写 真 散 歩

特別じゃなくて、普段の散歩のときに見つけた
モノを写真で綴る、ページです。

虚像

2009-03-17 | 機材考察など
写真の内容とは関係の無い話になるかもしれませんが・・・
私が、オリンパスを贔屓するように成ったいきさつでも書いてみたいと思います。
またまた長くなるので・・・お暇な方だけ読んでみてください。

最近のオリンパスは、各所でいろいろと不満が書き込まれていますが・・・
残念なコメントも多々見受けられますね。

オリンパスという会社は、他のメーカーと少し違った見方で製品を作る、
悪く言えばへそ曲がりな会社だと思います。

古くは、OM-1を発売したときも、そうでした他社が機能一辺倒で一眼を肥大化
させていった時代に、発売されました。
その当時も、ニコン・キャノンが市場を牛耳っていました・・・
後発のオリンパスは、同じ製品を作ってもまともに勝負したのでは全く歯が立た
ないと考え、今の市場に有るカメラの根本的な問題点を洗い出し、
コレを解決したカメラなら、例え後発で有っても自分たちの思想に共感してくれる
ユーザーが必ず居るはずと考え、そのときの他社のカメラのネガを研究しました。
同じフィルムを使うカメラで有りながらライカ等のレンジファインダーのカメラと
比べると、ミラーを収納する関係で、機構部も大きく重くまた、ミラーショックも
大変な物でした。一眼レフのファインダーに見たままの画像がそのまま記録出来る
という最大限の長所を残しつつ、可能な限り極限まで小さく作れないか・・・

オリンパスの当時の技術者が取った対策は、カメラの内部レイアウトをがらりと
変えることで、小型化と軽量化を成し遂げた事、他社のカメラは、
シャッターユニットをミラーボックスの横、つまり右手で握るグリップの部分に
置いていて、フィルムを巻き取るためのスペースとシャッターのチャージ機構と
ミラーの駆動のためのチャージ機構は、フイルム巻き上げのレバーを巻き上げる
ことでなされていたため、これらの3つの機構を一カ所に固めて配置するのは、
この当時では常識とされていたのです。
シャッターユニットの場所、そしてミラーの操作機構部の関係から、絶対にコレ以上
横幅を詰めるのは無理と思われていたところにを、オリンパスは発想を転換して
OM-1では機械式のシャッター制御ユニットを、ミラーボックスの下部に小型化して、
寝かせて設置することでこの不可能を可能にしました。しかも小型化をしながら、
ミラーショックを軽減するためにミラーダンパーまで内蔵していたのですから本当に
驚かされます。しかもミラーアップ機構もしっかり省略することなく搭載されています。

しかしシャッターユニットをミラーボックスの下部に持っていってしまったために、
シャッターダイヤルを一般的なカメラの様に軍幹部に置くことが出来ず・・・
マウントの基部にシャッターダイヤルを設置しました。
他社のカメラを見てもこの位置にシャッターダイヤルが有るカメラを私は
知りません、また、この位置にシャッターダイヤルが有ることで、
本来他社のカメラでレンズの付け根に部分に有った絞り環と位置が接近し使い辛く
なることを避けるために、今度は絞り環をレンズの先端よりに設置し、
前から見ると絞り環・ピントリング・シャッター環と一直線に並ぶデザインとして
まとめられ、以後このスタイルでOMは全てデザインされて発売されました。
他社のユーザーさんからは、この変則的なレイアウトはいろいろと悪く言われま
したが、使ってみると私は全く違和感を感じませんでした。
構えたときに、右手は、カメラを支えてシャッターボタンに指をかけたままで、
ピントリングの操作、絞り、シャッター速度の変更を左手だけで行えるので、
とても合理的に思えるからです。

ここまでは、横幅を詰めるための工夫でしたが、縦方向の高さを詰めるための工夫に
付いても書いておきたいと思います。

もちろん一眼レフですから、高さを抑えようと思っても、ペンタプリズムを削る
訳にはいきませんから、その他の不要なスペースは徹底的に排除されています。
外観を見てもらうと、OM-1のペンタ部のデザインは、芸術の域まで美しいと思います。
正にこれ以上削るところがないですからね・・・

その当時の、スクリーン交換が可能なカメラは、ペンタプリズム部分が着脱可能な
作りに成っている高級機にしか不可能な芸当でした。
このペンタ部分を着脱可能な機構にすると、精度の非常に必要な部分でも有り、着脱機構
の為にレールを備えたりと大がかりでコストも掛かるし、大きく重くなることが避けられ
ませんでした。でも、オリンパスはシステム一眼とする以上は、絶対にスクリーン交換が
必要と考え、ここでも発想を転換して、OM-1は、ペンタプリズムを固定として、軽量化し
つつ、それでもフォカッシングスクリーンの交換が可能と成るように、ミラーボックス
からスクリーン交換が出来る様に作り込まれた訳です。
今では、各社で当たり前となっている事ですが・・・スクリーン交換が出来る機種で
ミラーボックスから交換を行うのを始めたのはOM-1が最初だと思います。

また、一般的にペンタプリズムとフォカッシングスクリーンの間に有った薄いフレネル
レンズも高さを低く抑えるために、ペンタプリズムの下部をレンズ型に緩やかに膨ら
ませてこのレンズの機能を持たせることで、この薄いレンズを省略して、このレンズの
搭載スペースの分の高さも削減されています。縦も横も無駄なスペースは全て省いて、
小型化しても性能も操作性を落とすことなく、小型軽量を達成したわけです。
では、この小型軽量は誰の為かと言うと、もちろん撮影者の為に他なりません、

機材をコンパクトに小型化することの意義はオリンパスのDNAとして、組み込まれて
いると思われます。このことは、ボディだけでなくレンズにも同一の思想として
根付いて居ると思われます。

それと、オリンパスのカメラは高性能機は出しても超高級機は出さない会社なん
ですよね・・・前に、オリンパスのHPでも書かれていましたが、カメラをより
多くの人に楽しんで使って欲しいというスタンス、だからOMの時代も他社の
フラッグシップ機が一部の人しか買えないような高価なプライスで、性能が高いから
値段が高いのは当たり前というスタンスを取らず、一般の人が少し無理をしたら手が
届く程度を上限に、その枠内でベストを尽くした製品を開発して出していたと思います。

オリンパスの歩みを考えてみると、他社に影響を及ぼした事例は、事欠かないと
思います。過去も、今も・・・



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2 コメント

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Unknown (くま日和)
2009-03-17 20:32:28
読み応えのある文章でした。^^
確かに今のデジイチでは当たり前というか必須の機能になりつつある「ごみ取り」「ライブビュー」はオリンパスがパイオニアですね。
ユーザーの意見も上記の機能については「無いよりはあった方が良い」から「あった方が良いに決まっている」に変わって来ていますし、最近コンデジからステップアップして来た人達は「無いと話にならない」(特にライブビュー)に変わってきつつある様です。
いったい誰のお陰じゃ!と言いたくなる時があります。^^;

今はシェアの問題で他社程高彩度の液晶を使えない現実もありますが、E-620のハイパークリスタル液晶3は23万画素で良くあそこまで綺麗に写るなと思いました。E-3の23万画素とは雲泥の差ですね。
それにE-1から全てのモデルにピクセルマッピングを標準装備していたり、E-3以降のモデルには中級機以上のモデル用の機能としてのワイヤレスストロボコントロールとか。。。さりげない所にちゃんとユーザーの使い勝手を考えた作り込みをしています。
目立たない所にも手を抜かない作り手の意気込みが好きです。^^

細部への拘りから開発ベースが、特にレンズは4/3になってレンズへの要求が厳しくなる中での開発を行っているので時間がかかってしまうんでしょうね。
もうちょっと待てば出すと言っているレンズは出すんだと思いますが、取り敢えずはE-620が売れてもう少し開発費が捻出出来る様になれば良いですね。^^
100macroに関してはさすがに待たされる方も可哀想になってきました。
まぁ、ZUIKO OM90mmMacroのペーパークラフトなんて「バカにしてんのか!」と言う声が聴こえてきそうなコンテンツが出てしまいましたが、これも裏を読めがいよいよ100mmMacroも商品化に向けて秒読みか?と言う雰囲気も。。。PIEもお祭り気分満載ですが、もしかして最大のサプライズはこれでは?と言う気もしてきました。
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今晩は、くま日和さん (Mura@管理人)
2009-03-18 00:29:45
正に、くま日和さんの書いた内容はそうなんですよね・・・
今では、他社でも無視できない機能として、
着実に乗せないと、マイナス評価をされるついてて
当たり前の機能となってきたと思います。
他社の場合、気が付いていても出さなかったのか、
必要無いと思っていたのか解りませんが・・・
ダストリダクションシステムは画期的な技術だと
思います。ライブビューにしてもそうですよね、
他社の後を追っている技術も有りますが、他社に先駆けて開発するパイオニアとして自慢して良い
技術も沢山あると思います。

ペパークラフトの90mmF2は、アレはわざとやっているとしたら、本当に空気の読めない会社ですね・・・
望遠MACROは100mmか90mmのどっちで出てくるのか、
解りませんが、90mmで出てきたら、オリンパス流の
確信犯的ないたずらかもしれませんね。
出すと言っていたモノは全て出すそうですから・・・
楽しみに待ちたいと思います。>ポイント貯めないと
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