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『夜間飛行』

また靴を履いて出かけるのは何故だろう
未開の地なんて、もう何処にもないのに

『きみはポラリス』 三浦しをん

2014-02-09 | Books(本):愛すべき活字
『きみはポラリス』三浦しをん(日:1976-)"Something Brilliant in My Heart" by Shion Miura(2007)2007年・新潮社2011年・新潮文庫++++俊介はうなされなかったのではなく、私の前では眠らなかったのだと、ふと気づいたのは会えなくなってずいぶん起ってからだった。どんなに気になるひとが現れても、好きになることはないと思った。++++「どうして . . . 本文を読む
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『家守綺譚』 梨木香歩

2014-01-26 | Books(本):愛すべき活字
『家守綺譚』梨木香歩(日:1959-)2004年・新潮社2006年・新潮文庫++++黒い小さな虫が腕の辺りを歩いていて肘(ひじ)の近くで止まった。そのままそこに馴染んだ、と思ったらほくろになってしまった。こすってもとれない。しかしさっきまでは確かに虫だった。私の肘の小さなほくろなど、誰も気づきはしまいが不思議なことである。++++去年のオブ・ザ・イヤーで、実は本書が俺の心の支えである事をカミングア . . . 本文を読む
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『釣り友だち』 黒石真宏

2013-11-22 | Books(本):愛すべき活字
『釣り友だち』黒石真宏(日:1958-)2008年・渡渉舎++++ぼくは一九七五年に東京三鷹市で生まれた。母の話だと、幼い頃からひとりで遊ぶのが好きだったそうだ。小学生になってからも、クラスのどの仲良しグループにも入らず、親しい友だちもできなかった。(中略)中学二年生のときにいじめにあった。 グループによるいじめが一学期の途中から始まった。どうしていいかわからず、我慢しているうちに夏休みになった . . . 本文を読む
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『今こそ、パタゴニア。』 Coyote No.49

2013-10-12 | Books(本):愛すべき活字
coyote No.49Autumn/Winter 2013THE VERY BEST OF patagonia40 years special issue  「釣り」だけに生きてきた俺のような人間にとって・・・、2007年に出た coyote 17号の『特集:イヴォン・シュイナード 地に住む者のための川』は、ほとんど聖書みたいになっとるわけですわ。勤務中も、未だに抽斗から出してコソコ . . . 本文を読む
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『マルタの鷹』 ダシール・ハメット

2013-09-21 | Books(本):愛すべき活字
『マルタの鷹』ダシール・ハメット(米:1894-1961)村上哲夫訳"The Maltese Falcon" by Dashiell Hammett(1930)1961年・創元推理文庫先日酔っ払って帰って、何気なくTVを付けたところ。ヒャダインと氣志團の綾小路翔がインディーズ・バンドのライブ映像を見て論評を述べるという企画をやっていた。画面には見たことのないバンドが出てて(インディーズだからね)、 . . . 本文を読む
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BRUTUS 753号 特集『歩こう。』

2013-09-19 | Books(本):愛すべき活字
BRUTUS 753号特集『歩こう。』いや~、酔って家に帰って、急に思い出したんで5月某日の話をするんだけど。 神保町でカレーを食べた後、ゆっくりと神田淡路町まで歩いていって、近江屋洋菓子店でお茶した。子供がいちいち道端のタンポポを抜いたりしながら歩くので、これがもっそい時間がかかる。マジで10メートル進むのに2分くらいかかっちゃうのだ。でも、そのあと近江屋で味のハッキリしないバナナジュースを飲 . . . 本文を読む
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『高い窓』 レイモンド・チャンドラー

2013-08-10 | Books(本):愛すべき活字
『高い窓』レイモンド・チャンドラー(米:1888-1959)清水俊二訳"The High Window" by Raymond Chandler(1943)1988年・ハヤカワ文庫日常生活の中で、あの台詞は言わないようにしている。「いつやるの?」「今でしょ!」という例のアレだ。すっかりブームも去ったと思っていたが、女性誌In Red9月号の特集は「今でしょ!モテるゾ!カジュアル」ということで、まだ . . . 本文を読む
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『私とは何か 「個人」から「分人」へ』 平野啓一郎

2013-07-01 | Books(本):愛すべき活字
『私とは何か 「個人」から「分人」へ』 平野啓一郎(日:1975-) 2012年・講談社現代新書  俺が新書ってのも非常にレアですが。本書は芥川賞作家・平野啓一郎による、「私(自分)って一体なーに?」という考察書。そういえば、2005年に同じく芥川賞作家である長島有のエッセイ集で『いろんな気持ちが本当の気持ち』という本が出たとき、「上手いこと言うなぁ、そうだよなぁ」と思った . . . 本文を読む
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『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』 村上春樹

2013-06-28 | Books(本):愛すべき活字
『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』村上春樹(日:1949-)2013年・文芸春秋++++アカは椅子の上で姿勢を変えず、つくるの顔をまっすぐ見ていた。その目には表情がなかった。まだ何も刻まれていないまっさらな石版を見つめている人のように。「急いでいるのか?」と彼は尋ねた。「ちっとも」「もう少し話をしていないか?」「いいよ。こちらは時間ならいくらでもある」アカは口の中でしばらく言葉の重みを測 . . . 本文を読む
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『グレート・ギャツビー』 スコット・フィッツジェラルド

2013-06-16 | Books(本):愛すべき活字
『グレート・ギャツビー』スコット・フィッツジェラルド(米:1896-1940)村上春樹訳"The Great Gatsby" by Francis Scott Key Fitzgerald(1925)2006年・中央公論新社(翻訳ライブラリー)2006年・愛蔵版++++「君の奥さんは君を愛しちゃいない」とギャツビーは静かな声で言った。「君を愛したことなど一度もない。彼女が愛しているのはこの私だ」+ . . . 本文を読む
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『星と嵐 6つの北壁登行』 ガストン・レビュファ

2013-06-15 | Books(本):愛すべき活字
『星と嵐 6つの北壁登行』ガストン・レビュファ(仏:1921-1985)近藤等 訳"Étoiles et tempêtes" by Gaston Rébuffat(1954) 1955年・白水社1973年・新潮文庫1992年・集英社文庫2011年・ヤマケイ文庫 ++++これと同じ日、西部アルプスでは知られてはいないが、ドロミチの山々でい . . . 本文を読む
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『coyote』 2013:TOKYO LITERARY CITY

2013-06-02 | Books(本):愛すべき活字
『coyote』SPECIAL ISSUE 2013COLLABORATION with TOKYO INTERNATIONAL LITERARY FESTIVAL 東京国際文芸フェスティバル昨年復刊したコヨーテの最新号は、文芸特集。3月の東京国際文芸フェスティバルの対談などが、そのまま活字になっている。あれ?綿矢りさちゃんが、いつの間にか普通のお姉さんになっているッ!・・・のは置いといて。米・装 . . . 本文を読む
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『ブルックリン・フォリーズ』 ポール・オースター

2013-05-23 | Books(本):愛すべき活字
『ブルックリン・フォリーズ』ポール・オースター(米:1947-)柴田元幸 訳"The Brooklyn Follies" by Paul Auster(2005)2012年・新潮社 よくミステリなんかで、「あなたを揺さぶるラスト5ページの衝撃」とかありますけど・・・。数ページどころか、最後のたった1行でここまで読後感を破壊する小説って他にあります?中盤で楽しくなってきて、これって要するに老人を主 . . . 本文を読む
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『町でいちばんの美女』 チャールズ・ブコウスキー

2013-05-12 | Books(本):愛すべき活字
『町でいちばんの美女』チャールズ・ブコウスキー(米:1920-1994)青野聰 訳"The Most Beautiful Woman In Town and Other Stories" by Henry Charles Bukowski(1983)1994年・新潮社1998年・新潮文庫++++陽射しを浴びるとどんな気持ちか、試しに歩いてみた。なかなかよかった。車が走り抜けた。歩道はいつもの歩道と . . . 本文を読む
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『喰いたい放題』 色川武大

2013-04-23 | Books(本):愛すべき活字
『喰いたい放題』色川武大(日:1929-1989)1984年・潮出版社1990年・集英社文庫2006年・光文社文庫++++ドブロクなどは最高に贅沢な酒だった。外国人たちが主に集落をつくってやっていて、密造と同時に呑ませてもくれる。中二階のような個室が並んでいて、梯子段をトントンと昇って、円膳のまわりに坐り、ドブロクと豚の耳かなんかで呑み出すと、梯子段をとっぱらってしまう。手入れのときには、さっとカ . . . 本文を読む
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