Final Judgement

ヤオ判定に怯えるボクシングファンのひとりとして
採点に特化し備忘録かわりに作成します

アダメクvsグラント(2010年8月17日ニュージャージー州ニューアーク)

2011年09月07日 | ヘビー級
◎アダメク 115-113 グラントX

1R アダメク10:9(グラント9:10アダメク)
2R アダメク10:9(グラント18:20アダメク)  
3R グラント10:9(グラント28:29アダメク)
4R アダメク10:9(グラント37:39アダメク)
  
5R アダメク10:9(グラント46:49アダメク)  
6R グラント10:9(グラント56:58アダメク)   
7R アダメク10:8(グラント65:68アダメク)  
8R グラント10:9(グラント75:77アダメク)

9R グラント10:9(グラント85:86アダメク)  
10R アダメク10:9(グラント94:96アダメク)
11R アダメク10:9(グラント103:106アダメク)
12R グラント10:9(グラント113:115アダメク)

<Official>
◎アダメク UD グラントX

ユージン・グラント(ニュージャージー)117-111
ロバート・グラッソ(ペンシルバニア)118-110
ジョン・パトラー(ニュージャージ)117-111


1R さすがに体格差がある。意外に速いグラントの右が浅く当たる。アダメクはボディから上へ。距離の遠さに苦しみながらもラスト30左フック、ゴング寸前右もいれる。
2R ワンツーで入り左フックを狙うアダメク。接近すれば回転力で上回る。だがさすがに大きいグラントを痛めつけることはできてないようだ。
3R 30秒グラントの左フックでアダメク後退。前半はグラントのジャブが支配。ジャブの打ち終わりをアダメクが狙いだすと攻守交替。終盤の打ち合いでいい右ショート入れたグラントに。
4R 手応えを掴んだかスタミナの不安からかグラントが前進。ジャブ、ワンツーで突き放し近づくとアッパー狙い。アダメクは冷静にボックスし要所で左フックを入れる。

5R アダメクのアウトボックスがより冴えた。タイミングのいいリターンジャブ、テンポを遅らせた左フックなんかでリード。
6R バッティングでアダメク右目をカット。同じ展開が続きややダルな展開に。だが終了寸前グラントの右ショートでアダメクがトラブルに。油断したか?
7R ダメージ残るアダメクのボックスにも前のRまでの余裕はない。だがグラントの追い足の鈍さに助けられて徐々に回復。終盤攻めてRをとった。
8R この回も基本線は変わらないのだがアダメクの反撃がまばらだった分グラントの前進が印象に残った。

9R グラントは完全に右狙いでプレッシャーを掛ける。中央で戦ってる分にはアダメクだがロープににおわれると苦しい。ラストの右でグラントに。
10R アダメクの最大の武器は強い心か。苦しい展開でもよくカンバックしてきて自分が出来ることを最大限やる。グラントの無策にも助けられRをとった。
11R アダメクが波状攻撃を見せ明らかにとる。逆にグラントは中盤攻めてた分疲れてしまったのかも。鋭いアッパーも減って安心して接近戦ができてる。
12R ラストということでグラントも出る。1分過ぎグラントの右でアダメク再びトラブル。怒涛の攻撃をクリンチで凌ぐ。グラントも疲れフラフラのアダメクを詰めきれずゴング。


・クリチコ戦前の予習に見たけどややアダメクに辛い採点になった気もする。手数を評価すればもう少し開いたかも。
・ただ後半は相手の右に展開を支配されてる印象が強かったのも確か。おそらくは仮想クリチコのグラントに気持ちよく勝っておきたかっただろうけど。
・当然ではあるが大きな選手にジャブを突かれるとかなり動きを制約されることが多い。そういった意味ではウラジミールよりビタリのがまだ勝ち目ありそう。
・しかしビタリはもっと懐深いだろうし、勘もいいだろう。決して打たれ強くないグラントと違ってあごも強い。
・そしてグラントと桁違いにパンチが速い。テンポや体の動きとの対比でおそらく見た目以上にそう感じるのでは。
・ホームとするNJでの試合だけに多くのポーランド系が会場につめかけてたようだ。その数1万人超とか。またアダメクの戦いぶりも彼らの熱狂を誘うものがある。
・基本スタイル変えずにヘビーのトップクラスにも打ち勝って世界戦までたどり着いた。その真っ直ぐな試合振りや生き様がファンをひきつけるのだろう。
・効いたパンチをもらっても決して倒れず反撃するガッツには敬服するが、しかしやはり限界もある。そしてヘビー級相手に脅威を与えるパワーに決定的に欠ける。
・先月だったか母国の政治指導者が拘束されたかどで政治家でもあるビタリがトレーニングキャンプを中断して帰国、興行に穴を開けないようウラジミールが練習を始めた?との情報があった。
・しかしそれもクリアされたようでキャンプでは好調を伝えられる。アダメクをヘイより上、クリチコ兄弟に次ぐ世界で3番目に強いと捉えて真剣に鍛え、近年になくいい状態だとか。
・白髪も目立つ40歳、ボクサーとしては最晩年。いつ急激な衰えが来てもおかしくないけれど、彼には自分の状態を客観的に判断できる賢さがあるようにおもう。
・そんなビタリが自分にゴーサインを出した以上、いつものビタリなんだろう。4万2千席ソールドアウトと伝えられる母国の大観衆の前でアダメクが逃げ回るともおもえない。
・ポーランドの英雄には悪夢のデッドエンドが待っていると予想。しかしヘイのように選り好みせずクリチコ兄弟の堅陣に挑むアダメクに奇跡を期待しつつタイムリーオンエア待ち。

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