まず最初に、781系について。
北海道専用の交流特急形電車として1978年に製造され、北の大地を駆け回った781系。
1979年の特急「いしかり」の運用にはじまり「ライラック」「すずらん」など北海道の電車特急の代表的な列車の運用に就いてきた。
この781系に始まり、785系「スーパーホワイトアロー」、789系「スーパー白鳥」など数多くの北海道の電車特急が走り始めた。(785系、789系はJR化後に登場)
2003年からは「ドラえもん海底列車」の運用に就き、車体にはドラえもんが描かれ、車内も大改造された。しかし、ドラえもん編成は、吉岡海底駅の北海道新幹線資材置き場化に伴い、2006年、8月に運用を終了し廃車されてしまった。
2007年10月。
781系の老朽化により789系1000番台「スーパーカムイ」が導入され、これに伴い785系が今までの781系の運用に転入された。
これで781系は定期運用から引退した。
そして2007年10月28日。
781系のさよなら運転が行われた。
ヘッドマークを「いしかり」にして、今まで走った鉄路に懐かしさとお別れの意味もこめて・・・。
後輩の789系と並ぶ。「いしかり」と「スーパーカムイ」の並びは最初で最後。
ヘッドマークを回し、「さようなら 781系 FAREWELL 781EC」と出す瞬間。
「ありがとう 781系 THANKS! 781EC」
ついに781系は動き出した。
ゆっくり、ゆっくりと・・・。
ファンが黄色い線を出てるからかもしれない。
でも、僕には別れを惜しむように発車していくように見えた。
乗ったこともない。走ってるところを見たわけでもない。
ただ、吹雪の中を駆け抜ける「ライラック」や大勢の子供達を乗せて走る「ドラえもん海底列車」が僕の頭の中に浮かびあがった。
そして目の前には発車していく781系がいた。