東京湾要塞写真館        

東京湾要塞地帯に残っている戦争遺跡について撮りためた写真を掲載します。往時の雰囲気を味わっていただければ幸いです。

横須賀軍港水道 走水水源池

2015年06月08日 | 戦争遺跡
横須賀市では、横須賀製鉄所開設150年記念事業が行われています。

慶応元(1865)年11月15日(新暦)に鍬入れ式が行われたのですが2015年の今年はまさに150年なのですね。11月15日の式典が楽しみです。

ところで、この横須賀製鉄所を陰で支えた功労者といったら・・・

そうです。走水の軍港水道です。

水不足に悩んでいたヴェルニーは明治6年、ようやく走水に湧水を発見し、ここから引水することを計画しました。
工事は造船所建築長のジュエットの指揮監督のもとに行われ、明治7年の測量開始から2年4ヶ月の明治9年12月全ての工事が完成しています。

しかし、この先、横須賀の海軍施設にとっては、太平洋戦争の終結まで、水不足との戦いでした。

走水系統の軍港水道は、明治18年の送水管の拡大工事以降、大きな4回の拡張工事が行われています。

写真(といっても銘板ですが)は、日露戦争勝利後、列強各国の軍備増強にあわせて、艦隊の増強や軍港施設の拡充による水重要に対応するために、明治40年から41年にかけて行われた第4回の拡張工事で建設された浄水池です。

「走水水源地鉄筋コンクリート造浄水池」と呼ばれ国登録有形文化財です。

・鉄筋コンクリート造りで容量は1500m3、明治41年に完成。
・設計は横須賀海軍経理部建築家の海軍技師の伊藤誠吉とされている。
・海軍省が建設した鉄筋コンクリート構造物の現存最古であり、我国の現存鉄筋コンクリート最古級建造物のひとつである。

という大変貴重なものです。

花崗岩製の銘板、刻字は「横須賀軍港水道 浄水池 明治四拾壹年九月竣工」です。











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