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『夜間飛行』

また靴を履いて出かけるのは何故だろう
未開の地なんて、もう何処にもないのに

『蛍・納屋を焼く・その他の短編』 村上春樹

2013-04-22 | Books(本):愛すべき活字
『蛍・納屋を焼く・その他の短編』村上春樹(日:1949-)1984年・新潮社1987年・新潮文庫寂しい。『蛍』は、たった40ページ足らずで『ノルウェイ』1冊分寂しい。この短編が後にノルウェイになることを読む側が知ってるからなのか、それとも、この小品が単独で持っている力なのか、今となってはもう分からん。ノルウェイを知らない頃には戻れないからね・・・。『納屋を焼く』については、消失する女性、五反田君的 . . . 本文を読む
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『マンスフィールド短編集』

2013-03-20 | Books(本):愛すべき活字
『マンスフィールド短編集』キャサリン・マンスフィールド(英:1888-1923)"The Garden Party" by Katherine Mansfield(1922)1957年・新潮文庫仕事と飲みでぶっ倒れそうな最中、よりによって20年代の短編を読んでる自分がよく分からない。しかも、マンスフィールドなんかじぇんじぇん好きくない。あー、どうして読んでるんだろ、俺。しかし、本書のなかに『ブリル . . . 本文を読む
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『獄中記』 佐藤 優 そして夜間飛行的「監獄に持っていきたい本ベスト3」

2012-12-12 | Books(本):愛すべき活字
『獄中記』佐藤優(日:1960-)2006年・岩波書店2009年・岩波現代文庫もう、マサルちゃんたら真面目なんだからッ。どんだけストイックなんだろ、この人。本書は外務省職員だった佐藤さんが、2002年に背任容疑で逮捕(後に、北方領土支援に絡む偽計業務妨害で再逮捕)されてから、2003年に保釈されるまでの記録。拘留期間、実に512日!どうやって裁判を戦うか、塀の中で色々考えたメモのようなもの。ベスト . . . 本文を読む
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『東京の小さな喫茶店』 常盤新平

2012-12-09 | Books(本):愛すべき活字
『東京の小さな喫茶店』常盤新平(日:1931-)1994年・世界文化社++++すみれにはじめて行った朝のことをよくおぼえています。コーヒーを飲みおえてから、お金を払おうとしたときに、カウンターにあった小さな食卓塩の瓶が私の洋服に触れたかして、床に落ちて割れてしまいました。それで、いまでも忘れられないのですが、すみれのママは大変に怒りました。「商売はじめなのに塩をまかれた」私はなんども謝りました。や . . . 本文を読む
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『ニューロマンサー』 ウィリアム・ギブスン

2012-11-13 | Books(本):愛すべき活字
『ニューロマンサー』ウィリアム・ギブスン(米:1948-)黒丸尚 訳"Neuromancer" by William Gibson(1984)1986年・ハヤカワ文庫++++ 元・凄腕コンピューター・カウボーイ(ハッカー)の「ケイス」だが、過去にあるヘマをやらかし、制裁として脳神経を焼かれている。脳を焼かれ、電脳世界へのジャック・イン能力を失ったハッカーには、やることが何も無い。ケイスは日本の電 . . . 本文を読む
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『イギリス人の患者』 M・オンダーチェ

2012-11-01 | Books(本):愛すべき活字
『イギリス人の患者』マイケル・オンダーチェ(加:1943-)土屋政雄 訳"The English Patient" by Michael Ondaatje (1992)1996年・新潮社(新潮・現代世界の文学)1999年・新潮文庫++++三十人の工兵は、地雷だらけの町に入った。公共建造物の壁には延期爆弾が塗り込められ、ほとんどの車に爆発物が仕掛けられていた。部屋に無造作に置かれているどんな物体にも . . . 本文を読む
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『みんな山が大好きだった』 山際淳司

2012-10-28 | Books(本):愛すべき活字
『みんな山が大好きだった』山際淳司(日:1948-1995)1983年・『山男たちの死に方 雪煙の彼方に何があるか』・KKベストセラーズ1995年・中公文庫死と格闘することを前提にして山に赴く男たち。彼らは、死が自分のすぐ隣にいることを承知で、北壁にとりついていく。何人もの先鋭的アルピニストたちは、雪煙の向こうに何を見たのか。 苦手なタイプの本だ。精神論賛歌。だけど、山に生きた男たちの生き様・・ . . . 本文を読む
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『1Q84』 村上春樹

2012-10-26 | Books(本):愛すべき活字
『1Q84』村上春樹(日:1949-)2009年・BOOK1、2、新潮社2010年・BOOK3、新潮社2012年・新潮文庫2004年の『アフターダーク』はピンとこず(未だに一番ピンときていない)、2002年の『カフカ』は話がグロくてついていけず(あの頃、ちょうど仕事のしすぎで体調も悪かった)、1999年の『スプートニク』はボンヤリとしていた(いつもの話の焼き直しに思えた)。だから個人的には、本作は . . . 本文を読む
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『JOJO menon』

2012-10-23 | Books(本):愛すべき活字
『ジョジョメノン』荒木飛呂彦責任編集SPURムックこういうキレイで、高くて、内容がないムックを買うのはもう打ち止めにしたいな。と思いつつも、カッテシマウ。皆が感じていることなんで、俺があえて繰り替えす必要もないんだけど、荒木さんはまったく老けない。今でも、我々が小学生の頃に見ていた写真のまんまだ。25年間で数ヶ月分しか歳をとっていない。石仮面・・・、被ったんですよね?仕事場に『AKIRA』と『ドラ . . . 本文を読む
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『フィリップ・マーロウの事件』 レイモンド・チャンドラー他

2012-10-08 | Books(本):愛すべき活字
『フィリップ・マーロウの事件』 レイモンド・チャンドラー(米:1888-1959)・他"Raymond Chandler's PHILIP MARLOWE  A Centennial Celebration"Edited by Byron Preiss(1988)稲葉明雄・他 訳1990年・ハヤカワ・ノヴェルズ2007年・ハヤカワ文庫けっこう好き・・・、どころじゃなく大好きなアンソロジー . . . 本文を読む
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『鍵のかかった部屋』 ポール・オースター

2012-10-06 | Books(本):愛すべき活字
『鍵のかかった部屋』ポール・オースター(米:1947-)柴田元幸訳"The Locked Room" by Paul Auster (1986)1989年・白水社<新しいアメリカの小説>1993年・白水Uブックス<海外小説の誘惑>1997年・白水社(新装版)++++気鋭の批評家である「僕」のもとに、ある日、女から手紙が届く。手紙によると、女は、ファンショーの妻だという。ファンショー・・・。「僕」の . . . 本文を読む
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『乳と卵』 川上未映子

2012-10-06 | Books(本):愛すべき活字
『乳と卵』川上未映子(日:1976-)2008年・文芸春秋2010年・文春文庫大阪にはたまに川上未映子のような巧みな語り手がいて、これは米国でいうところのポール・オースターとかジョン・アーヴィングみたいなストーリーテラー・タイプとは違って、物語そのものと言うよりは、どっちかと言うと枝葉末節というか、話の端々に出てくる、細かいんだけどハッとさせられるような人物や情景や感情の描写でもっていつの間にか話 . . . 本文を読む
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『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』 塩野七生

2012-10-02 | Books(本):愛すべき活字
『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』 塩野七生(日:1937-)1970年・新潮社1982年・新潮文庫+++++その日の午後、ルクレツィアとサンチャは法王に呼ばれ、二つ扉向こうの法王の私室にいくため、しばらくの間部屋を外した。瞬時もおかず、部屋を守っていた法王の兵と医者は捕らえられた。ドン・ミケロットが部屋に入った。扉は閉められた。しばらくしてもどってきた女二人は、扉の外に見慣れぬ武装兵を . . . 本文を読む
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『四畳半神話大系』 森見登美彦

2012-09-30 | Books(本):愛すべき活字
『四畳半神話大系』森見登美彦(日:1979-)2005年・大田出版2008年・角川文庫++++京都の大学三回生である「私」。入学当初はバラ色のキャンパスライフを夢見ていたものの、現実はほど遠い。 思うに、入学当初のサークル選びから道を間違ったのではないだろうか。当時ぴかぴかの一回生だった私は、大学構内で押し付けられたサークル勧誘のビラのうち、以下の4つに興味を惹かれていた。その4つのビラとはすな . . . 本文を読む
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『三四郎』 夏目漱石

2012-09-19 | Books(本):愛すべき活字
『三四郎』夏目漱石(日:1867-1916)1909年・春陽堂書店1938年・岩波文庫うーむ・・・、エロいぜ美禰子(みねこ)。何回も耳元で「stray sheep(迷える子)」とか言いやがって。今度・・・、今度また至近距離でstray sheepと言ったら、どうしてくれようか。おまけに、stray sheepを描いた葉書まで送りつけやがって。全く、この葉書を穴が開くほど見つめながら何をしてやろうか . . . 本文を読む
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