初ランクマッチ記念記事。
ずっと避けていた、鉄拳ランクマッチにデビューした。
格ゲーをやり始めてもう10年以上になるが、
今だにランクマッチをやるときは手が震えるし、
マッチングした相手のプロフィールを見ていると動悸が起こる。
情けない話、相手の力量を知らないことが怖いのだろう。
減っていく体力ゲージ、痛いほど鳴り響く心音。
どうしても気楽にプレイできず、ランクマッチに手が出なかった。
過去の話をするが、私が初めてランクマッチを経験したのは、
およそ10年前、ストリートファイター4をプレイしていたときだ。
バレバレな透かしジャンプからのレイジングタイフーンが決まり、
対戦相手のアベルの体力残り半分を一度に奪った際、
隣で見ていた母親が歓喜の声を上げた。
そして、最終ラウンド、アベルの無空に倒れたTホークを見て、
「あれはすごい技だったね」と母親が呟いた。
これが私の初めての公式試合だった。
社会において、脚光を浴びるのは勝者だけである。
しかし、母親だけは敗者であっても私を見ているのだ。
だからこそ、結果が出ないことへ申し訳なさを覚える。
私がランクマッチに必死になってしまうのは、
この青い記憶によるものなのだろう。