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ボタン連打

鑑賞済み:「ハウル」「キングダム・オブ・ヘブン」「東京タワー」「リチャード・ニクソン暗殺を企てた男」「姑獲鳥の夏」

アイランド ★★+1/2★

2005-07-22 | 映画
ファンが観たら「すっ・・・スティーブ・ブシェミぃぃ~~(T△T)」みたいな。

鑑賞前の予備知識から「ガタカ」や「ブレードランナー」あたりを想像(主人公カップルも美男美女だし※1)していたのだが、「パール・ハーバー」「アルマゲドン」のマイケル・ベイ監督ゆえ、当然のごとく、「ガタカ」のような美しき静謐や切なさも、「ブレードランナー」のような話の面白さもナッシング。ひたすらにド派手な音楽と映像が楽しめます。
というか、個人的には「やたらとやかましい音楽」に、どえらいくたびれたカモ。★は、明かにお金がかかってそうな部分に献上です。

公式ページであっさりバラしてる”最大のネタ(設定)※2”以外の内容はほとんど無いため、”予備知識ゼロで鑑賞”をオススメかも。

(ちょいネタバレ)途中までアクションRPG、途中から「BAD BOYS 2 BAD」みたい(後半かな~りムチャ)な映画だと思ったが、「学習しないと本能は発現しないのか」とか「なぜ、そこで首をしめる?!」など、いまだ残る謎も。(ネタバレ終わり)

どうでもいいけど、「マイケル・ベイ監督」を、間違って何度も「マイケル・マン監督」と呼んでいた、試写会の司会者さん。発音はカタカナ(客席向けに)だったけど、マイケル・ベイ監督が万が一、今後来日しなくなった場合、原因の末席に名を連ねることになるのでは・・・と他人事ながら気になるのであった。

でもまあ、マイケル・ホイ監督と間違ったよりかは。

おまけ:※1 しかし、たとえ生き残るためとはいえ、かなり大メーワクな二人。
※2 新井素子の「今はもういないあたしへ…」とか、清水玲子の「輝夜姫」とかと共通のネタ(設定)。”日本女子文化”って、やっぱけっこうスゴイのかも。ちなみに「今は~」は単行本表題作なのに、同時収録されてる「ネプチューン」の方が、はるかによく出来てて(あの独自の文体に対する抵抗を忘れるほどに)面白かった印象が。

個人的に激しく心惹かれた、劇中出て来る”近未来型格闘ゲーム”。いいなあ~。いいなあ~。
別の日に観た友人は「逃亡者」とか「マイノリティ・リポート」を思い出したとか(マイノリティ・リポート未見なんで分かんないんですが)。

皇帝ペンギン ★★+1/2★

2005-07-17 | 映画
鳥類なのに、生存曲線は多産多死型※1なんちゃうん・・・・なギワクが脳裏をよぎるほどサバイバルな、皇帝ペンギンの人生。

彼らの生活環境がどえらい苛酷すぎるため、観ているとどんどん辛くなってくる(夏真っ盛りに観ると、あらゆる意味で涼しそう・・・)が、ともかく「彼らの祖先が、環境に適応する前に絶滅しなかった」ことは、ある意味「アンビリバボー」にも勝る奇跡だ・・・と思った。

フランスで「WATARIDORI」や「ディープ・ブルー」の10倍の大ヒットを記録(公式サイトより)らしいのだが、これらの作品とジャンルは同じなれど、方向性を違にする作品。

かいつまむと「意味合いの違う”行進(行動)”でライフサイクルを分類し、それを背景に、ペンギンの”家族”を浮き彫りに描い」た内容で、また、動物学者でもあるというリュック・ジャケ監督だけに「皇帝ペンギンの生態に関しては、間違いなくあますところなし」なのは素人目にも分かるほどなのだが、「ペンギンが完全に擬人化されて、フランス語のアテレコがついて」いたり、「気象などの周辺環境も早回し映像」にしてあったり(結果、映画全体は見事に物語仕立てに※2)という”デフォルメ部分※3”にちょっと違和感を覚えたっていうか。

でもまあ、単に私の趣味に合わなかっただけ、って可能性は大なんですが(一緒に鑑賞した人は、けっこう気に入ってたし)。

「”蜂蜜を食べ過ぎ、壁の穴から抜けなくなった、くまのプーのお尻に書かれた落書き”みたい※4なカオ」の皇帝ペンギンのヒナが愛らしいとか、映画全編を彩るエミリー・シモンの音楽が「(菅野よう子+嶺川貴子)÷2」くらいリリカル※5とか、処々に挿入される「ホホエミポイント」がラブリーとか、見所はいろいろあるので、”かわいいモノ好き”の人は一見の価値アリかも。

ともあれ、地球の最果ての想像を絶する厳しい環境の中、強いられた苦難の代償として、何の華やかな賞賛も見返りもなく、ただただ命をつなぐことに、生涯を捧げ続ける彼らは、本当に貴く美しい存在だ、としみじみ思った※6

おまけ:※1 多産多死型の生き物→「親が卵を産みっぱなし」にするカキ・マンボウなどなど。
※2 「ペンギンの演じる、ペンギンのリアルライフ」(しかも、あまりに詩的な)みたいっていうか。
※3 妙~にエロい「求愛シーン」も。
※4 もしくはひもの屋のロゴ
※5 リリカルといえば、ちょっとコレを思い出したOP(フォントとか)。
※6 この際、ドーキンスはひとまず忘れる。

どうでもいいけど、ちょっと気になった「足の構造」と「陸上と水中の、動きの違い」についてこんなページとかこんなページとか。
個人的お気に入りポインツは「ペンギンの血の絆(ある意味”超能力”)」と「匍匐前進」。

ハービー 機械じかけのキューピッド ★★

2005-07-15 | 映画
「ひとりミニミニ大作戦」状態で疾走するハービー号。

”顔もそれなり、性格もイイヤツそうなのに、絶妙なダサさ漂う”あたりに、どことなく羽鳥アナとキャラかぶるジャスティン・ロング(ドッジボールの時も思ったが)。気になる気になる・・・。

主人公の親友が「カリスマ」という名前(しかも女友達。海外ではよくある名前なのか?)なのには、ちょいバビったが、金持ちっぽい美人なのに性格が良いあたり「デンジャラス・ビューティー」のミス・アメリカみたいで微笑ましい。

ま、内容は公式サイトの感想そのまんま、おおかたの期待を裏切らずみごとに「子供向け映画」っていうか。★2つは、「サーキット場のシーン」の迫力に。

以前、ツッコミ入れてたら、映画冒頭の導入部、ちゃっかりK.I.T.T.さんと並んで記念写真に収まっていたハービーくん。
サービス満点やわあ~。

HINOKIO ★★★+1/2★

2005-07-07 | 映画
とーにーかーくーよく動くHINOKIOくんが、もうもう超ラ~ヴリ~

「母を亡くしたショックから引きこもってしまった小学生サトル。不登校に対する新しい試み”遠隔操作できるロボット『HINOKIO』”を操縦し、代理登校させることで、外の世界とのつながりを手に入れる。そして・・・(詳細は公式ページで)」というコンセプトが、「昔ジュブナイルSF大好き子供&今アニミズムネタ大好き大人」な私の心の琴線に触れまくり。ってことで、観にいく前からめちゃくちゃ楽しみにしていたHINOKIO。

途中ちょっとあからさまにダレるとか、「いくらそのサブタイトルだからって、それは無いだろう」な終わり方とか、細かいところがそうとうベタなど、”大人向け”だと思って観る人には不満な部分が山ほどありそう※1なのだが、予想より「引きこもりやオタを糾弾してない」のに、この映画なりの解決を提示し、あくまでファンタジーの域を出ないながらも「明るい未来」を示唆し、「キチンと成長物語」になってるあたり、かなーり好印象※2。ちなみに、泣きどころも完備(ママン~!※3)。

途中出てくる”ゲーム案内人”の声がハヤシバラ・メグ~ミ嬢(セバスチャン風)なのも、オタ心くすぐります。

個人的には、はじめは「(CMやPVなど)商業作品っぽいキャッチーさ」と思っていたらその実、どっちかっていうと全シーン「漫画」に落とせそう(コマ割りまで浮かびそう)」だった画面&(鉄塔武蔵野線+マイライフ・アズ・ア・ドッグ+ノーライフキング)÷3に”子供向け”スパイスをふりかけたよーな内容、の印象だった。

どうでもいいけど、声といい、眼鏡+ひっつめ髪の研究者姿といい、どうみても「濱田マリ」にしかみえなかった牧瀬里穂。
「JR東海X’masエクスプレス」のCMで、山下達郎の”クリスマス・イヴ”をバックに、プレゼントを抱えて柱にもたれ、目をつぶって深呼吸していた、あの可憐きわまりない佇まい&100万ドルの笑顔は、いまや遥か時の彼方。

おまけ:※1 まー多分あのCM観てそんなこと思う人はいない。
※2 でも、製作側の目線に、”大きなお友達”軽く入ってる?みたいな。
※3 ママンは原田美枝子。そのお美しさで、そんな大きなお子さんが?!

サトルくん・・・・・・・・1998年生まれって(ゲームの登録画面に打ち込んでた生年月日より)。オバサン、なんかちょっとショックだよ。

星になった少年 ★★★

2005-07-04 | 映画
いやあ~、象ってホントウ~に賢いなあ!

キレイでエモーショナルで、OPから多分にお子様向きの作品。
公式ページやチラシのあらすじ紹介がネタバレになるくらい、シンプルに「象使いになるためタイに行き、帰国後夭逝した少年の物語」なのだが、”十分条件”的エピソードのみで構成された、無駄の無いストーリー。
不必要に感動を捏造する、坂本龍一の例によって大げさな音楽※1はちょっとうっとうしいが、「子供時代は孤独だが、若年で道を決定し、ひたむきに追求する」少年の性格が至極真っ当なため、ニートなどの社会現象がある現代ではより一層「志半ば」部分が胸に迫り、大人もせつない。

主演は、「誰も知らない」でいきなり大成功を収めた柳楽優弥くん。
個人的には「史上最年少のカンヌ主演男優賞は、演技力によるものではない」という印象だったため、今作の彼の”演技”に注目していたのだが、結論としては、「演技は上手くないけど、何故かスルーできないものがある」っていうか、「無作為の作為」(=存在感?)っていうか。だからといって案外「ヘタウマ」でもない不思議な雰囲気など、努力ではいかんともしがたいものを、すでに持つ彼。
おそらくテレビドラマには収まりきらない”スケールの大きさ”だけに露出メディアを選ぶかもだけど、”貯金”を使い果たさないうちに大バケしてくれること期待です。※2

ところで、祖母役に倍賞美津子、継父役に高橋克実、恋人役に蒼井優と、周りを囲む芸達者なキャスト陣のなかで、軽い違和感の母役=常盤貴子。違和感なのは演技ではなく、「柳楽くんと並べた時点で『アンタにそんなデカい子供が?!』なのに、さらになんと彼の上に姉もいる」設定。「アンタ・・・一体いくつの時の子やねんな」みたいな。

(ネタバレ)どうでもいいけど、学生時代、”自己啓発大好きっ子”だった友人が持っていた、ジョセフ・マーフィーの本にあった「自分の腕と引き換えに、娘の病気根治を願った父親が、その通りの結果を得る」とういエピソードと、そこに書かれていた教訓「”負と引き換えの”願いは持ってはいけない」を、ふと思い出した、あの伏線。精紳世界って残酷だなあ。(ネタバレ終わり)

途中の伏線から100%予想可能だが、手塚治虫ちっくな東洋思想溢れるテイストが涙を誘うラストシーンが、美しい。

おまけ:※1 恐ろしいほど見事に「Merry Christmas Mr.Lawrence」のメロディが載る「柳楽君が、タイで初めて象使いの行列と遭遇するシーンのBGM」。坂本コード進行MAGIC。

※2 個人的には「嵐の松潤から、甘さを抜いて素朴を足した顔」という印象の柳楽君。両者共通の「芸能人のわりに、不器用でヘンに生真面目そう」ってあたりから、松潤が克服に苦労していた「ナチュラルスマイル」が、柳楽君の今後最大の課題とみた。

広末涼子のフランス語(in WASABI)には及ばないけど、わりとGJ印象の、柳楽くんのタイ語。鼻母音より5声の方が難しそうなので、タイ語のシーンはちょっとだったけど「がんばったね」感は大。

魁!クロマティ高校映画化にたちこめる暗雲

2005-06-29 | 映画
これ

「青少年のために活動しているのに、自分の名前が不良高校の名前に使われており、憤りを感じる」byクロマティ本人 だそうで。でも、内容が小池一夫ワールドみたいだったら気持ちは分かるけど、不良高校なのって、ほとんど設定だけやん(べったべたのギャグマンガやん)。っつうか絶対アンタ読んでないやろう、内容。

だいたい、高校名の由来がアンタの名前かどうか分からへんやん(まあ十中八九「由来はアンタの名前」だが)。
宮下あきら先生だってスルーなさってるねんし(と思ってたら宮下先生この過去のために・・・・?(違))、かたいこと言いっこなしアルよクロマ茶ー。

映画化されて「HINOKIO」くらいよく動くメカ沢君(声はタチコマで希望)が観たいのになー。

あ、「健全な青少年を”笑い”で育成する目的のマンガ」ってのでは、どうかしら。
だめ?

パラサイト

2005-06-26 | 映画
日曜洋画劇場で鑑賞。今回でたぶん3回目。すっごい怖いシーンもたくさん(顔面を皮下遡行する虫状宇宙人とか)あるのに、あちこち妙~にB級で笑っちゃう。

せっかくの美貌も台ナシのダサ眼鏡で登場し、途中から美女解禁になったと思ったら、最後は「頭からタコ足」(コンセプトはe-aidemのコイツと一緒)だった元ボンド・ガール先生(ファムケ・ヤンセン)なんて、恐怖通り越してむしろ気の毒だ。

それにしても、イライジャ・ウッドといいジョシュ・ハートネットといい(他にもいろいろ)すんごい豪華キャストが楽しい本作。日本でいえば「バタアシ金魚」や「池袋ウェストゲートパーク」と同レベルの青田買いっぷり※なので、ある意味お宝映像も満載(ジョシュの変な髪形とかジョシュの変な髪型とかジョシュの変な髪型とか)。

どうでもいいけど、ラスト「宇宙人の親玉が死んだら子分も全員死亡」って。内容よりも、その、意味不明さの方がよっぽどホラーだと思うぞ。(しかも、いくら寄生してた宇宙人が死んだからって、宇宙人に寄生されてたオンナとラブラブエンドって、生理的にどうやねん)。

まあ、他にもあちこち”そりゃないぜロバート・ロドリゲス(監督)さんよ”的ご都合主義ハジケまくりで、いかにも低予算映画の香り漂う本作なのだが、パラサイト達は(ストーリーを見る限り)単体生殖だと推察されるため、全個体共通の弱点が「別個体登場」でクリアされる可能性があることから浮かぶ憶測→「映画がアタったらパート2とか3とか思ってるうちに、なんか俳優が軒並み大物になっちゃったよ(byロバート・ロドリゲス)」、みたいな。

っていうか実際、2個体以上宇宙人出して、ハイブリッド繰り返して続編つくりまくったら「スピーシーズ」、みたいな。

何はともあれ、まとめると「ロバート・パトリック、相変わらず顔が怖えーよ!!」&「ジョシュ、学校で合成麻薬売ったらアカンやろ」っていう映画(そうか?)。

※って思って観たら、イライジャくんってブッキー妻夫木とキャラかぶりかも

マラソン ★★★+3/4★

2005-06-21 | 映画
試写会前のナレーションが「自閉症ゆえに周囲を戸惑わせ、トラブルも起こす主人公チョウォン。しかし、純真無垢な彼に、周囲はしだいに癒されていく・・・」と、あまりに陳腐極まりない鼻クソ説明だったため、「けっ、また『障害者の特殊能力賛美型・心温まる系・ヒューマンドラマ』かよ」とべろべろになめきって鑑賞していたのだが、エンドロールが流れる頃には、劇中2-3回泣かされて”赤鼻のトナカイ”状態だった自分。

「520万人が泣いた」とか「泣いて泣いてハッピーになる、愛と勇気の物語」などの、劇場鑑賞モチベーションが低下しそうな宣伝、ちょっともったいない。

とにかく主人公”5歳の心を持つ20歳の青年(自閉症)”チョウォン役のチョ・スンウがすごい!!!
ラブストーリー」の時には「坂本九みたいな顔」くらいの印象しかなかった彼、さすがに顔に関しては今回も「さてさてほほー」なのだが、「本作の演技が絶賛され、以後CM出演や次回作のオファーが殺到している(チラシより)」の話もさもありなんな、細部まで手を抜かない渾身の演技には、ナメてた観客の魂も震えます。
どうでもいいけど、ランニングシャツから惜しげもなく晒されるモムチャンバディも、筋肉フェチやまもと的には一票。

また、「23年ぶりにスクリーンに復帰」らしい母親キョンスク役キム・ミスクの、ところどころ”観客の気分が素に戻る部分はある※1”ものの、「空白の時期は、絶対子育てしてたはず」と思わされた”むっちゃリアルにオカン”っぷりや、イ・ギヨン演じるマラソンコーチの「障害者の家庭にかかわる教師にありそうな発想(主に母親に対して)」も興味深い。

”弟がイイ子過ぎる”とか”クライマックスがちょっとクドい”とか”森本レオの声で『ごらん、世界はこんなにも美しい』とかナレーション入れたくなる美景色映像がしつこい(”日本版テーマソングが小田和正”は納得のツクリだ)”あたりがちょっとアレなのだが(あれがなかったら★4つ)、言葉で説明するとあんなに陳腐になる、使い古された感のあるテーマ※2を、既存のパターンとは一味違った独自のアレンジで、「”人生賛歌”がファンタジーに映らない※3、現実感覚に基づく人間ドラマ」にしていた脚本と、ここ数年特に顕著な韓国映画界のパワーに圧倒されます。(”地下鉄のシーン”にはマジ、ヤラれました)

子育てや仕事などで、一定期間以上子供にかかわった経験があれば、より心に沁みそうな映画かも(沁み度合いは、かかわりの深さに比例)。

おまけ:※1 単に「O型で、長女で、第1子は”ミルクもcc単位まで測って飲ませてそう”(推測)&押しが強い」印象のママンのキャラクター設定が、自分と真逆だったので感情移入しきれなかっただけかも。
というか、確かに”母は強し”なのだが、「自分の妻だったらちょっとキツイ・・・」と思ったキョンスク夫人。「猟奇的な彼女」の時も「僕の彼女を紹介します」の時も、ヒロインの印象が同様だったあたり、もしや女性観における日韓差が?
※2 メインテーマは困難と葛藤を通した「自立」の達成(親子とも)。クライマックスは、もろ「内発的動機付け」ってカンジ。
※3 でもやっぱり美音楽と美映像はクドい。(雰囲気そのものはちょっと「誰も知らない」っぽいのだが)

いまの日本文化を「女子供の文化」って言ってた評論家もいたけど、核家族化と教育が進んだ先進国って、どこも父親不在なんでしょうかねー。
個人的にはあのツクリなのに「クライマックスで泣けない(途中のエピソードに号泣)」不思議な映画だった。

試写会感想 ラヴェンダーの咲く庭で 編 ★★+1/2★

2005-06-08 | 映画
あしたまにあ~な」によれば、「ジェームズ・ボンドの上司M役でおなじみジュディ・デンチと、ハリー・ポッターのネコに変身する先生役でおなじみマギー・スミス主演」の映画。

このテの「穏やかで優しいお話」は、「つまらない」ことはあっても「嫌い」の評価を得ることは少なそうなため、ある意味「手堅い作品」な気もするが、宣伝で強調されていた「エリザベス女王も号泣」「ピアノマンとの共通項」は「一体どこで泣いたのか」「漂流青年が記憶喪失ではない」など、実はけっこうアレなポイントも多い本作。

個人的には、「予告編を観る限り想像できるスジと、寸分違わない話が展開される」あたりに「リトル・ダンサー」の幻を見たが、「ばーちゃんが3人出て来る話」だったら「八月の鯨」※1の方が好きかもしれない(ちなみに美婆度も「八月~」のが上)。

それにしても、同じように「年下男に懸想する女性」が出てくる作品「東京タワー(年の差15-20歳)」では、男女の関係性と構図は”恋愛”だったのに対し、本作では”恋愛”でないどころか、軽く”日本昔話(ホラー系)※2”すら入った構図に。2作品における「男女の年齢差」の比較から浮かび上がる概念「女の賞味期限の臨界点」を思うにつけ、「赤いサラファン(注:音がでます)」の歌が脳裏をグルグルするが、ともかく得られる教訓は「命短し(早く)(しこたま)恋しとけ乙女」だ・・・・と思った。

個人的なお気に入りポイントは「旧式の車」「古き良き時代の精神性(ラジオの前で正装)」「呼びかけの感動詞”オイ”※3」などなど。

おまけ:※1「メモリーオブ”死んだじーちゃん(しかも戦死)”」って、「ばーちゃん」ジャンルの必須アイテム?
※2「遭難して辿り着いた家に棲む老婆は、実は山姥。転がるように山道を逃げる旅人。凄い形相で追いかけてくる山姥」みたいな。
※3どう聞いても発音が【OI】だった、「ちょっとアンタ」的ニュアンスの呼びかけ英語。そこだけ軽くざわめいていた試写会場。

SW仮説(てきとう)

2005-06-07 | 映画
ある映画に対するちまたの評価と自分の評価が”真逆”ってことは、多分一般的に良くあることだろうけど、最近どうも「そこらへんの(作品評価の)センスが合う/合わない」と「スター・ウォーズに興味がある/なし」に相関があるような気がする→「”スター・ウォーズ”に対する評価が、個人の映画趣味の方向性の指標になる」が成り立つような気がしてならない今日この頃。

「SW興味」派より、「SW無興味」派のヒトの方が、映画の好き嫌いが妙~に合うなあ・・・・が累積してふと思いつき、身の回りで検証してみたら「おっ、意外にイケるかも?」の印象だったのですが、実は最大の問題”超個人(=私)にしか適用できなさそう”に気付いて、ちょっぴりガッカリ。

映画感想 デンジャラス・ビューティー2 編 ★★★+1/2★

2005-06-04 | 映画
”面白さ”の点ではパート1に及ばないし、ストーリー展開も予想範囲内※1だけど、ネタとしては手堅い「相棒モノ」だし、”女子@ハード任務”路線によくある「『元気もらえる』の言葉と、『オンナノコ的共感』で、つくりの荒さを目くらまし」※2ってわけでもないので、”続編に名作ナシ”の通説のわりには、それなりに鑑賞できる本作。

前作で接吻してた彼氏とは早々にポシャり、”負け犬”街道驀進中、サブタイトル”Armed&Fabulous”つながりでもないが”叶姉”ばりに軽くミスターレディー入ったグレイシー嬢(サンドラ・ブロック)と、硬派というよりはむしろ暴力的で、絵に描いたような”瞬間湯沸し機”、”ティナ・ターナー”のハジケっぷりにウーピー・ゴールドバーグの面影を宿すサム嬢(レジーナ・キング)。

ふつう「おカタイ職業女子コンビ」といえば、たいてい”アクティブな熱血派”と”沈着冷静なストッパー”の組み合わせなもんだが、今回どちらも”前者”のお姐様がた、「”両方とも夏実”な逮捕しちゃうぞ」か「”両方ともケイ”なダーティーペア」のごとく暴走。でも、骨太で根性たっぷり、ガタイもよくて、女をウリにしてないお二人のキャラに加え、世の摂理「女の友情は、血よりも濃く、恋より脆い(by女ともだち)」の”後半部分”がないストーリー展開のため、鑑賞後の印象はわりとすがすがしい。

個人的に好きだったのは「老人ホームのシーン」と、「”P.マッカートニー&S.ワンダーの歌”がらみギャグ」あたり。

どうでもいいけど、パジャマパーティーで女の友情は育まれるのって、万国共通の真理なのねん。


おまけ:※1(ネタバレ自粛)ラストも「ありのままが一番」な”負け犬賛歌”だったしな。

※2 「オシゴトはハードだけど、オシャレ&キュートに解決」「恋も仕事も真っ向勝負」「元気でパワフルなオンナノコ、落ち込んでるヒマはないわ!」みたいな。某「フルスロットル」しかり、キャピキャピ系は、コメディではなく単なる”トタバタ””悪ふざけ”になってしまう危険なパターン。

試写会感想 サハラ -死の砂漠を脱出せよ- 編 ★★★★

2005-05-28 | 映画
タイトルやキャスティングの地味さ、公式ページやストーリーのB級感などから、個人的には、もしも試写会で観てなかったら、一生鑑賞する機会はなかったであろう種類の映画(ビデオですら観なさそう)。
鑑賞後、「食わず嫌いは不幸の始まり」を身に沁みて感じたが、だからと言って、今後「あえて普段観ないタイプの映画をわざわざ観」たとしても、きっとそこには”おおはずれの嵐”&”そこでもとりこぼした作品が、実は名作”の予感も。それが、きっと映画マーフィーの法則。

オープニングの南北戦争シーンから炸裂する、超カッコいい(戦争にこの表現は躊躇われるが)カメラワークとカット割り。「兵隊に感情移入」する時間も、凄惨な肉体破壊のカットも全くないのに、「脳内に埋めた電極を刺激」されたかのごとく、なぜか生々しく身に迫る恐怖が(個人的には、そんな映画もめったにない気が)。あの”鑑賞”というよりは”体験”に近い、バーチャルな戦闘の臨場感は、大画面ならではかもしれない。

ピンチの時もノーテンキ、でっかいことを事も無げにやる仲間と、マンガじみてタフな体力の登場人物たち※1。国家がらみの陰謀と、「なにも悪いことしてないのに虐げられるコミュニティ」の構図。”出て来る施設”の規模は妙~にでかいわ、善人はあくまでも毅然として心正しいわ、ラストは勧善懲悪だわってことで、まるっきり「映画版ルパン3世シリーズ」と、だだかぶりな本作。

ただし”ルパン”なだけあって、目を覆うような残酷シーンや小難しい設定はほとんどないし、「死んだら観てる側は堪らない気持ちになる」ようなキャラは誰も死なないので安心。
ところどころブチブチ切れるシーンの切り替わり(編集が荒いのか、尺の問題なのか)がちょい不快なのと、ところどころちょっとダレるストーリーがアレですが、キャラやセリフはゴキゲンだし、エンドロールの音楽まで妙~に出来が良い(サントラが欲しくなった映画は久々)とくれば、終了後の爽快感は格別。
B級だけに、細かいツッコミどころは満載ですが、これぞB級の醍醐味!もパンパンに詰まっているので、頭を空っぽにして、お気楽~に鑑賞すれば、日ごろの鬱憤も一気に雲散霧消まちがいナシです。

ところで、ニコール・キッドマンから略奪したトム・クルーズをざっくりフって、本作で共演のマシュー・マコノヒーと交際中らしいペネロペ・クルス。

雑誌「Hanako(No.835号)」では、「見渡せば周囲360°砂漠、平均気温48度」の環境下、『目も口の中も砂だらけ。(中略)日焼け止めのクリームを塗っても、それより砂が顔にべったり貼り付いて。(中略)考えてみれば、常に砂混じりの風に吹かれてて、スクラブ効果もあったかもねぇ。(笑)』と、撮影について語った彼女だが、スクリーンを通してもハッキリ分かる「ツケ(主に、肌のキメの乱れと、法令線のシワ)」が・・・。

同誌では『(美容の大敵であるストレスを軽減するため)いろんな国の言葉を勉強するし、宗教も仏教やカソリックやヒンズー教などを勉強して、”分からない状況”をなるべく解消するように努力してるのよ』とも語っているが、”知性派”はちょーっと苦しい(本作の”医者”役も、実はかなりアレだ)彼女の場合、個人的には、「さとう珠緒と同じくらい、顔が老けたらアウトなタイプ(シワが”年輪”にならないタイプ)」だと思われるため、30代に突入した「スペインの宝石」の顔にしのびよる、確実な老化の兆しをみるにつけ、”アンチエイジングのオニ”やまもとの心は千々に乱れるのであった。

どうでもいいけど、ラストでキラリと光る、ある意味”映画史上最大級”※2の「嫌がらせ」が、もうサイコーにステキです。

おまけ:※1 特に「ありえねえ~・・・・」の感想必至な”砂漠逃避行”。その後、重ねて襲う苦境にもかかわらず、バリバリ格闘しまくる主人公に「24時間~戦~えますか~♪by時任三郎」の歌が頭をグルグルするのであった。

※2 桃井かおり主演の夏樹静子サスペンス「カビ(1987)」を彷彿(「カビ」の場合、嫌がらせじゃなく復讐だったが)。って、今調べたら、関西テレビ製作のドラマみたいなので、関東では流れてなかった予感。

試写会感想 クローサー 編 (´△`)

2005-05-24 | 映画
大きな目とクッキリした顔立ち、ほのかに漂う少女の妖艶さ。そしてエロには程遠い、貧相な肉体。
ナタリー・ポートマン・・・・・誰かに似ている似ている・・・・と思っていたら、それは葉月里緒菜だった。

同名の大ヒット舞台を、原作者パトリック・マーバー自ら脚本にしただけあって、「キャラクター」「ストーリー」「男2×女2の順列組み合わせで出来上がる場」などの軸に視点を切り替えれば、そこには綿密に仕込まれた「対比(真実/事実、精神性/肉体性etc・・・)」「類似性※1」の構図など、書き手の作為がてんこもり。また書き手側の”書きたいもの(意図)”もかなり明確。

ただ、例えれば「全体の像は”極めて不規則な形の三次元立体”のようで、切断方向によって全く違うセクションが現れる」ような映画なため、個人によって印象が全く違うかもしれない。

・・・・・とかいろいろ書いてみたが、どうしたってつまらものはつまらないっていうか。

ダメな理由は、「アリス以外は全員バカ」なのと、「時系列が良く分からない」こと。

前者に関しては、「大人の愛の物語」を謳ってるわりに”女性の過去の恋愛とセックスにこだわりまくる”超めんどくさい男ども※2と、一見オシャレな恋愛映画のクセに「トリッキーなキャラ(現代風自由恋愛の必須アイテム)がいない」あたり。
特に、「僕の中の愛は、同時にいくつも存在するし、止めることはできない」などとキャッチフレーズがついていたダン(ジュード・ロウ)は、てっきり「女性を創作の道具にするタイプ」かと楽しみにしていたのに・・・・アンタには心底ガッカリだ。

後者に関しては、特に「離婚を巡る展開」(”承諾サイン”は一体どうなったのよ)に、思わず「自分のナルコレプシー罹患」を疑ったほどの時間的飛躍が。あまりに勝手な、作り手の思い入れと納得のもとに話は進むので、鑑賞者ちょっと放置プレイ状態。

ってことで冷静に考えれば、いいとこ★1.5~2の映画。なのに「面白かったかどうか」で考えたら、なぜか★4つくらいになってしまう不思議。

って理由はまあ、ひとえに「私がゴシップ好きで下世話な女だから」なんですが。

幼児性溢れるパッパラパーの男たち&世間感覚はそこそこ真っ当なくせに、あんなくっっっだらない男に真剣な愛情をそそぐ、絵に描いたようなだめんず好きの女たち※3といい、「実は、大脳新皮質が備わっていないんじゃあ」の疑惑すら浮かぶ、各人(除・アリス)の「我の通し方」といい、100%「昼ドラ脳」で鑑賞できる話題満載。また、ラリーのインテリげんちゃん病理「超ガキんちょな精神性を内包したまま保たれる、対外的なプライド」なども妙~~~にリアルで、目が離せません。

女性だらけだった客席の、エンドロール直前の奇妙なテンション(サスペンスかと思うほどの張り詰め具合)から考えて、明らかに「Don't think、Feel」系の映画だと思ったが、映画から受けた感想には、個人の恋愛観における「ディープ過ぎて、ちょっと恥部」がスケスケに投影されると思われるため、できればあまり他人とこの映画の話はしたくない。

見どころは、懐かしの「マチルダ」香あふれる、ナタリー・ポートマン。個人的には「バッファロー’66のレイラ」よりも「モンスターのセルビー」よりも、アリスの方が好き(クリスティーナ・リッチよりナタリー・ポートマンが好き、というわけではナイ)。ちなみに、わりとツンデレなので、その方面の人には「萌えキャラ」の予感。

あと、「CAN'T TAKE MY EYES OFF YOU」のサビにもかかわらず、本歌取りの本家本元(BOYS TOWN GANG)とは雲泥の、作品世界を陰気臭く彩るテーマソングも、耳にこびりついて離れません。

などと、気付けばかつてないほど大量の感想を書いてしまったが、その実、「2時間もったいないから2度は観たくない」、と思っている私。

※1 同じ立場で同じ質問をする、アリスとラリーとか。「状況によって対応を変える/変えない」派で、キャラ分けとか。
※2 21世紀の西洋人とは思えない、儒教ばりに前時代的な貞操観念を持つ男二人。渋谷あたりの”紙のパンツはいてる”若者が聞いたら、ハナで笑うぞ。
※3 まあアンナの「ダンに対する誠実の通し方」も、相当おかしいが。というか、私だったら「あんな出会い方」するような男とは、そもそも結婚しない。

はじめは「スキャンダル」みたいな映画かと思っていたが、より”人間”に的が絞られてる分だけ、生々しさ増量中。

どうでもいいけど、坂本龍一の「BALLET MECANIQUE」みたいな効果音がいちいちうるさい公式ページ(しかも重い)。昔よくあった「だめだめホームページ」ばりに、こだわり空回り。

試写会感想 ミリオンダラー・ベイビー 編 ★★★★+2/3★

2005-05-20 | 映画
”夢みる30女(is me)”には、いろんな意味でキツイハナシだったため、途中からなるべく感情移入しないよう、頭の中の”共感スイッチ”を切ってニュートラルに鑑賞したにもかかわらず、観終わった後、じわじわ効いてくるボディーブロー(これを書いている今でも)。
さすがは、アカデミー賞4部門独占※1の作品、選考委員の目ってダテじゃない、と思った。

脚本も演出も、ここ数年のヒューマンドラマの中では出色の素晴らしさだが、名優過ぎて、もはや至宝の粋に達しているじい様二人※2(立ち姿だけで、すでにドラマ)といい、ジムに行って鍛えても女の身ではなかなか作りにくいムキムキ筋肉のリアルなボクサー体型以前に、そもそもあのキャラは彼女以外ではありえなかったと思われるヒラリー・スワンクといい、ひとカケラの非の打ち所も無いキャスティング。

★5でないのは、単に「倫理的に消化しきないシーンがある」という、ちっぽけな極私的問題のため。(以下自主規制)理解を阻むものは「似非ヒューマニズム」以外の何物でもないのだが。

あまり予備知識ナシに観た方がいい(CMもすでにネタバレしすぎ!)のでアレですが、「スペース・カウボーイ」では「年齢超えてムチャする側」だったクリント・イーストウッドが、今作では「年齢超えてムチャするのを見守る側」になってるのがちょっと微笑ましい。

まあ、アビエイターも、これが相手じゃあ、3イニングコールド負けだわね。※3

おまけ:※1 監督賞・作品賞・主演女優賞・助演男優賞。主演男優賞もクリントで良いくらいの出来だが、対抗馬が「RAY」じゃあなあ。あんな激似っぷり、ある意味「坂本九を歌う大江千里(の音声)」くらい”飛び道具”なキャスティングだと思うのだが・・・・。
※2 クリント・イーストウッド モーガン・フリーマン
※3 5イニングも待つ必要ナシ