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”まち”に帰った障害者-宮城・施設解体の一年を見て-

2005-10-12 | 障害・福祉・ボランティア
ノーマライゼーションという言葉を知っていますか?

障害のある人々が社会の構成員として、
地域の中で共に生活を送れるようにすることを目指す。
その人らしく、普通の生活が出来る事。その権利。
という意味です。

NHK ETV特集 9月3日(土)”まち”に帰った障害者では、
宮城県船形コロニー解体に伴うグループホームへの移転を
特集していた。

先進国で唯一、“施設”で暮らす知的障害者が増え続けている
日本。
「まちで暮らしたい」という障害者本人の声は長く
封印されてきた。
そのなかで宮城県は去年、県内すべての施設入所者を順次、
地域社会へと送り出す「施設解体宣言」を発表。
関係者に衝撃を与えた。

県内最大の施設、宮城県船形コロニーではすでに
150人近くが地域に移り住んだ。
去年6月には、比較的重度の障害者5人が仙台市内にある
住宅地の一軒家、“グループホーム”で共同生活を始めた。
食事や近所づきあいは福祉法人が派遣した
スタッフがサポートしている。

(青字は、NHKホームページより抜粋。引用)


埼玉県立大学丸山一郎教授、劇団主催の平田オリザ氏が
コメンテーターとなり番組は進行。

まず、米国や北ヨーロッパではほとんどの
障害者が施設に入っていない。
番組ではそのパーセンテージが示された。

”障害者を街の中の暮らしへ”
その事例として、グループホームへの移転を
比較的重度の障害者5人が行った所から話は
はじまる。

その上で、さまざまな問題が発生する。
問題は、まとめて3点ある・・・。

1、何をして過ごすか?
2、人手不足。
3、地域の協力が不可欠。




1、何をして過ごすか?

暮らすということは、誰であっても
ただ生きていれば良い訳ではない。

就労者支援センターでの粘り強い面接のシーンが出てきた。
就労ができるのならば、それに越したことはないのだ。
しかし、現実は厳しい。
若者が就職できず、フリーターがあふれている
ご時世なのだ。
障害者の就労とはいえ、
「最低限の言語能力や数が数えられるなどの
スキルがないと厳しい。」現状だと担当者は語っていた。

では、就労できない人は・・・?

1つの例として農業に従事するというものがあった。
普段、自閉気味の方が
「楽しい。」
と語っていたのが印象的だった。


2、人手不足。

圧倒的にグループホームを運営する金銭が
不足しているという。

事例のグループホームには、日中は職員が常駐する。
しかし、夜間はボランティアによる寮母さんが
つくのみなのだ。
しかもボランティアなので、なかなか人員が集まらず
苦戦しているという。

なんということか・・・。
夜間が介護2級以上の人とはいえ、
ボランティアとは・・・。

少人数で社会に暮らすという事は、
金銭だけでいえばコロニーよりずっと
お金も手間もかかる。
つまり、費用はかさむことになる。
学生ボランティアなども入り、事例のホームでは
がんばっていた。

この金銭の問題の解決方法の一例として、
宮城県白石市のグループホームが出てきた。

認知症の老人と知的障害、重度障害者がいっしょに
施設を利用するというもの。
介護保険の1本化により、財源的にフォローしよう
という試みである。
老人施設と一体化する事により、
障害者自身の金銭負担を軽くしようというのだ。


3、地域の協力が不可欠。

船形コロニー解体にふみ切った宮城県福祉事業団の
田島良昭理事長は、かって長崎でも
同じような改革を行った人物である。

田島理事長は語る。

「実験的に地域で暮らしてみたら、
誰も帰ろうとは思わないんだ。」

船形コロニー解体は、
福祉を行政だけではなく地域に問いかけた例なのだ。

平田オリザ氏、埼玉県立大学丸山教授は語る。

「地域での受け皿が整わない状態での解体でいいのか?
私たちは、隔離政策のツケを払わなければならない。
隔離は、人の自立のチャンスを奪ってきたのではないか?
それを日本の行政は、見てみぬふりをしてきた。」


「地域の人のつながりからネットワークを形成したいが、
福祉の興味あるなしにかかわらず柔軟な発想での
人材の掘り起しが必要なのではないか?」


「ボランティアをしたいという学生のいる一方、
ニートの若者も増えているのが現状である。
もっと、ボランティアのチャンスを増やし、
ボランティアの制度化・義務化が必要かもしれない。」


「思いやりや気遣いは、社会の中で生まれてくるものだ。
社会の中で生きるのが、いかに大切か?だろうと思う。
しかし、地域の協力がなければコミュニティーは呆気なく
崩壊するのだ。」


行政が、法律施行までこの事を現状のままにしておけば
障害者の自立、ノーマライゼーションは1世紀は遅れるという。

宮城県の事例は、全国に何かを訴えかける
事例であることにはまちがいないだろう。

最後に・・・。

私の個人的感想として、どんな方法であっても
良いが障害者の方々に選択の自由を残して
ほしいと思う。
コロニーをよしとするも、社会に住む事をよしとするも、
個人の自由なのだ。

行政は、そんな人間の選択の自由を尊重した上で
この福祉の時代を乗り越える舵取りを
担ってほしいと切に思う。



 「小さきは小さきままに 折れたるは折れたるままに
  コスモスの花さく。」しいのみ学園園長地三郎先生の言葉。

(追記)画像は、本編に直接関連はありません。








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12 コメント

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わたしも (momon)
2005-10-12 09:49:22
うめももさん同様、

利用者が当然、生活する場を選択する権利があると思うし、本当のノーマライゼーションは「選択できる自由を有すること」そのものだと思っています。

だから、行政の『ごり押し』には、

ちょっと??なところがあります。

きっと『ごり押し』位に進めないと全く進まない、という現場の事情もあるのでしょうが・・・



グループホーム利用者に直接話しを伺ったことがあります。

グループホームで暮らすまでにとっても勇気がいったそうです。中には社会にでる不安で

病状が一時的に悪化した方も。また、

絶対に嫌だと言って、病院の入院部屋に戻っていった方も・・。

精神障害(脳など器質的な問題の方を除いて)を持つ方の多くは、既往として

何かしら社会(家族・友人・恋人・職場など、人間関係)に心や体を傷つけられたことがある方でした。

だから社会に出る と言うことは、彼らにとっては

大変、時間とエネルギーの要るステップなようです。



「受け皿は後からついてくる」的な考えのみでは、

利用者の目から見ると、厳しいものがあると思います。やはりボランティアの方、福祉関係者の手は多く必要です。 夜間もボランティアなんですね・・・

そういうところに税金投入はできないんですかね。

行政は税金の無駄遣いをやめて、

ほんとうに必要なところに私たちの税金を使って欲しいと強く願います!

返信する
おおっ・・・! (じゃい)
2005-10-12 10:05:14
この記事は・・・そして、地先生の「コスモス」も・・・。感激です。



「まちにかえった障害者」で取り上げられていたグループホームのその後の様子をお知らせします。

町内の皆さんとの交流が深まり、草取りの指導などを受けているそうです。遊びに来る、中・高校生も増えています。

コロニーで全てを職員に頼っていた生活から離れたメンバー。

少しずつ自分の役割を見出し、働く喜びを知り、表情は引き締まってきているようです。



しかし、問題は山積み、賛否両論渦巻く中

メンバーの生活はどうなっていくのか・・・

これからも見守っていこうと思います。



旧厚生省出身の知事に変わり、10/23には新しい知事が選ばれます。新知事はどのような舵取りをしてくれるの

でしょうか。

23日も仕事なので、今朝、期日前投票をしてきました。



追伸:24時間TVの地先生の体操見ましたか?

   100歳!白菜、チンゲン菜、どんクサイに

   面倒クサイ。。。負けてはいられませぬぞ。









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福祉を考えた (otaco)
2005-10-12 16:56:10
うめももさんこんにちは。うめももさんのブログを読んで、考えてみましたが、こういう問題は難しいですね。でも、私も障害者の方に選択肢を与えるべきだと思います。街に帰すのなら、帰っても大丈夫なようにそのへんの整備をしてから帰すべきだと思います。

お金の問題も行政が手助けすべきです。そして、市民が障害者の方へ理解を示せるようになることが重要だと思います。大きな政府から小さな政府へと言いますが、私にはこの事例が小さな政府への入り口の気がします。障害者自立支援法という法律も、問題のある法案だと思っています。街へ帰すのなら、障害者の方が安心して暮らせる環境を作ってからだと思うのですが・・・
返信する
momonさん、じゃい、otacoさんへ (うめもも@申し訳ない!)
2005-10-12 17:53:01
今、実は時間がなくてコメントがかけないんですっ。

しかも、みなさんとてもいいご意見をいただいたので、じっくり書きたいのですっ。



どうか、お返事は明日ということで・・・。



もう夕ご飯を作らないと、おっとがふてくされます・・・。

逆鱗にふれます・・・。



ああ~~っ。

(バッタリ、倒れる。)
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momonさん、貴重なご意見ありがとうございます。 (うめもも@お返事、遅くなりました。)
2005-10-13 10:15:19
グループホームに入った方の感想などが聞けるとは、思いませんでした。



「自立」って大切な事ですよね~?

また「自立」できることは、それを望む人にはあって当たり前の選択肢だと思います。



ただし、momonさんのおっしゃるようにいざグループホームに入り自立の道を模索しようというのは、並大抵の決断ではないのだと思います。

私自身もボランティア経験から、障害を持つ友人が多いのですが、友人達の心は揺れ動くのをいっしょにいて感じています。



誰でも自立した生活はしたいのです・・・。

でも、社会経験が浅く競争社会にたったことのない友人達の恐れは解りますね・・・。



政策ありきだけでは、人間の心を踏みにじってしまうのかもしれません。



ちなみに、TVのボランティアの人は有償ボランティアかもしれませんね~。









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じゃい、おっ!!ここにも情報が! (うめもも@お返事、遅くなりました。)
2005-10-13 10:32:55
「まちにかえった障害者」で取り上げられていたグループホームのその後の様子・・・知りたいですね~。



すごい!こんなにも情報が集まるとは!

ブログの力・・・そして、出会いの縁の力を再認識します



ボランティアが増え、遊びに来る人が増えた!

よかったですね~。財源の問題はいくらかクリアできたのかな?

そして、みなさんが働く喜びを知ったなんてすばらしいことです。



新しいことを始めれば、問題は山積するでしょうね・・・。

障害者の自立の問題自身、賛否両論でしょうし、賛成であったとしても何の協力もない人もきっと大多数でしょう。



宮城県民は、いろんな意味で民意を試されているような気がします。



しばらくは、問題山積みの渦中にいると思いますが、

今の取り組みが成功すれば全国にその実例をしめせるのでしょう。



かつて、伊達政宗公は斬新な政策で城下町をコツコツ作っていったと聞きます。

将軍徳川家康公にいじめられながらも、暮らす人々に徳になる治水工事などを行ったんです。



先人の偉大なる智慧と徳にあやかって、ぜひノーマライゼーションを成功させてほしいと願います。



そういえば・・・。伊達政宗公そのものが、片目で障害があったんだわね~。

そういう意味でいえば、福祉に縁があるのも解る気がします。



あっ、24時間TVは見てたんですが、地先生の体操は見逃したのよ~。

老春さんならモニターやってたから、解るかも?
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otacoさん、全くその通りだと思います。 (うめもも@お返事、遅くなりました。)
2005-10-13 10:53:40
otacoさんの住む土地では、同じ立場の障害者の人たちはどんな暮らしをしているのでしょうか?



私の住む所は、まだぜんぜんですよ・・・



いろんな意味で民意の理解も興味も少ない土地だと感じます。

だから、私がボランティアで通う施設の所長さんは大変だと思います。

くわしくは知りませんが、資金繰り大変じゃないのかしら?



福祉には、莫大な費用がかかっています。

それを囲む利権もあるのです。



上記記事の船形コロニーは、実は大きな使途不明金横領事件で有名になった所なのです。(以下をクリック♪)



http://www.mainichi.co.jp/universalon/clipping/200305/353.html



福祉には、いろんな側面があります。

けれど、お金も手間もより当事者の意思と将来を考える内容になってほしいなあと思いますね







返信する
TBありがとうございます! (quedono)
2005-10-14 08:37:24
ブログは見てるんですよ

でも、こういう話題には軽くコメント書けない性格なので、最近の仕事&個人的勉強などばたばたでコメントを書く時間もなくやり過ごしてしまっています。。。



ごめんなさいね



また、ゆっくり時間がとれるようになったら福祉談義させてください



「つるかめざん」ブログは終了させました。

勉強会自体もこれからどうなるか分かりません。。。

もともと会を続けることを目的としませんでしたので、これで良いと思ってます

それと私ばかりが引っ張りすぎてもどうか?と思うところが強くて、他のメンバーの方の自発的な行動を期待しています(イライラ)
返信する
追伸 (quedono)
2005-10-14 08:44:01
うめももさん

肝心なことを言い忘れました



これまで「つるかめざん」ブログへのお付き合い本当にありがとうございました!

ブログを始めたばかりの私につながることを教えてくださったのは、うめももさんでしたね。

これがきっかけで本当にたくさんの方々とつながることが出来ました。

「お気楽ぅ~」(by rroundd)ではもちろん、これまでどりお世話になるので、これでさよならというわけではありませんが、節目ということでお礼申し上げます。



ありがとうございました
返信する
むずかしい (未歩)
2005-10-14 09:18:40
うめももさん、おはようございます。

みなさんのコメント読ませていただきました。

でも私には、自分が障害者になって、

ぶち当たる問題は分かるのですが、

それは氷山の一角に過ぎず、

どう書けばいいのか分かりません。



自分自身も2年前、車椅子通勤を目指し

復職のチャンスをもらいました。

ある程度の問題はクリアーしましたが、

社会情勢・障害者の復職には問題山積です。

本音と建前の壁が必ずあります。



また障害者の方の自立・・・

受け皿がないのが現状です。

これは多く見ています。



世界ではずいぶん進んでいて、

職が見つかるまでの保障もあります。

行政に望むのは、

まず、障害者の意見にもっと耳を傾け、

お役所仕事で終わらせないでほしいということですね。

理解がもっと深まってほしいです。



「生きるとは働くこと

    働くとは自分の命を守ること」

障害者を雇ってくれている経営者のお言葉です。
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