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鑑賞済み:「ハウル」「キングダム・オブ・ヘブン」「東京タワー」「リチャード・ニクソン暗殺を企てた男」「姑獲鳥の夏」

試写会感想 バッド・エデュケーション編 ★★★

2005-03-25 | 映画
アルモドバルならではの、陰気くさーい音楽と、芸術調の画面は健在。美学が光るオープニング&エンドロールも健在。でも今回は仕掛けのわりに、ネタがちょい薄。 ってことで個人的には「オール・アバウト・マイ・マザー」や 「トーク・トゥー・ハー」に軍配です。

映倫による15禁指定の内訳は「暴力」ではなくて「エロ」。
ナタリー・ポートマンの元カレ、ガエル・ガルシア・ベルナルくんの(あらゆる意味で)体張った頑張りも見逃せません。

それにしても、女装の彼の、ムダにデラベッピンっぷりったら。
女のアタシに、ちょっと還元してちょうだい。

おまけ:「コーラス」のピエールも裸足ランナウェイなイグナシオ(幼少期)の美少年っぷりに、個人的偏見「やっぱ男は、スペイン系」強化完了。
それにしても、少年イグナシオの歌のシーン。伴奏のイントロ聞いて軽い驚愕を覚えていたら、なんとそのまま普通に歌い出した彼に、思わず「ええっ、そのキーからですか?!」と突っ込みそうになった。ボーイ・ソプラノおそるべし。

ちなみに本作、アルモドバルの実体験との、噂アリ。幸薄そうなプライヴェートだ。

試写会感想 アビエイター編 ★★★+1/2★

2005-03-18 | 映画
米良美一(チャッキー人形でも可)に、きれいなジャイアン操作でレオナルド・ディカプリオ。そろそろ単なる色男路線は限界の模様です。

「アカデミー監督賞も主演男優賞も作品賞も逃してガッカリ」についてはさておき、観終ってまず思ったのは「3時間では収まらないハワード・ヒューズの人生」だった。

「頭の回転が速くて、弁も立つ。エネルギッシュで実力もあって、アッチの方もお・盛・ん。でも実は少年っぽいトコもあるのよ彼ウフフフ・・・」(エロ文才ナシ)と、フランス書院あたりによくいる「やり手起業家」を地で行くハワード。
特濃人生ならではの盛りだくさんなエピソード(大まかに分けたら「事業/女(明サイド)」「サイコ」「査問委員会」か)を、何とかかんとか時間内にまとめてつなげてあるあたりに、関係者の苦労が垣間見えます。ってことで、上映時間は長いけど、個人的には予測よりはダレなかったかも。

ただし、とにかくいただけなかったのは、全編通しで観ても結局、「八ワードがなにで儲かったのか全然わからなかった」ことだ。(以下ネタバレかもなので自粛)「親から莫大な遺産を受け継いだ」かもしれんが、そのあと会社抵当に入れてまで映画撮ってたし。しかもあとで「あれは酷評だった」とか言ってるし。飛行機まともに売ってるエピソードもロクに出てこなかったし。なんであんなに金持ってるんだハワード。説得力なさすぎて許せません。

説得力といえば後半「命にかかわる大怪我をして、健康面に問題のある初老の紳士」のくせに、エナジーみっちみちに満ち溢れるデカプーのオールヌード(リアリティ<サービス)も、それはどうなの、と正直思った。

あちこちの寸評みてるとわりと「後半一時間がだるい」って書いてあるけど、観賞前の心構えとしては”「強迫神経症を知る会(発端が幼少期の一事件のみに収束されてて不満が残るが)」と「査問会における、ハワードの大屁理屈を聞く会」だと思っておけば、どうにか乗り切れるかもしれません。

脳内リミッターを外して”NIGHTHEAD”を有効活用した結果、情報量を処理しきれずフリーズするハワード・ヒューズ。脳ってほんとミラクルです。

おまけ:個人的ビックリポインツは「1946-47年の間で飛行機の形態が、マジ飛躍的に進化してたところ」と「デカプーの飛行シーンのBGMがバッハだったところ」。
特に後者、はじめのうちは、レトロでセコハンなセンスだけにギリギリアウトかと思いきや、意外といいシーンでした。
しかし、そのひきつづきの展開を、あまりの派手さからてっきり笑いどころかと思い、ひとり大爆笑していたら、一転とんでもない結末に。周囲はドン引き、「ものすごくイヤな人」になってしまった。鑑賞時は要注意。

試写会感想 エターナル・サンシャイン編 ★★

2005-03-08 | 映画
ジム・キャリー、ケイト・ウィンスレット、キルステン・ダンスト、イライジャ・ウッドなどの出演陣に、
『”さよなら”の代わりに記憶を消した---
恋の痛みを知るすべての人へ。
6人の豪華スターが送る、
たくさんの”切ない”がつまったスパイラル・ラブストーリー』
の、あおり文句。
タイトルは「エターナル・サンシャイン」とサワヤカ~で、しかも公式サイトのこの写真

でも、おそらくほとんど全ての人が抱くイメージを裏切る内容。
しかも”いい意味で”裏切ってないあたり、極悪です。

そもそも原題は「Eternal Sunshine of the Spotless Mind」。この内容で後半部分カットしたらサギだろう。だいたい、脚本:チャーリー・カウフマン(マルコビッチの穴)やん。この宣伝、絶対、確信犯だ。

「独特な映像の、新しい恋愛映画」という評価をよく目にするけど、個人的にはあまりにいろいろ詰め込みすぎで、何をメインにしたい映画なのかよく分からなかった印象が。(映像も、決して「悪い」ではないけど、別にとりたてて「新しい」とは・・・)

ただ、主人公視点で「過去の記憶が欠損」を扱った映画なら「トータル・リコール」「ペイ・チェック」「メメント」など枚挙にいとまがないし、”敵に殺される、のような、比較的ハードな要素を省いて、純粋にワンダーな心象風景にこだわる”なら、薬物中毒による「裸のランチ」、臨死体験による「フラット・ライナーズ」、「ジェイコブス・ラダー(はネタがオチだったよーな)」などなど(いちおうどれにも「身の危険」は存在するけど)これまた枚挙にいとまがないのに、何で今更この映画?とは思った。

「話のオチ」と「キルステン・ダンストの役どころ」はちょっと「へぇ」(星2つはココ)だったけど、全体を通じてコメディでもシリアスでもない中途半端さは、途中かなり激ヤバ(主に睡魔)でした。

どうでもいいけど、この映画を観たイライジャ・ウッドファンの人は、「トロイ」を観たオーランド・ブルームファンくらい凹むかもしれない。

おまけ:そういえば、どこかの(個人でない)映画サイトで
「カップルで観たら、一緒に愛の意味について考えるかも。デートに最適」という評を見て、
「もし、自分の男がこれを、『鑑賞後お互いの愛を深める、新感覚でハイセンスな映画』と、デートに選択するようなセンスの持ち主だったら、私なら、お互いの関係を一から見直す」と思ったが、
実はこの映画、アカデミー賞はじめ、けっこうあちこちの映画賞にノミネートされてたり、いろんな個人ブログの評価もすこぶる高いのであった。おうう。

試写会感想 ローレライ編 ★★★+1/2★

2005-03-04 | 映画
「戦争二次創作もの(?)」にありがちな、願望丸出しで史実曲げちゃった系ウソ話(cf.「日本が太平洋戦争に勝利」「三国同盟にアメリカが加入」etc.)だったらイヤだなあ~、とか、キャスティングが妻夫木聡をはじめイケメン目白押しなので「君を忘れない」みたいな映画だったらイヤだなあ~・・・
とか思ってたのですが、蓋を開けたら「ぬるいアイドル映画」どころか、ある意味「シルミド」臭すら感じる熱いオヤジがてんこもりだった。

壮大な原作つき映画にありがちな「総集編」感もあまりない(少なくとも「トロイ」や「キング・アーサー」よりは・・・)し、制作費が12億円かかってるだけあってCGはリアルで美麗だしで、ちょい長めの上映時間(2時間8分)もほとんど気にならないほど。
テーマのわりに「キャラ萌え」とかあまりないし、けっこう地味な内容なんですが、「Uボート」「クリムゾン・タイド」「レッド・オクトーバーを追え!」「ユリョン(が好きな日本人っているのかな)」 など”潜水艦もの”がお好きな方にはオススメ。(なんで、個人的趣味だと★×4くらいかも)

まあ、ところどころセリフがあまりに良すぎて、シーンとの軽い温度差を感じるとか(でも「おそらく原作のストーリーの中では、絶妙にはまるんだろうなあ」の予感がバシバシ)、途中何度かある「さあっ!ここで泣くがいいわ!」と言わんばかりの殉職シーンがちょっとウザイとか、あるにはあるのですが、「これ見よがしなメッセージ性(も実はちょっとウザイ)」ですら某「キャシャーン」の数百倍はマシで、「日本映画=しょぼい=ビデオで充分」な個人的イメージを謹んで返上しました。

日系三世の少女パウラ役の香椎由宇ちゃんが超キュートなのが、また、ポイント高。
そのバタ臭い顔立ちと、少年めいた存在感に、『「あずみ」は上戸彩なんぞじゃなく、本来、彼女がやるべきなんじゃ(黒マントもお似合いだし)・・・』と、ちょっと思った。
(映画「あずみ」って、原作との違和感ありまくりなんだもん)

あと、どうでもいいのですが、途中
「暗闇をバックに背負い、眼鏡の右レンズは光を反射、左レンズの奥に見える黒目は”ねこぢる”ばりに無表情な石黒賢」とか、(以下ネタバレかもなので自粛)「ローレライシステムの中枢と繋がれたチューブがちんぎれて血がドバーな香椎由宇(絶叫つき)」の絵ヅラに、みょ~~~~なデ・ジャ・ヴを感じてたら、エンドロールに「絵コンテ協力:庵野秀明」の文字が・・・・。

全編を軽くB級テイストに染めてた「エヴァ」フレイバー(わりとサブリミナルに登場)。
実は意図的にそのセンを狙った系なのかも・・・なんですが、個人的には「功」「罪」比べたらやっぱ”後者の文字”が微妙に勝つかもなあ・・・と、思ったり。