「ねえ、リヴァ。
わたしの子供を殺した魔女は、元気かしら――?」
「――アリオーシュ!」
いきり立ったリヴァの横を聖花はすり抜けた。
「アリオーシュ……無事でよかった」
抱きつかれる格好となったアリオーシュは、一瞬きょとんとした表情を浮かべ、微笑みながら聖花の髪を撫でた。
「ごめんなさい。――あら……」
傷だらけの手を取ると、「聖花、あなた……」
苦笑。「エレメンタラー」アリオーシュの周りを舞っていた炎の残滓が、水滴へと姿を変えた。
「わたしを助けようしてくれたのね……」
水滴が傷を潤すたびに、痛みが遠のいていく。「すごい……」
ものの数秒で、聖花の手の傷は、すべて消えていた。
「さあ、行きましょう」
聖花の手を取って歩き始めたアリオーシュ。困惑する
「行っちゃだめだ!」
空いた手をリヴァが引いた。
思いがけない強い力に聖花はよろめき、転びそうになった。
文句を言おうと口を開きかけた聖花は、リヴァの、今まで見たことのない表情に思わず息を飲んだ。
「……あなたじゃ無理よ」
アリオーシュの静かな声。「あなたじゃ、その子は救えない。自分でもわかっているんじゃなくて?」
嘲笑するでもなく、あくまでも真剣な表情のアリオーシュ。リヴァの表情が険しくなった。
「ぼくが――あの頃のままだと思うなよ、アリオーシュ」
わたしの子供を殺した魔女は、元気かしら――?」
「――アリオーシュ!」
いきり立ったリヴァの横を聖花はすり抜けた。
「アリオーシュ……無事でよかった」
抱きつかれる格好となったアリオーシュは、一瞬きょとんとした表情を浮かべ、微笑みながら聖花の髪を撫でた。
「ごめんなさい。――あら……」
傷だらけの手を取ると、「聖花、あなた……」
苦笑。「エレメンタラー」アリオーシュの周りを舞っていた炎の残滓が、水滴へと姿を変えた。
「わたしを助けようしてくれたのね……」
水滴が傷を潤すたびに、痛みが遠のいていく。「すごい……」
ものの数秒で、聖花の手の傷は、すべて消えていた。
「さあ、行きましょう」
聖花の手を取って歩き始めたアリオーシュ。困惑する
「行っちゃだめだ!」
空いた手をリヴァが引いた。
思いがけない強い力に聖花はよろめき、転びそうになった。
文句を言おうと口を開きかけた聖花は、リヴァの、今まで見たことのない表情に思わず息を飲んだ。
「……あなたじゃ無理よ」
アリオーシュの静かな声。「あなたじゃ、その子は救えない。自分でもわかっているんじゃなくて?」
嘲笑するでもなく、あくまでも真剣な表情のアリオーシュ。リヴァの表情が険しくなった。
「ぼくが――あの頃のままだと思うなよ、アリオーシュ」