たたらワークス★漫画・ドラマ・小説のネタバレ感想

最弱マル暴刑事『マル暴甘糟』(今野敏著)あらすじ・ネタバレ感想

今野敏著『マル暴甘糟』あらすじとネタバレ感想。
『任侠』シリーズに登場していた甘糟刑事が主人公だよ。

『マル暴甘糟』
今野敏著
発行:株式会社実業之日本社
カバーデザイン・舘山一大/カバーイラスト:龍神貴之
今野敏著『マル暴甘糟』 発行:株式会社実業之日本社/カバーデザイン・舘山一大/カバーイラスト:龍神貴之 tataraworks

★項目クリックでページ内ジャンプします
(goo blog アプリはブラウザ接続で可能)

☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…

『マル暴甘糟』登場人物 

甘糟達夫 (あまかす・たつお)
 北綾瀬署刑事組織犯罪対策課の巡査部長
 35歳だが童顔で若く見られるマル暴刑事
 『任侠』シリーズでお馴染み
 「俺のこと、なめないでよね」

群原虎蔵 (ぐんばら・とらぞう)
 甘糟の先輩で普段は相棒
 180㎝の長身で丸刈り
 いつも黒スーツにノーネクタイ
 誰が見てもホンモノに見える

梶伴彦 (かじ・ともひこ)
 警視庁捜査一課の警部補
 群原とぶつかる
 今回の捜査で甘糟と組む

唐津晃 (からつ・あきら)
 多嘉原連合の若頭
 甘糟を気に入っている?
 滝定夫を追っている

駒田譲 (こまだ・ゆずる)
 アキラ行きつけの『ジュリア』の店員
 アキラが可愛がっている半ゲソ

滝定夫 (たき・さだお)
 重要参考人
 警察とアキラに追われる

坂田幸祐 (さかた・こうすけ)
 西麻布のバー『サミーズバー』店長
 サダオは嵌められたと主張

富永和樹 (とみなが・かずき)
 キャバクラ『ジュリア』の常連客
 50過ぎの警察官
 以前は所轄の生活安全課いた
 現在は北綾瀬署のハコ番

☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…

『マル暴甘糟』のあらすじ 

その日、当番だった甘糟が、テレビで2時間ドラマを視聴中に、通信指令センターからの一斉無線が流れた。
北綾瀬署管内で傷害事件発生。
強行犯係の仕事だからとのんびり構えていた甘糟だったが、マル害が暴力団風だと言われ現場へ行かねばならなくなった。

殺人に発展した事件の被害者は、多嘉原連合構成員・東山源一、通称ゲン。
ゲンと親しかった唐津晃、通称アキラに張り付くため、甘糟はアキラに会いに行く。
アキラはキャバクラ『ジュリア』にいた。
甘糟と話している最中にアキラの携帯が鳴り、ゲンが襲撃されたことがアキラに伝わる。
アキラは詳しい事情を知りたいと、逆に甘糟を組事務所へ連れて行く。

多嘉原連合と対立関係にある足立社中も怪しいが、手口からすると半グレの可能性もある。
マル暴刑事の甘糟とヤクザのアキラ。
どちらも駆け引きは負けられない。


☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…

『マル暴甘糟』ネタバレ感想 

『任侠』シリーズに出てくる甘糟くんより、ちょっぴり大人の甘糟くん。
甘糟は頼りないけれど、結構頑張って1人で組事務所に出掛けたりする。
組では必ず超高速でお茶が出される。
甘糟はその都度、「お茶はいらないって、いつも言ってるだろう」って断る。
このやりとりが私は気に入っている。
甘糟の性格がよく出ている場面だと思う。

さて、事件は単純ではなく色々とややこしく絡んでくる。
使用された車の種類と撲殺という手口から最初は半グレの仕業だと思われる。
ところが、車の持ち主を調べるのに日数がかかったことから群原と甘糟は警察内部に疑いを向ける。
データに細工ができるのは警察の人間だ。
そうこうしているうちに多嘉原連合と足立社中が戦争になりそうで……
なんだか分からないまま自体はどんどん悪くなっていく。

でも、さすがベテラン刑事・群原は事態を整理するのがうまい。
甘糟は群原に何か言われると「わあ、すいません」とか「ひゃあ」とか言ってはビビっている。
甘糟にとってはヤクザより怖い群原は、鷹の目で物事を見るタイプなんだな。
物事を多方面から見られる人って相当頭が良いと思うな。

私は最初の1ページ目でその本を読むかどうかを決める。
映画やドラマなら3分以内だ。
その判定でいくと今野敏さんの文章は読みやすくて興味をひく。
おまけに初っ端からキャラクターがもう面白い。
読み進めていくうちに応援したくなる。

甘糟は『任侠』シリーズでは「なんで余計なことすんの」とグチグチ言っている姿が子供っぽくて好き。
『マル暴』シリーズではちゃんと仕事をしていたよ。
「なめないでよね」「みくびらないでよね」と、甘糟がヤクザと話す時の喋り方がちょっと可愛い。
でもビビりながらそれなりに頑張っているところがやっぱり応援したくなる。

329ページでアキラが甘糟にこう言う。
「もし、俺がグレてなくて、あんたが警察官じゃなかったら、いっしょに飲みに行ったりできたかな」
甘糟もビックリするけど、読者もビックリ。
何だかんだで心を掴んでいたのね、甘糟。
そして、401(最終)ページで、アキラは再度同じことを甘糟に尋ね、答えを知りたがる。
「立場が違えば、いっしょに飲めたと思うよ」と甘糟が返す。
友情が芽生えたというわけではないけれど。
良い場面のような、淋しい場面のような。
私としては、好きな終わり方でした。

☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…

ご訪問ありがとうございました(人´∀`*)

コメントを投稿するにはgooブログのログインが必要です。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「小説のあらすじ・ネタバレ感想」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事