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『年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」』感想

山口貴大(ライオン兄さん)『年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」』感想。
“お金の奴隷”“お金にがっつく”そんな落し穴にはまって心の自由を失わないために、どう考え何をすべきなのでしょうか。

『年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」』

『年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」』感想 tataraworks
■著者:山口貴大(ライオン兄さん)
■発行:株式会社KADOKAWA
■発売日:2022年2月17日



実は、この本を手に取るまで山口貴大さんのことを存じませんでした。
お金のプロとしてYouTubeではライオン兄さん名義でたいへん活躍されている方のようです。
Amazonで書籍を検索すると、随分と値段をふっかけて出品している方がたくさんいます。
そういう方達は本当にこの本を読んだのでしょうか?
読みもせず新品を即転売しているのか、読んで中古品として高額出品しているのか知りませんが、少なくともまともにこの本を読んで内容を理解した方であれば、そのような愚行は働いていないだろうと思います。
だって、まさに“お金の奴隷”“お金にがっつく”状態じゃないですか?


『年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」』なんてキャッチーなタイトルですが、実は著者がすすめているのは“コツコツ頑張れ”という姿勢です。
コツコツやって7年でセミリタイアなんて絶対無理じゃろがい、というツッコミを入れられそうです。
でも、それを知って何だよと投げ出すか、実際に取り組んでみるかで未来の結果が大きく違うのだと思います。


実際、山口貴大さんが20代の頃に読んで感銘を受けたロバート・キヨサキさんの名著『金持ち父さん 貧乏父さん』を、私も20代で読んでいました。
私も山口さん同様、ロバート・キヨサキさんの考え方とFIRE生活に衝撃を受け本当に憧れました。
でも、私は今現在FIREを達成していないどころか貧乏です。
それは、本に書かれている事をひとつも実行しなかったからです。
しかし、山口さんは実行しました。
私は、どの分野においても成功する人というのは素直なのだと思います。


ちなみに『金持ち父さん 貧乏父さん』は、アメリカで1997年に発売され、その後改訂を重ねながら現在でも読み継がれています。
金融本というのはその時代の情勢に合わせた内容でなければならないため、本の寿命が短いと思います。
しかし、改訂しているとは言え、2024年時点で27年前に刊行された本が今も読まれているというのは、それほど『お金観』に目から鱗が落ちる人が多いということでしょう。


さて、11ページに
「FIREを達成するということは、大金持ちになって、湯水のごとく、お金を使うことではありません。」 
と書かれています。
山口貴大さんが勧めるFIREの形は、大金持ちになって遊んで暮らすものではなく“コツコツ頑張れ”型の非常に地道なものです。


FIREには4つの種類があります。
不労所得のみで暮らせるのが『Fat FIRE(ファット・ファイア)』と呼ばれるものです。
これができるのはたくさんの資産を持つ本当のリッチパーソンです。
『Lean FIRE(リーン・ファイア)』も不労所得のみで生活しますが、厳しい倹約が必要です。
『Coast FIRE(コースト・ファイア)』も不労所得のみで生活できますが、趣味として片手間に仕事をするスタイル。
そして、山口貴大さんが読者に提案しているのが、『Barista FIRE(バリスタ・ファイア)』です。
これは、不労所得と労働収入で生活するスタイルです。


私は、働かず、ずーっと家に引きこもって好きな事だけしていたいのですが、『Fat FIRE』が可能な不動産や株などの収入がないので夢のまた夢。
『Fat FIRE』は、多くの人には手の届かない生活でしょう。
ですが、会社員でも頑張れば『Barista FIRE』いわゆるサイドFIREなら不可能ではありません。


結論から言うと、できるだけ若いうちに取りかかった方が良いでしょう。
なぜなら“コツコツ頑張れ”が基本だからです。
70歳まで働けという世の中ですし、下手すれば一生働かなければならないかもしれません。
50歳から7年でFIREを目指し、57歳でFIRE達成と言っても良いのかもしれませんが、ただ“コツコツ頑張れ”には体力が要るのです。


山口貴大さんの言う7年のうち、最初の2年は種銭作りです。
この2年間は副業するなどして相当頑張らなければならないのです。
50歳でコンビニやUberEATSで収入を得るのも悪くはないですが、本業や何より健康への影響を考えると、がむしゃらに2年頑張れるのか疑問です。
しかし、同じがむしゃらでも大学生だったらどうでしょう。
誰でも経験があるでしょうが、若い頃って徹夜しても元気でしたよね。
あの体力こそ宝ですよ。
若いうちに種銭を作り、お金の勉強をシッカリして投資を続ければ“億り人”も夢ではないでしょう。


もちろん、50歳でも諦める必要はありません。
種銭になるお金があれば良いのです。
それに“億り人”になる人は何も年収が1千万円以上あるような人達ではないのです。
著者の山口貴大さんは年収300万円台だったそうです。


山口さんがすすめているのは、遊んで暮らすためのFIREではなく心の自由を得るためのFIREです。
確かに生活に追われているのはしんどいです。
仕事も人間関係も、もっと自分にとって居心地の良いものに囲まれたい。
そう思った時、お金さえあればとつぶやくことは多々あります。
生活があるから嫌な事も我慢して働かなきゃならないのです。
同じ働くにしてもサイドFIREができていれば生活に追われずかなり精神的に楽ですし、そこまで嫌な仕事を我慢しなくても自分が楽しめそうな仕事を選ぶ自由を得ることができます。


若者には体力があります。
でも、年齢を重ねると週5勤務って辛いんですよね~。
サイドFIREが達成できれば、週3とか週4勤務にしたり、勤務時間を5時間くらいにしたりできます。
これなら70歳まで働けと言われても、絶望感は和らぎますね。


『年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」』で目指すのは、あくまで自由を得るためのサイドFIREです。
結局のところ、節約は切っても切り離せません。
FIREしても生活レベルを上げず、固定費などは抑える必要があります。
自由になるための近道。
それが“コツコツ頑張れ”なのです。
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