死に近い場所

その一


彼女は見つめた

虚空の果てを

手を伸ばし

何を掴もうとしたの

そして

二度と目を開かなかった

今も彼女は

眠り続けている



その二


喉に通した空気の管がはずれた

死んじゃう死んじゃうと彼女は叫ぶ

そして本当に死んでしまった

これから始まる

長く辛い闘病生活から

逃れることのできない死神から

呆気なく解放された

それでも彼女は死にたくなかった



その三


その口から水を飲む

しかし喉を通ることが出来ない

力の出ない身体で

それでも最後の一滴を欲する

彼の内臓は

もう元には戻らない

それでも三日の間

死の淵をさまよった

しかしついにその時が来た

彼の瞳にはもう何も映っていないのか

見開いたその瞳が

徐々に光を失っていく

死なないでという私の願いも虚しく

その短い生涯は

幸せだったのだろうか




これは私が手にかけた三つの命の詩

私は死神だろうか？

hosinonegai

sorakarahosigafuttekuru

watasinouenimo,anatanouenimo

kokokaradokohemukaunoka

utyuunohatemadetobouka

iie,kokogautyuunohatedesu

watasigautyuunohate

anatagautyuunohate

watasiganegattakara

anatanideaeta

watasinosaibounohitotuhitotuga

watasinoisi,watasiwotukuriageteiru

watasiganegaukara,watasigaaru

korekaramonegaitudukeru

dokokaheikitaitonegattakara

arukeruasigadekitannda

mosikasitara,soratobuhanemohaerukamosirenai

watasinotiisananegaigawatasiwokaeteiku

korekaramo

zutto