そんなこと言うんだったら、最近読み漁った山関係の雑誌、まとめときますよ!terminal[ターミナル] 2012 AUTUMNさすが、TRANSITの特別編集だけあって、写真が美しい。モンブランの写真は文句ないね。この写真だけでも1,000円の価値あると思う。アディダスの宣伝ムック的な部分もあるけど、山と雑誌作りを愛してる感が伝わるので平気です。P30,P31の「山 . . . 本文を読む
『さよならバードランド あるジャズ・ミュージシャンの回想』ビル・クロウ(米:1927-)村上春樹訳"From Birdland to Broadway: Scenes from a Jazz Life" by Bill Crow(1992)1996年・新潮社1999年・新潮文庫
数ある音楽関係の自伝の中で、一番好きな本。音楽を抜きにして「自伝全般」で言っても、はっきり言ってダールの『単独飛行』" . . . 本文を読む
『食の王様』開高健(日:1930-1989)2006年・グルメ文庫++++あるとき、いつものようにトトチャブして教室にもどってくると、私の机のなかに新聞紙でくるんだ大きな包みが入っていて、なにげなくあけてみたら、イモ入りのふかしパンだった。その頃はメリケン粉不足をごまかすためにパンにイモを入れてふかすのがふつうであった。フクラシ粉がないと重曹を使うが、それが白くかたまった箇所にいきあたると、ホロに . . . 本文を読む
『プードル・スプリングス物語』レイモンド・チャンドラー(米:1888-1959)ロバート・B・パーカー(米:1932-2010)菊池光訳”Poodle Springs” by Raymond Chandler and Robert B. Parker(1989)1997年・ハヤカワ文庫++++すったもんだの末、リンダ・ローリングと結婚することになった、マーロウ。二人はプード . . . 本文を読む
『ソングブック』ニック・ホーンビィ(英:1957-)森田義信訳"Songbook" by Nick Hornby (2003)2004年・新潮文庫++++そのときふたりで《スマイラー》のB面を聞いていたのは、十代のなかばから後半にかけて、ぼくがロッド・スチュワートの大ファンだったからだ。今では想像できないだろうが、一九七三年にロッド・スチュワートを好きでいることは、一九九四年にオアシスを好きでいる . . . 本文を読む
『ラジオ・エチオピア』蓮見圭一(日:1959-)2003年・文芸春秋2006年・文春文庫++++2002年、わが国に初めてのW杯が訪れていた。”僕”は、妻と2人の子どもの面倒を見るべく、記者と小説家の中間みたいなことをして生計を立てている。僕はある晩、渋谷で”はるか”という女と知り合う。はるかには夫はなく、前夫との間に生まれた娘を一人で育てているとい . . . 本文を読む
『深夜プラス1』ギャビン・ライアル(英:1932-2003)菊池 光訳"Midnight Plus One" by Gavin Tudor Lyall (1965)1967年・世界ミステリシリーズ1976年・ハヤカワミステリ文庫++++1960年代。かつて、第二次世界大戦中にフランスで活躍したレジスタンスの英国人闘士ルイス・ケインは、今ではフリーのエージェントとして金持ち相手に揉め事を解決して生計 . . . 本文を読む
『蛇行する川のほとり』恩田陸(日:1964-)2002年、2003年・中央公論新社(新書版)2004年・中央公論新社2007年・中公文庫念のため書いておくと、恩田陸の小説が好きだ。いつも、「中盤が面白くて、最後が尻すぼみ」的な感想をもってしまうのだが、それって別に悪いことじゃないよね。中盤が面白いだけでも十分じゃないか。ちなみに本書は最後も面白いス。ところで、古い話だが、学生の頃、俺は「僕にはカポ . . . 本文を読む
『星を継ぐもの』ジェイムズ・P・ホーガン(英:1941-2010)池 央耿 訳"Inherit The Stars" by James Patrick Hogan(1977)1980年・創元SF文庫【ネタバレ注意報(抜粋箇所)】++++さらにその後、女兵士の一人が足を挫き、痛みのためにしだいに一行から遅れがちになった。太陽は傾き、ぐずぐずしてはいられなかった。先発隊の面々は皆、一人を救うべきか、二 . . . 本文を読む
『タンノイのエジンバラ』長嶋有(日:1972-)2002年・文芸春秋2006年・文春文庫++++「明日ディズニーランドつれてって」暗い部屋から声だけする。「混むよ」俺は暗い居間に返事をして立ち上がった。「那須ハイランドパークは?」「遠いよ」「じゃあ、よみうりランドでいいよ」「おまえはランドがつけばどこでもいいのか」向こうで笑う声がする。俺は再び玄関に腰を下ろした。「ミッキーマウスの声って変だよな」 . . . 本文を読む
『子どもは判ってくれない』内田樹(日:1950-)2003年・洋泉社2006年・文春文庫++++後悔には二種類がある。「何かをしてしまった後悔」と「何かをしなかった後悔」である。ふつう「後悔」というと人々は前者を思い浮かべる。「ああ、あんなことさえ言わなければ・・・・・・」とか「あのとき、酒さえ呑んでいなければ・・・・・・」とか「あのとき、ふっと魔がさすことさえなければ・・・・・・」とか、ね。しか . . . 本文を読む
『社交ダンスが終わった夜に』レイ・ブラッドベリ伊藤典夫訳”One More for The Road” by Ray Bradbury(2002)2008年・新潮文庫++++もう遠くない、間もなくだ。早熟ロス、好漢ジャック、型破りゴードン。悪童クラブ。無敵の三銃士、じゃなくて、彼を含めれば四人、四銃士か。彼はリストを反芻した。それにしても何というリストだ。ロス、ハンサムな兄 . . . 本文を読む
『イタリアからの手紙』塩野七生(日:1937-)1972年・新潮社1997年・新潮文庫++++ローマっ子は、だが、S・P・Q・Rを、ローマ元老院並びに市民!(Senatus Popolus Que Romanus)なんては読まない。Sono Porci Questi Romaniすなわち、ローマ市民は豚である!と読むのである。下水道の大掃除さえできないわが身を、よく知っているではないか。ローマっ子 . . . 本文を読む
『お金をちゃんと考えることから逃げまわっていたぼくらへ』
糸井重里(日:1948-)邱 永漢(台:1924-2012)2001年・PHP研究所2011年・PHP文庫++++――― 糸井:さっきの矢沢永吉が、ぼくと話していたときに「惑わされるんだ」といういいかたをしているんです。やっぱり、「それは本当かなあ?」と自分でいつも距離をもってものごとに接していないと、惑わされるというようなことを . . . 本文を読む
『珠玉』開高健(日:1930-1989)1990年・文芸春秋1993年・文春文庫ずっと、『珠玉』を読むことから逃げてきた。それは開高さんの遺作を読みたくない、出来ることなら「終り」なんぞ知らないことにして、ずーっと『フィッシュ・オン』や『私の釣魚大全』を読み返していたいという俺なりの悪あがきであった。でも、たしか2005年くらいだろうか、我慢できなくなってふっと『珠玉』を手に取った。3種の石をめぐ . . . 本文を読む