寺子屋ブログ

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ニュースから(岸和田だんじりと祝日法)

2006年09月05日 20時22分03秒 | Weblog
 気がつくと、あれだけ元気だった蛙の鳴き声が聞こえなくなり、夜には虫の音が聞こえるようになりました。私の家の周辺では、本当にたくさんの蛙がいたようで、電話をしていても、相手から「何だ?蛙が鳴いてるの!?外にいるの?」とも言われたことがあるくらいのものでしたから、相当な数の蛙が生息していたんだろうと思います。そんな蛙も鳴かなくなり、今では虫の音が涼しく響きます。季節の変わり目を感じた今日この頃です。

 さて、昨日のニュースで、「岸和田のだんじり、130年ぶりに日程変更」という記事を目にしました。

 明治9年以来、9月の14日、15日に実施されてきた岸和田のだんじりですが、平成15年の祝日法改正により、敬老の日が「9月第3月曜日」になったことで、平日の実施とせざるを得ず、観光客の見物も激減したようですが、なんと言っても、実際にお祭りに参加する、いわゆる「だんじりの曳き手」の確保が難しくなったため、仕方なく週末に併せる日程に変更したということです。

 賛成側の意見としては、「会社を休まずに祭りに参加できる」という会社員の声や、「学校行事に融通が利く」と答える学校関係者の声がありました。また、観光客も、「平日ではなかなか見に行けなかったから楽しみ」と答えておられました。

 しかし、日程変更に反対する声もあります。日程変更が「祭りの情緒が無くなる」「見物人のための祭りになるのでは」との懸念の声や、「長年身に付いた慣習が狂うのでは」「伝統崩壊の危険がある」との声も聞こえます。

 改正祝日法により、連休が増えたため、「週末を家族で過ごす機会が増える」「経済効果が期待できる」という声は聞こえます。しかし、そもそも、何故その祝日があるのか、という意味を考えず、ただ「祝日を月曜日に持って行けば、連休になる」という風潮が、危険ではないかと以前から考えていました。

 例えば、以前は7月20日が海の日でした。これは、明治天皇が明治9年東北ご巡幸の帰途、灯台視察船 明治丸で、青森から函館を経て7月20日に横浜港に安着された日に因み、制定されたものです。然し現在ではただ「7月第3月曜日」となり、その日の持つ意味が失われています。

 また、以前ある方のお話で伺ったのですが、例えば、成人の日を1月第2月曜とすることで、「大人となる通過儀礼の日がまいとしフラフラかわってしまうことが、駄目な人間作りにもつながる」と仰る方もおられました。

 9月の敬老の日も、593年の9月15日に、聖徳太子が、悲田院(貧困者や身寄りのないお年寄りをかくまう施設)を創設したという言い伝えから、1951年に設置されたものだそうです。(日本文化いろは辞典より)が、9月の第3月曜日とすることで、その由来も薄れてしまいます。

 連休が増えれば良いことも多いかも知れませんが、それは現在の私たちが生きる上で都合がいいからというだけの問題であり、そこには「本来の意味を考えながら、先祖や歴史にも思いを致し、感謝して過ごす」と言う意識の薄れにつながるのではないかと思います。

 とはいえ、改正祝日法になった以上、こうした「その祝日の持つ本来の意味」をきちんとふりかえりながら、祝日を過ごしたいと思います。
(文責:横畑雄基)

 

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