三人ばらばらな仕事ってのも珍しいよな』島は、そんな事を考えながら
手を進めていた。
島もまた慣れない静けさをもてあましていたのだ。
『考えてみれば俺達は何時も誰かと一緒だったんなあ・・・・。』
手が止まってしまっている自分に気付いて慌てて再び仕事にかかる島だった。

外から戻った古代が見たのは何時になく寂しげな雪の姿だった。
「雪、どうしたんだ?俺の事、待ってたのか?仕事は進んだのか?」
玄関に立っていた雪に心配そうに言うと雪は小声でーごめんなさいーと
つぶやいた。
「古代君、私の手、にぎってくれる?」
古代は一瞬、ためらったが雪の手をとると自分の手を重ねた。
「地球の青さが何でだか私を締め付けるの」泣きそうな声でそう言う雪。
「ゆき・・・・・・。」
古代は雪を抱き寄せると
「俺も、そうだ、俺達どうしたんだろうな」
二人は見つめ会い、どちらからともなくくちずけた。


「なんだかさ、仲間が居てくれるって、ものすごくあり難い事だと思わないか?
今回のこの任務・・・・・勝手が違って戸惑ってるよ・・・・・・・。」
「島もか、俺達もだ・・・・。」
食事をしながらの、その会話はそこで途切れた。
島は二人がいだきあうのを偶然見ていた。しかし任務中にあっても二人を責める気持ちは
全く起こらず、気持ちは二人に同調していた。
三人は幾つもの戦火をくぐって来た。どの戦いも命がけのものだった。それでも三人は
いつでも呼べば答えてくれる仲間がいた。かけがえの無い戦友達が居た。
平時の今、その仕事に危険は少なかったが、やはり多くの仲間達と共に宇宙を
駆け巡っていた。
それぞれが、一人で仕事をする、そんな環境に三人は置かれた事が無かったのであった。


残り半日は島が外での仕事を受け持っていた。古代は分析機器につききりでいた。
雪は午前の仕事の続きを行っていた。
外を島が通りかかった時、古代と同じように雪に手を振った。
窓越しに島を見ている雪は笑顔を見せたが、急に通信機を手に取った。
島は何の通信なのかと、やはり急いでヘルメットの通信回路を開いた。
雪は『島君、私、私達・・・・・生きているのよね』
島は答えにつまって、その場に立ち尽くした。
『島君、古代君も貴方も、いつまでも、そばに居てくれるわよね・・・・・。』
雪の瞳から涙がこぼれた。
島は窓に歩み寄り絵顔を雪に向けた。
『雪、何時でも君と、君達と、俺は居るよ、変らずに、ずっと・・・・・約束だ。』
『島君・・・・・』
島のヘルメットが窓にコツンと当たる音がした。
雪は静かに目を閉じていた。
古代が入って来た、その部屋に二人の姿があり、その後ろに気球が変らず輝いていた。

『島、そうなんだな、俺達は、生きていて、そして、いつも共に有る・・・・。
それが俺達だ。』

三人はそれぞれ孤独から解放されていくのを感じていた。