パンピーテッケナー専用メモ

鉄拳プレイ中のメモ

じゃあ、初心者はどうすれば良いのか

2022-05-31 16:20:51 | ゲーム

 前回のブログのように、こんなに細かい攻防のすえ、格闘ゲームが成り立っているとなると、初心者はどうゲームを「攻略」していけばいいのか。

 

 初心者が格闘ゲームにどう参入して、どのように強くなっていくか、道筋が殆ど用意されていないからこそ、初心者は格闘ゲームに入れないのではないか、という意見に対する*アンチテーゼの意味も込めて書いていきたい。

 

 *なぜ格闘ゲームが流行らないのか=「初心者に格闘ゲームが難しいから」ということではないと私は考えているから。

 

1. 勝つためにはまずボタンを押すこと。

 格闘ゲームは、アクションゲームから派生したジャンルである。つまり敵に対して何かしらのボタンを押さなければダメージは与えられない。

 なので、まずは好きなボタンを押してみることから始めてみる。

 鉄拳でもストリートファイターでも、ボタンを押せば何かしらの攻撃が出るはずなので、相手のことはお構いなしにガチャプレイで楽しんでみて欲しい。

 相手の攻撃が苛烈なら、雰囲気でガードしてみてもいい、でも攻撃ボタンも押す。

 普通のアクションゲームであれば、自然と行っていることをやるだけだ。

 

2. いつボタンを押すのか。

 でも勝てない! ボタンを押しているだけではダメージレースで勝てない。

 その通りである。しかし、ダメージは取れていたはずである。毎回毎回、パーフェクトゲームにはなっていないはず。

 つまり、何かしらの偶然が重なれば勝つことも可能だった相手なのである。

 

 じゃあ、次はどういうときにダメージを取れていたのかを考えてみる。

 前回同様、鉄拳7も例に フェンvsブライアンを考えてみよう。

 

初心者が一番使う技であろうワンツー(LPRP)、これはお互いによく出し合っているはずだ。

 ブライアンのワンツーをガードした後、ボタンを押した方がいいいのか、押さない方が良いのか、初心者だったらどっちが良いのだろうか。

 答えはボタン押す方が断然に良い、この攻防では簡単に言うと下記のような「読みあい」が発生しているからである。

 

 1. ブライアンのワンツー(LPRP)はガードさせて -2F。 (ブライアン側の次の動きだしが遅い)

 2. ブライアンが次に行うと考えられるのは

   a. ボタンを押す(最速の行動は、発生10F+2F=12Fのワンツーだけ)

      b. 何もしない(立orしゃがみガード)

 3. フェン側は、自分がボタンを押す行動に関して

           aとかみ合った場合 

   選択した技が、12F以下の技であれば、確実にダメージを取れる、最低でも相打ちになる。

   選択した技が、12F以上の技であれば、相手の出した技に対して、ダメージ取れたり取れなかったりする。

   b.とかみ合った場合

   ブライアンが立ガードでフェン側の下段技が出た場合、ダメージが取れる。

   ブライアンがしゃがみガードでフェン側の中段技が出た場合、ダメージが取れる。

 4. フェン側がどの技を出すかに関わらず、ボタンを押した方がダメージは取れそう。

 

 *実際には、押す/押さない、どちらも正しいが、ボタンを押さない方がフェン側のリスクは間違いなく少ない。ただダメージは絶対に取れない。初心者帯における技を当てる、ダメージを取るというのに重きを置いた場合、このシチュエーションはボタンを押した方がいいのではと考える。

 

3. もう初心者ではなく初級者、普通のゲームであれば、ここでゲームクリア

 

 上の読みあいを理解して実践で再現出来たら、もう初心者ではなく、初級者である。

 後は、上記のようなパターン分けや、キャラ特有の技の性能の把握などを一個一個地道に行い、それに対しての回答を用意し、練習し上達、そして勝率を上げていく他ない。

 将棋でいう詰め将棋や定石暗記と同様に、地道に一つずつ練習するようなもので、嘘ではなく、上達の道は、これ以外に本当にないのである。

 

 プロゲーマーはこのシーン別、期待値に関する分析を、技どころか、間合いや、相手と自分の残りHPの差、ゲージの有無、試合中の相手の技の振り分け、ありとあらゆる要素を、とにかく細かく詰めて覚え、咄嗟に反応できるまで、やりこみを進めている。

そしてそれが、読みあいの前提となり、そこから個人の発想を加えて勝つ。

それがプロである。

(将棋のプロは詰将棋など一瞬で解けてしまう、のと構造は同じだ)

 

 この勝率を上げる作業というのは、いわゆる他のゲームでいうRTAや、縛りプレイに該当するプレイステージなのである。

 つまり、自分が普通のゲーマーだと思うなら、この1つ1つのしらみつぶし作業に飽きを感じてしまったら、そこでゲームクリアで全く問題ない。(格闘ゲーム的にも既にトロコンは終わっているだろう)

 ここまでのプレイ時間は20時間~30時間程度だろうか。一本のゲームとして考えれば十分すぎるプレイ時間である。

 

 本来であれば、ゲームクリア、達成感を感じていいはずなのに、格闘ゲームコミュニティ内では全く評価されない。なぜなら格闘ゲームコミュニティでは、RTA/縛りプレイをやっているようなプレイステージの人間ばかりだからである。

 全クリは当たり前、その先で競っているのである。これが外から透けて見えてしまうし、それを当たり前と思っているコミュニティの存在を普通のゲーマーは知っているから、格闘ゲームに新規参入しづらいと考えてしまうのではないだろうか。

 

4. だから格闘ゲームは…

 これが格闘ゲームだ、つまり何が言いたいのかというと、格闘ゲーム自体、本来、表層の部分(将棋でいうルールを理解するところまで)はゲームとしてあまりにボリューム不足なのである。

 というよりも、普通の人間であれば、アクションゲーム全般(ダークソウルなどの難しいとされるゲームも含めて)全て、この攻略方法で成り立っているのが分かるであろう。

 

 エルデンリングのボス戦と鉄拳7は、本来、ゲーム性は大して変わらないのである。

 

 エルデンリングが流行って、格闘ゲームが流行らない、のは格闘ゲームが難しいからではなく、ゲームとしての要素、ボリュームや、ゲーム的な遊びがあまりにも「対人戦」に置かれているからである。

 しかしエルデンリングでは、ボスと対戦する以外にも、マップの探索、レベル上げ、武器の調達、アイテムの調達、さまざま要素が複合的に存在し、仮にボスに勝てない状態だったとしても、別の方法の遊びが用意されている。

 そしてその道程自体が、勝てなかったボスに勝てるようになる道筋に繋がっているのである。

 

5. 誰が格闘ゲームを買っているのか。

 こんな根本的な事象はメーカーも当然理解していると思う。

しかし、格闘ゲームを買う層というのが、7~8割方、「RTAや、縛りプレイを行っているプレイヤー」であり、メーカーもそこに向けてゲームを作成している。

 だから、エルデンリングほど、ゲームとしての「面白さ」を追求しておらず「対人の面白さ」に重きを置いているのである。

 オマケプレイを充実させろ言うわけではなく、ゲームとして「遊びの深さ」を追求してくれたら、初心者も入りやすいように思うが、そんな格闘ゲームはほぼ出ていない(P4UとかP4U2は、オリジナルファンのストーリー目当てで買った層が一番多かったのではないだろうか、またBBシリーズもストーリーに重きを置いているが、それはアクションゲームではなく、ジャンルとしてはノベルティゲームだ)

 

 じゃあ、どのように格闘ゲームが進化すべきなのか。

 1. ゲームストーリーと、対人戦の融合

  →適切なマッチングシステム有りき(レベル帯マッチ)で、ソウルシリーズが顕著にこれを表現出来ていた。

  ゲームストーリーの中に対人戦の要素をうまく落とし込めている。

  一人用から対人戦へ、このような導線が必要ではないだろうか。

  そしてこの導線を引っ張るには、強力なストーリーテリングが必要必須だが、格闘ゲームのストーリーは総じてカスすぎる。

 

 2.  シーズン制の導入(疑似リーグ制) ライブイベントの継続的な運営

  →今や、ソーシャルゲームもFPSも、対人ゲームでは運営がライブイベントを開催するのはもはや恒例と言ってもいい。

   何ならubi系のゲームなんかは、一人用ゲームでもライブイベントを開催してプレイヤーを飽きさせないようにしている。

   それに比べて、格闘ゲームはライブイベントが少なすぎる。イベント運営をコミュニティ側に依存しすぎている。

   コミュニティは上級者の集まりのため、ゲーム側がライブイベントをやらなければ、初心者は参加することすらしない。

逆に、なぜどこの運営もライブサービスを行わないのか… 本当に不明である。鉄拳なんかロングセラーとか謳っているが、7年間で4~5回の調整と、追加キャラ以外、売りっぱなしにもほどがある。 (というより調整は無料だが、追加キャラは有料だし)

   

  例えば、これはシーズンリセットをかけろ、というわけではなく、マッチング範囲を狭める(人口に大きく左右されるが)

  そして、定められた期間(1か月~3か月??)、リーグ内の人間としかランクマッチが行われないようにする。

  (うまみがないと参加する人がいないので、上位者にはゲーム内通貨などを配布)

  これの何がいいかというと、限られた期間での限られたキャラ対策、限られたプレイヤー対策、そして、その期間で上達することによって、リーグ内での1番を取ることが出来る、上達が達成感に繋がる。

 *スト5のランクマッチはそれを目指したと思うが、うまく機能しているようには思えない…

  …というよりもランキングボードがクソなだけか?

 *ランクマッチとの同居が難しいのであれば、別モードで実装してもいいかもしれない。

  

 今のランクマシステムは、確かに同段位でマッチング出来るが、常に実力が拮抗しており、ポイント、段位以外で上達しているんだかしてないのかあまりにも分かりづらい。いつまで経っても、同実力の人間と対戦するので勝率もずっと平均50%そこそこなので、練習をしたことで、「勝てる」状態を体験させてあげた方が良い。

 

 まあ…そもそも売れないから、お金をかけて継続的に運営、集客、売上、というのが出来ないんだろうなと思う…

 何せ、買った人間の凡そ8割以上がやめていくゲームだから…

 だからこそ、ライブイベントなどで、客を離さないことが大切なのではないだろうか…