「オレが承知すると思うのか」
そら来たと、氷河は思った。
「うるさい、オレがどこでなにをしようと勝手だろう」
よりにもよって一輝にガードされているという現実が、肚立たしいことこの上ない。
「キサマ、誰に向かってそんな口を聞いている」
雄豹のような素早さで傍らに来た一輝が氷河の頬を摘み、引っ張った。
「やめろッ」
氷河は一輝の腕を振り払った。
「この程度のスピードも避け切れんとは、のろまめ」
一輝は窓脇の壁に背をつけ、腕を組み嗤っている。
「黙れッ!」
氷河は一輝を睨みつけた。
この眼光が相手を射るスピードでバカを叩きのめせない自身が口惜しかった。
「黙らんな、そんな身のこなしで跳んでくる弾丸から避けきれるか」
一輝に正面から見据えられ、氷河は唇を噛み締めた。
事実だからしかたがない――が。
「弾丸なんか跳んでくるかッ! ここをどこだと思っているッ!」
ここは銃の規制の厳しい日本だ。
氷河の立場からすればそういう事態もなくはないが、そういうことには目を瞑(つぶ)ることにした。
「とにかく、授業が終わったら屋敷に戻って宿題だ」
「うるさいッ」
氷河は一輝に背を向けた。
まさか、一輝の口から『宿題』などという言葉が出るとは思わなかった。
「うるさくはない、解ったら返事をしろ、それが年長者に対する態度か?」
上から押し付けるような物言いに、氷河は猛烈に肚を立てた。
今すぐ、子憎たらしい顔に拳を叩きこんでやりたかった。
「黙れッ! バカッ!」
氷河は部屋を出、後ろ手に扉を叩きつけるように閉めた。
「いいか? 迎に行くからな」
「うるさいッ、ジジイッ!」
毒づき、氷河は学校へ向かうべく歩を踏み出した。
「続く」
そら来たと、氷河は思った。
「うるさい、オレがどこでなにをしようと勝手だろう」
よりにもよって一輝にガードされているという現実が、肚立たしいことこの上ない。
「キサマ、誰に向かってそんな口を聞いている」
雄豹のような素早さで傍らに来た一輝が氷河の頬を摘み、引っ張った。
「やめろッ」
氷河は一輝の腕を振り払った。
「この程度のスピードも避け切れんとは、のろまめ」
一輝は窓脇の壁に背をつけ、腕を組み嗤っている。
「黙れッ!」
氷河は一輝を睨みつけた。
この眼光が相手を射るスピードでバカを叩きのめせない自身が口惜しかった。
「黙らんな、そんな身のこなしで跳んでくる弾丸から避けきれるか」
一輝に正面から見据えられ、氷河は唇を噛み締めた。
事実だからしかたがない――が。
「弾丸なんか跳んでくるかッ! ここをどこだと思っているッ!」
ここは銃の規制の厳しい日本だ。
氷河の立場からすればそういう事態もなくはないが、そういうことには目を瞑(つぶ)ることにした。
「とにかく、授業が終わったら屋敷に戻って宿題だ」
「うるさいッ」
氷河は一輝に背を向けた。
まさか、一輝の口から『宿題』などという言葉が出るとは思わなかった。
「うるさくはない、解ったら返事をしろ、それが年長者に対する態度か?」
上から押し付けるような物言いに、氷河は猛烈に肚を立てた。
今すぐ、子憎たらしい顔に拳を叩きこんでやりたかった。
「黙れッ! バカッ!」
氷河は部屋を出、後ろ手に扉を叩きつけるように閉めた。
「いいか? 迎に行くからな」
「うるさいッ、ジジイッ!」
毒づき、氷河は学校へ向かうべく歩を踏み出した。
「続く」