Sの放浪記

成り行きで40代にして言葉も分からない中国へ来てしまった。漫然と今後を模索中。国外引越しに伴いブログも引越すハメに。

結婚生活を破綻に導くもの 2012年 1月 27日  13:36 JST WSJ日本語有料版より

2012-01-31 19:57:00 | 日記
 米ニュージャージー州オークリッジに住むケン・マクドゥーガルさんはある日、お昼に妻が用意してくれた弁当のサンドイッチをほおばった。すると、何か変わった物、─ 小さく折りたたんだポストイット ─ がハムとチーズの間に挟まっていることに気付いた。それを口から出し、しわを伸ばしてみると、そこには「午後6時にホーム・デポ(大手ホームセンター)の10番通路に来て」との妻からのメッセージが書かれてあった。

 マクドゥーガルさんは、夫妻の住まいのキッチンをリフォーム中で、妻が床のタイルを早く選ぶよう頼んでいた。まだ時間はたっぷりあり、それをしなくても大丈夫だろうと考えていたが、妻は、夫が言うことを全く聞いてくれないと感じていた。

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Getty Images
 妻のジャネット・ファイファーさん(現在62歳。職業が「モーチベーショナル・スピーカー」、つまり「人をやる気にさせる講師」というのも興味深い)は数年前のこの一件を振り返って、「メモを入れるというのは、夫から注意を引くための巧妙でとても面白い方法だと考えた」と語った。一方、夫(現在58歳。障害者ドライバー向けに自動車の改造を行う会社の技術者)は、そのようにとらえなかった。「サンドイッチの間にメモの注意書きなど要らない」と思った。

 1人が要求を繰り返し、もう1人がそれを繰り返し無視し、双方が苛立つことになるnaggingは、どのカップルもある時点で直面する問題だ。nagging行為が持つ力は大きく、結婚生活の継続という観点からすると、不倫や経済的な困窮と同じくらい危険になり得る。専門家はnaggingがまさに、毒をはらむコミュニケーションであって、最終的に結婚を破綻させる可能性があると警告する。

 なぜわれわれはしつこく依頼し続けるのだろう。モンテフィオーレ医療センター(ニューヨーク)の精神医学・行動科学部の副部長で心理学者のスコット・ウェツラー博士によると、「われわれには相手から望むものを得られないであろうとの認識があり、それを得るために頼み続ける必要があると感じる」という。依頼される側がしつこく言われるのにうんざりして無視し始めると、依頼する側がさらに依頼するという循環に陥る。

 ウェツラー博士によれば、性格も大きく作用する。極端にまめ、強迫的、ないし心配性の人は催促するのを抑えられない可能性がある。とりわけパートナーがのんびり屋で、ぎりぎりになって行動することが多いとそうだ。

 夫がしつこく依頼し、妻がそれに対して怒るという逆のケースもあり得る。しかし、専門家によれば、女性の方がしつこく依頼する公算が大きいという。これは主として、女性が家庭生活の管理においてより大きな責任を感じるからだ。また妻のほうが夫婦間の問題を示す早期の兆候に対してより敏感な傾向にあることも一因だ。女性が何かを依頼して応答が得られないと、すぐに何か問題があると認識する傾向にある。問題は、繰り返し依頼することで、事態をさらに悪化させてしまうことだ。

 男性にも責任はある。いつも明確な応答をするわけではないからだ。実際、イライラするからという理由で、妻の言っていることを聞かないようにする夫がいるかもしれない。しつこく依頼されると母親に叱られている子どものように感じる男性もいる。しかし、男性が答えない理由は、多くの場合、まだ答えが分からないからか、その答えが女性をがっかりさせることが分かっているからだ。

 デンバー大学のハワード・マークマン教授(心理学)は、夫婦がしつこい依頼の元となった問題について争うのではなく、しつこく依頼すること自体の是非を争うようになると、離婚の主な要因になり得ると指摘する。同教授は30年間、男女間のいさかいとコミュニケーションについて研究し、カウンセリングやセミナーを行っている。同教授は、全てのカップルがある時期にnaggingの問題に直面するようになると指摘した上で、この種のネガティブな言い合いを減らすことを学んだ夫婦は結婚生活を続け、愛情を保つ可能性が大きく高まると述べた。学ばなかった夫婦は愛情が冷め、離婚することが多いという。

 同教授が2010年に「家庭心理学ジャーナル」に掲載した研究では、結婚5年後に結婚に不満を抱いている夫婦では、naggingを含むネガティブな言い合いが約20%増えており、ポジティブなやりとりが逆に12%減っていた。同教授は「しつこい依頼は、そのまま放置してしまうと、愛の敵になる」と語った。

 うれしいことに、夫婦はしつこい依頼をやめるのを学ぶことができる。冒頭に紹介したマクドゥーガル・ファイファー夫妻のケースに戻ろう。結婚当初、妻は夫に繰り返し家事を依頼し、夫が無視するとさらに厳しく要求した。「わたし自身にとって重要と考えることをするように夫に頼んで無視されると、わたしがどうでもいい存在なのかと感じた」と語った。

 夫のマクドゥーガルさんはと言えば、妻からしつこく依頼されると筋肉がこわばり、押し黙って「1000ヤード先を見つめる」ことが多かったという。「妻の要求にはある種の切迫感があったが、わたしはそれに応じるのは不要だと思っていた。わたしが『やるよ』と答えたら、絶対やるからだ」と述べた。

 そこで妻のファイファーさんは、より柔軟なアプローチを取ることを決心した。彼女は「どうしたら脅迫的または攻撃的でなく彼に話せるだろう」と自問した。そして、彼女は要求をメモ書きすることにし、最後に小さな笑顔のマークかハートマークを付けた。夫のマクドゥーガルさんによると、彼はサンドイッチに挟まれたメモに一瞬いらだったが、その夜ホーム・デポには笑顔で行ったという。

 ファイファーさんは、下水管など、修理して欲しいものの立場で夫にメッセージを書くこともある。最近書かれたメッセージはこうだ。「助けてください。つまっちゃってとても気持ち悪いんです。あなたの大事なお風呂の下水管より。」 彼女は「わたしがプレッシャーを与えない限り、夫はよく応じてくれるようだ」と語った。マクドゥーガルさんも同意した。「メモだと、面と向かっての言い合いが避けられる。イライラさせるような口調も身振りもない。問題を難しくする要素がないのだ」と語った。

 専門家によると、naggingの悪循環に陥らないようにするための最初のステップは、自分が悪いパターンに陥っていることを認めることだという。「けんかしていることについてけんかしている」だけなのだ。何が相手をいらだたせるのかを理解するように努めなければならない。夫は怠け者だったり愛情不足だったりするのではなく、働き過ぎで疲れているのはないか。妻は本当にあなたを信用していないと言っているのか。あまりに多い家事を懸命にこなそうとしているだけではないのかと。









考えてしまうな。。。。。。。。。。

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