京都アニメーション放火事件を時系列に追う 2024年1月25日判決

まずは、京都アニメーションで発生した放火事件に関し、お亡くなりになられた皆様のご冥福を心よりお祈りします。

京都アニメーション第１スタジオに男が侵入し放火したのは2019年（令和元年）7月18日（木）のことでした。

警察は、さいたま市の青葉真司容疑者（当時41）に逮捕状をとりました。

青葉容疑者の治療、入院により、10ヶ月余りが経った2020年5月27日に入院先の京都市の病院で逮捕しました。

京都アニメーション放火事件を時系列に追う

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◆京都アニメーションとは

◆事件の流れ

◆－2019年－

◆－2020年－

◆－2021年－

◆－2022年－

◆－2023年－

◆－2024年－

◆様々な影響

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京都アニメーションとは 

元は、主婦のアニメ制作塾開講から始まりました。

1981年に仕上げ工程を受ける形で事業をスタート。

1985年に有限会社として法人化され、1986年には作画部門を設立。

『けいおん！』『涼宮ハルヒの憂鬱』などの人気アニメ作品を制作。

2016年、アニメ長編映画『聾（こえ）の形』で日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞。

なかなかキッツイ内容の映画で、私は見ていてちょっと気が滅入りました。

自社作品のみならず他社の制作にも協力しており、この事件による影響は１社にとどまりません。

慢性的な人手不足のアニメ業界では、多くの会社がフリーランスのアニメーターを急場しのぎで集めています。

京アニはそんな業界の一歩先を行く存在。

優秀な人材を育てる為、【プロ養成塾】を自社で開き、月給制を導入。

髪の毛の一本一本にまで登場人物の感情をのせるほど繊細な仕事ができるのは、「人作りが作品作り」の姿勢で会社が取り組んだことが結実したからこそと言えましょう。

京都アニメーションは、地方を拠点にしながらもハイクオリティー作品を安定的に作れる体制を目指してきた画期的、かつ理想的な会社です。

「京アニ」「KyoAni」として世界に知られるアニメ制作会社に成長し、今ではアニメなんて見なさそうな近所のおじさんさえ「才能ある人達が働いている会社」だと認識しているくらいです。

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事件の流れ 

数年前から、京都アニメーションには作品批判やスタッフへの殺害予告などが相次いでいたそうです。

2018年秋、ＨＰのお問い合わせフォームから200回ほど、同一人物による特定の社員３名に対し殺害予告や脅迫等の書き込みがありました。

発信者の特定を困難にする匿名化ソフト「Tor（トーア）」が使用されており、書き込み主は不明。

容疑者については過去に京都アニメーションとの直接のトラブルはなく、小説作品の応募等も受け付けていなかった為、一切の関わりはないと見られていました。

これに関しては後日、過去に被疑者と同姓同名の同住所から小説応募がされていたこと、家宅捜索で原稿用紙が押収されたことが発表されました。

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－2019年－

2019年7月15日　青葉容疑者現地入り

　聖地巡礼をしているかのような足取りで数日過ごします。

2019年7月17日昼過ぎ2回、夜1回、18日午前8時頃
　現場から南西に500メートルほど離れた桃山舟泊公園のベンチで、被疑者によく似た男が横になっているのが目撃されました。

2019年7月18日
　京都アニメーションは来客予定があった為、朝からセキュリティを解除。

2019年7月18日　午前10時頃
　赤シャツの男が公園から北に100メートルほど離れたセルフ式ガソリンスタンドで「発電機に使う」と言い、40リットルのガソリンを携行缶で購入。

2019年7月18日　午前10時30分頃
　京都市伏見区の京都アニメーション第１スタジオに男が侵入。
　バケツで約10リットルのガソリンを建物１階や従業員などにかけ、ライターで着火。火災、爆発が生じ建物全焼。
　33名が死亡、35名が重軽傷を負い、ケガを負わなかったのは6名のみ。

2019年7月18日　午前10時35分頃
　京都市消防局が火災を覚知。
　高度救急救護車等を含む消防車・救急車49台が出動。
　約20時間にわたる消火・救急活動。
　消火活動開始時には一時的に周囲の道路を通行止するなど交通規制も実施。

2019年7月18日　午前11時前
　放火犯は、スタジオから100メートルほど離れた京阪電鉄六地蔵駅付近で京都府警の警察官に身柄を確保されました。
　午前11時にＮＨＫの取材の予定があり、現場に向かっていた取材ディレクターにより確保の様子が動画撮影されました。
　男は全身やけどを負い京都市内の病院で治療を受けることになりました。

2019年7月18日　午後12時30分
　総務省消防庁は、本庁第１次応急態勢に移行し、災害対策室設置。

2019年7月18日　午後15時19分
　京都市消防局、火災の鎮圧宣言。

2019年7月18日　午後17時
　総務省消防庁は、消防庁職員３名、消防研究センター職員２名の現場派遣決定（火災の原因究明目的）。

2019年7月19日　午前6時20分頃
　京都市消防局、火災の鎮火を発表。

2019年7月19日　捜査本部設置
　現住建造物等放火・殺人事件として本事件の捜査を開始した京都府警察刑事部捜査第一課・伏見警察署は、100人体勢の捜査本部を設置。

 

2019年7月20日
　容疑者は大阪府内の病院へ移送。（病院名は非公表）
　京都府捜査本部は、現住建造物等放火・殺人の罪状で逮捕状取得。

2019年7月25日
　事件から１週間経って身元が不特定の被害者もいる状態。
　京都市では、消防署員が市内のガソリンスタンドを回り、携行缶持参のガソリン購入者の氏名、購入目的等の確認を厳格に求めるよう要請。
　#prayforkyoani　ハッシュダグをつける人々が増加。

2019年7月26日　青葉容疑者の自宅を家宅捜索
　警察が家宅捜索で京都アニメーション制作作品ＤＶＤ押収。
　超党派の【マンガ・アニメ・ゲームに関する議員連盟】が首相官邸訪問。

　税制上の優遇措置など京都アニメーションへの支援策を速やかに講じるよう政府に要請。

2019年7月27日
　皮膚の移植手術等が行われた容疑者・青葉は、27日には呼びかけに瞬きで反応を見せるようになったとのこと。

2019年7月28日
　負傷者のうち２名が死亡。死者は35名になりました。

　「霜降り明星」の粗品さんが競馬で「８番の馬に88万8800円」を賭けて当てた115万5440円を寄付されました。

　本気のアニメファンだけあって『涼宮ハルヒの憂鬱』のエビソード、「エンドレスエイト」に由来することを示唆。

2019年7月29日
　超党派議員連盟「京アニ」支援策を提言。アニメーター等の育成支援、義援金の税制面優遇措置など。
　京都府警はＨＰの嫌がらせ書き込みは青葉容疑者ではないと見ています。
　また、押収物から原稿用紙が見つかりますが作品投稿は確認されず。

　一方的な思い込みから事件を起こした疑いがあると見立てます。

2019年7月30日
　京アニ代理人・桶田大介弁護士は、青葉真司容疑者（41）と同姓同名の人物から、過去に小説の応募があったことを明らかにしました。

　応募作は１次審査を通過していなかったとのこと。

2019年8月2日
　亡くなった方の内10名の氏名を警察が公表。名前の公表が一部にとどまったのはご遺族の承諾が得られたのが10人であった為。ご遺族のショックが大きく、警察も広報のあり方を模索することになりました。

　容疑者・青葉は声をあげたり首を振る反応を見せられるようになった様子。

　ですが、症状が重い為、逮捕までにはまだまだ時間がかかる模様。

2019年8月8日

　青葉容疑者の逮捕までにはさらに数ヶ月必要。

2019年8月18日

　35人が亡くなり、現在８人の方が入院中。そのうち3人の方は命の危険がある状態が続いているとのこと。

　寄付金は19億9760万円集まりました。

　警察はスマホの履歴などを解析。

　しかし、本人から話が聴けない状態であり、依然動機の解明には至りません。

2019年8月25日　京都アニメーション献花台撤去

2019年8月27日
　京都府警が死亡者35人のうち25人の名前を公表。

　かなりの葛藤があっての公表でした。

2019年10月4日
　入院中の20代の女性社員が死亡し犠牲者が36人になりました。
　いまだ５人の女性が入院中。
　一方、青葉真司容疑者は呼吸器を外して発生装置をつければ簡単な受け答えはできるが寝たきりの状態で、逮捕のめどはたたず。

2019年11月3日、4日
　『株式会社京都アニメーション お別れ そして志を繋ぐ式』をみやこめっせにて開催。

2019年11月8日
　京都府警は、青葉容疑者が入院している大阪府内の病院にて１～２時間ほど任意の事情聴取を行いました。
　動機面中心に尋ねたところ「小説を盗まれたから」と改めて答え、「どうせ死刑になる」という趣旨の話をしたとのこと。
　第一スタジオを狙ったのは、働く人が多くより多くの被害者が出ると考えたから。
　埼玉の自宅を出た時点で計画を実行するつもりで、邪魔する者がいれば殺そうと複数の刃物を用意していたそうです。

2019年11月14日
　青葉容疑者は治療の為に入院していた大阪府内の病院から京都市内の病院へ移送されました。
　職員に対し「お世話になり、ありがとうございました」等と話していたとのことです。

2019年12月27日　会社が開設していた寄付金口座閉鎖
　最終的な総額は33億4138万3481円。
　全額が遺族や被害者に配分予定。

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－2020年－

2020年1月７日　第１スタジオの解体工事開始

　跡地利用をめぐっては、地元町内会が昨年12月、不特定多数の人が訪れる公園や慰霊碑などを造らないように求める要望書を京アニに提出したそうです。

2020年1月15日

　京都南労働基準監督署は亡くなった社員たちを労災に認定。

　一部の遺族に対して補償の支給開始。

2020年1月18日
　事件から半年経過。
　青葉真司容疑者はスムーズに会話ができる状態にまで回復。
　警察は、拘留に耐えられると判断し次第、逮捕、事件の詳しい経緯の捜査をする方針です。

　まだ２人の方が入院中。

2020年4月28日　第１スタジオの解体工事が終了

2020年5月27日　青葉真司容疑者を逮捕

　36人が死亡、33人が重軽傷を負った『京都アニメーション放火事件』。
　警察は10ヶ月余りが経った2020年5月27日、青葉真司容疑者（42）を入院先の京都市の病院で逮捕。
　複数の医師の意見などをもとに取り調べができるまでに回復したと判断したことや、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が解除されたことも考慮したそうです。
　身柄は捜査本部がある伏見警察署に移送。
　その後、医師が常駐している大阪 都島区の大阪拘置所に移送されました。

2020年5月29日

　共同通信によると、“殺人や現住建造物等放火などの容疑で逮捕された青葉真司容疑者（42）が「死にたくなくて（現場から）逃げた」という趣旨の供述をしていることが29日、捜査関係者への取材で分かった”とのことです。

2020年6月25日
　事件後に本格的に制作される初めての作品『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の公開日が2020年9月18日（金）に決定。
　第5回京都アニメーション大賞の小説部門で初の大賞を受賞した暁佳奈さんの小説を原作にしたアニメの新作劇場版です。

2020年7月18日　事件から１年　追悼
　最終的に36人がお亡くなりになり、33人が重軽傷を負った事件から１年。

　事件発生時刻の午前10時半から第１スタジオ跡地にて追悼式が開かれました。
　鑑定留置中の青葉容疑者（42）は「生活保護から抜け出す為に書いた小説をパクられた」と語っている様子。過去に同姓同名の人物から小説の応募はあったものの一次審査で落選しており、京アニ側は「類似の点はない」としています。
　青葉容疑者はＮＨＫ総合で放送された『ツルネ－風舞高校弓道部－』の場面の一部と自分の小説が似ている、とも言っているとのこと。
　『ツルネ－風舞高校弓道部－』は、第7回京都アニメーション大賞小説部門審査員特別賞を受賞した小説『夜多の森弓道場』が元になっており、作者は綾野ことこさんでＫＡエスマ文庫より2016年12月から刊行されました。

　このアニメを毎週見ていた者として言わせてもらえるなら、言いがかり以上の何ものでもないと思います。

2020年12月11日
　青葉真司容疑者の刑事責任能力を調べる為に６カ月間行っていた鑑定留置が終了。
　同日から勾留が再開。

2020年12月12日
　京都新聞より
　近畿大病院（大阪府大阪狭山市）入院時の主治医に取材。
　“治療のために気管切開した青葉容疑者は９月中旬に発声用のチューブを挿管され、声が出せるようになった。「二度と声は出ないと思っていた…」と一日中、泣き続けた。その姿を見た医師は「死を覚悟して放火したわけじゃないんだな」と感じたという。”

2020年12月16日　起訴
　検察が青葉容疑者を殺人等の罪で起訴。
　今後は裁判員裁判で審理されます。
　また、検察はこれまで警察が33人としていたけが人について32人を認定したと発表。死者は36人です。
　なお、青葉真司被告は、会話はできるものの現在も寝たきりで介助がないと食事などはできずリハビリを続けている状態とのこと。

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－2021年－

2021年7月18日
　死者36人、重軽傷者32人。
　京都アニメーション第１スタジオの放火殺人事件から18日で２年経過。
　未だに初公判が開かれる見通しが立っていません。
　京都府警は2020年5月27日に青葉真司を逮捕し、その後６ヶ月間に及び精神状態を調べる為の鑑定留置を実施。
　その結果「刑事責任を問える」と判断し、2020年12月16日に起訴しました。
　裁判員裁判開始に向け、京都地裁と検察、弁護側が争点や証拠を絞り込む公判前手続きが実施される見込みとは言え、それすら１回目の日程も決まっていない状態です。
　青葉は、寝たままの状態で入浴可能な設備を新設するなど医療態勢が整っている大阪拘置所に勾留中ですが、裁判に耐え得る体調かどうか不透明であることも日程が決まらない要因の一つ。
　また、弁護側が再鑑定を求め、地裁が必要と判断すれば更に初公判が遠のくとか…。
　京アニ事件は、公判前整理手続きに２年以上かかり、初公判まで３年半を要した障害者施設［津久井やまゆり園］事件よりもさらに時間がかかると言われています。

2021年7月18日　午前10時半～
　京都アニメーションは、京都アニメーション第１スタジオの放火殺人事件の追悼式を営むほか、ファン向けの追悼映像をインターネットで配信。
　追悼式は遺族らが参列予定だが、ファンに対しては、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から跡地周辺への来訪自粛を呼びかけています。
　その代わりに、事件発生時刻の午前10時半から10分間、京都アニメーションのYouTube公式チャンネル（KyoaniChannel）で追悼映像を配信するとのことです。（映像は終日視聴可能）

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－2022年－

2022年3月14日

　京都アニメーション公式ショップ『京アニ＆Doショップ！』閉店。

　2017年6月、京都アニメーション第５スタジオが入居しているビルに、京都アニと関連会社のアニメーションＤｏが手がけた作品のグッズ販売を行う公式ショップをオープンしました。
　しかし、2019年7月18日に京都市伏見区の第１スタジオの放火事件が起き、３日後の21日から営業を見合わせていました。
　その後、2020年3月末まで臨時休業を発表。新型コロナウイルスの感染防止の観点から休業が延長。
　2022年3月14日をもって閉店しました。

2022年3月18日

　京都地検が起訴前に実施した青葉真司被告（43）への２度目の精神鑑定終了。

2022年7月18日　追悼式

　裁判員裁判の見通し立たず。

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－2023年－

2023年5月8日　『公判前整理手続き』開始

2023年5月12日　京都地裁裁判日程発表

　青葉真司（44）被告の裁判員裁判は
　初公判、2023年9月5日
　（公判は32回開かれる予定）
　判決は、2024年1月25日

2023年6月10日　京都地検遺族に説明会

　検察が被害者遺族に32回の期日設定の裁判の具体的な流れについて以下の説明

　①　主に刑事責任能力の有無を判断する為の審理が行われる予定である

　②　被告人質問では事件の動機等を問う

　③　遺族が被害者参加制度を利用し、質問することも可能である

　④　傍聴席は遺族に優先的に確保される

2023年7月18日　生前の絵本がアニメ化

　事件から４年。跡地で遺族や関係者による追悼式が行われた。
　現在も復帰できず療養を続けている社員もいる。
　また、亡くなったアニメーター・木上益治さんが生前に描いた絵本『小さなジャムとゴブリンのオップ』が、かつての同僚達によってアニメ化されることになった。現在制作進行中。アニメは15分ほどで今年中の完成を目指している。

2023年9月5日

　青葉真司被告の裁判員裁判初公判

　傍聴席35席に対し傍聴希望者は500人。

　弁護側―――

　「妄想に囚われていて心神喪失で無罪、または、心神耗弱の為、減刑されるべきである」と主張。

　検察側―――
　９歳の時、両親が離婚。引っ越しと転校を繰り返す。貧困、さらに父親から虐待を受ける。「親とのコミュニケーション不足が独りよがりで疑い深いパーソナリティーに繋がった」。
　京アニの作品に感銘を受け、京アニの有名な編集者に褒められ女性監督と恋愛関係にあるとの妄想を抱いていた。
　その後、茨城県でコンビニ強盗をはたらき服役するが、刑務所内で違反を繰り返し、総合失調症と診断された。
　出所後、京アニに小説を応募するが落選。

　「10年かけた渾身の力作、金字塔を落選させられた上、小説のアイデアを盗用された」と思い込む。

　青葉被告は、京アニの前に、埼玉県の大宮駅で無差別殺人を計画していた。
　青葉被告は、包丁６本を持って大宮駅前に行き、無差別殺人を実行しようとしたが断念した。

　弁護側―――

　「青葉さんにとってこの事件は、人生を弄ぶ闇の人物への対抗手段、反撃だった。闇の人物と京アニが自分に嫌がらせをしていると考えていた」

　証拠調べ―――

　亡くなった36人の死因が読み上げられた

2023年9月6日　証拠調べ

　青葉被告が、事件直後に取り押さえられた際、男性警察官に「パクられた、小説」などと叫んでいた音声データが再生された。
　その中で「おまえら全部知っているんだろう」と言っている。

2023年9月7日　被告人質問

　主に弁護側が青葉被告の生い立ちや経歴に関して質問。
　定時制高校時代、友人から紹介されたゲームによって京アニ作品を知り、「これがなかったら小説も書いていなかったと思う」と述べた。
　2006年には女性への暴行などで有罪判決を受けた。
　2018年に被告宅を訪れた訪問看護師の供述書が読み上げられる。それによると、被告は事件の数年前から精神科クリニックに通院し訪問看護を受けていたが、自宅を訪れた看護師の胸ぐらをつかみ「しつこんだよ。いい加減つきまとうのをやめろ、殺すぞ」と包丁を振りかぶってすごんだ、とのこと。
　現在の体調は、箸やフォークは使えるが重い物を持つのは難しく、立って歩くことが困難。治療の影響で頭と胸意外に汗をかけない、などと話した。
　6日の証拠調べで再生された音声データの中で青葉被告が言った「おまえら全部知っているんだろう」の「おまえら」とは、「警察の公安部の人間」を指していると説明。

2023年9月8日　第３回公判

2023年9月11日　第４回公判

　京都アニメーションの作品『けいおん！』『Free！』の一部が法廷で流された。

　青葉被告――

　小説を書こうと思ったのは『涼宮ハルヒの憂鬱』を見たから。
　当時、【京アニ大賞】は立ち上がったばかりで、『自分で前例や足跡をつくっていける。おそらくここでなら最高のアニメ、最高の物語がつくれる』と思った。
　京アニの［女性監督］とはインターネット上の掲示板でやり取りをしており恋愛感情を抱いていた。好意的によっていった結果、［女性監督］に『レイプ魔』と言わた。

　犯罪歴を知られていると小説の応募はできないと思い、刑務所へ入ることを目的に強盗事件を起こした。服役中も刑務所内で『けいおん！』を見た。

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　青葉が自分のアイデアをパクられたと主張する『けいおん！』は、そもそも漫画作品（かきふらい著）だ。
　芳文社の月刊４コマ漫画誌『まんがタイムきらら』に2007年5月号から連載された。
　青葉が見た『けいおん！』のアニメは第１期が2009年に放送されたものだ。（監督は山田尚子）

けいおん！　1巻 (まんがタイムKRコミックス)

　『Free！』は【京アニ大賞】第２回奨励賞受賞の『ハイ☆スピード！』（おおじこうじ著）を原案に制作されたアニメだ。『ハイ☆スピード！』は、2013年にＫＡエスマ文庫より発売されている。

　原作があるのにオレのネタの盗作って言われてもね。
　青葉は2006年に女性への暴行や下着泥棒で捕まっている。
　2012年にコンビニ強盗でも服役。

ハイ☆スピード!(KAエスマ文庫)

2023年9月13日　第５回公判

　2016年に応募した小説が落選し、裏切られたような気分になったと語る。
　長編小説は、好意を抱いていた女性監督の誕生日に応募したとのこと。

　弁護側―――

　女性監督のブログに青葉が送った小説のアイデアが書かれていた。
　闇の人物と京アニが一体となって、自分に嫌がらせをしている、と混乱。
　事件当時に責任能力はなく無罪、と反論。

　※青葉が言う「闇の人物」とは、ハリウッドやシリコンバレーに人脈があり、世界で動いている人。闇の世界に生きているフィクサーみたいな人。なんだとさ。

2023年9月14日　第６回公判

　青葉は、2001年に青森県で起きた消費者金融・武富士の放火殺人事件を参考にし、ガソリンを使った。
　アニメーションは何人もで作るので盗作は複数の人が行っていたと主張。
　「悪党にも両親はある」と実行前はためらいもあったと言う。

2023年9月19日　第７回公判

　被告人質問で青葉は、「３０人以上が亡くなったことを考えると、小説１つでそこまでしなければいけないのかという思いは少しある」などと述べた。

2023年9月20日　第８回公判

　遺族による初の被告人質問

　青葉被告、遺族に初めて謝罪の言葉。
　あわせて７人が質問に立った。
　青葉は、一度は謝罪の言葉を述べた。
　だが、遺族の代理人から「被害者の立場に立たなかったのか」と問われ、「京都アニメーションはパクったことに両親の呵責はないのか」などとまくし立て裁判長から注意を受ける場面もあった。
　公判は全24回。そのうち11回が被告人質問に割り当てられている。

2023年9月25日　第９回公判

　裁判員から被告人質問

　裁判員から当時の心情を聞かれた青葉は「やけくそだった」と答えた。

2023年9月27日　第10回公判

　事件目撃者への証人尋問

　当時、京アニ第１スタジオ１階にいた社員２人が検察側証人として出廷。事件時を語った。

2023年10月2日　第11回公判

　京都アニの社長ら証人尋問

　京アニの八田英明社長が証人として出廷し、盗作を否定した。また、青葉被告が応募した小説については「あらすじで判断する１次審査で落ちている。（作品全体に目を通すことは）まず、ない」とも証言。

2023年10月11日　第12回公判

　被告人質問

2023年10月23日　第13回公判

　事件当時の刑事責任能力に絞った審理が始まる。

　＜検察側＞起訴前に被告の精神鑑定を行った精神科医・和田央氏（大阪赤十字病院）が出廷。被告には「（精神疾患ではない）妄想性パーソナリティー障害」があったが放火時の行動そのものには影響していないとの見解を示した。

2023年10月26日　第14回公判

　＜弁護側＞被告の起訴後に精神鑑定を実施した東京医科歯科大大学院の岡田幸之教授が出廷。被告には「重度の妄想性障害」があり犯行の動機を形成していると見解を示した。

2023年10月30日　第15回公判

　医師の証人尋問はこの日で終了

2023年11月6日　第16回公判

　中間論告、中間弁論

　責任能力を判断する

2023年11月27日　第17回公判

　量刑の審理が始まる

　＜弁護側＞憲法で残虐な刑罰を禁じる規定があることを紹介した上で、死刑を科すことが残虐な刑罰かどうかを念頭に置いてほしい、と指摘。
　今後予定される被害者や遺族の意見陳述は「裁判の証拠ではない」と強調。

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　弁護士という仕事柄仕方がないのかもしれませんが、こういう言い分にはやはり腹が立ちます。「たくさんの悲しみ、怒り、やるせなさに触れると、（裁判員が）その立場になってしまい、これまでの証拠の認識を曲げてしまうことを心配している」とのことですが、そこにたくさんの悲しみと怒りがあることを分かった上で「裁判の証拠ではない」と言うわけですから、ちょっと張り飛ばしたくなりますね。分かってますよ。それが仕事だってことは。でも、遺族や被害者を踏みにじる発言にしか思えません。

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2023年11月29日　第18回公判

　検察側の被害感情の立証

　「幼い娘から父親を奪った」

　「極刑を望む」

2023年11月30日　第19回公判

　遺族ら７人が直接心情を述べた
　法廷には子守歌が響き裁判員らの涙を誘った。

2023年12月4日　第20回公判

　検察側の被害感情の立証

　被害者、遺族らの憤りは、被告だけでなく弁護士にも……。
　弁護士の「多くの人が亡くなったのは建物の構造が影響した可能性もある」との主張に傷ついたと話す人。また、「黙っているからと言って何も感じていないと誤解していないか」と弁護士に対して語気を強める人もいた。

2023年12月6日　第21回公判

　被告・青葉真司（45）初めて謝罪の言葉を口にした。
　また、リハビリの為に介助を受けているとして「感謝の念しかない。早くこんな環境に置かれていれば事件は起こさなかった」とも述べた。

2023年12月7日　第22回公判　結審

　検察側の論告求刑
　弁護側の最終弁論
　被告の最終意見陳述

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－2024年－

2024年1月25日　判決

　京都地裁　田啓祐裁判長
　「極刑を回避する事情はない」
　求刑通り死刑を言い渡した

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　小説を盗用されたと思い込み、女性監督と恋愛をしていると妄想し、逆恨みで放火殺人を犯した青葉真司。
　公判の度に聞いていると腹が立つこともしばしばありました。
　遺族の方のおっしゃる通り、亡くなった方の笑顔は戻る事はありませんが、責任能力があると認められた事は良かったと思います。
　判決も出ましたので、これで時系列の記録は終了…しようと思いましたが、青葉の弁護士が控訴したので、もう少し追いかけます。
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2024年1月26日　控訴

　判決を不服とし、青葉被告の弁護士が控訴

2024年1月29日

　遺族が青葉被告と面会

　大阪拘置所で遺族の男性が青葉被告と面会し「本当の気持ちを話してほしい」と話した。
　青葉被告の弁護人は判決を不服とし1月26日に大阪高裁に控訴したが、29日の面会で弁護人を解任する意向を示したとのこと。
　一方、一審を担当した弁護士は、控訴審も引き続き弁護人として選任されることを希望する旨の書面を26日の接見時にもらい、29日の接見でもその旨確認していると話している。
　30日の面会で青葉は「申し訳ない」と謝罪しつつも控訴については「取り下げたらもう話せない。いろんな事を発信していきたい」と話したとのこと。

2024年2月1日

　京都アニメーションと放火事件の遺族が、事件を伝える碑のデザイン案を宇治市の松村淳子市長に手渡し

　京都アニメーション本社がある宇治市内の公園に碑の設置を要望。
　碑のデザイン案は、亡くなった36人を表す36羽の鳥が端爆様子を表している。デザインは、京都アニメーションのクリエーターによるもの。

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様々な影響 

◆2019年7月22日（月）放送のドラマ『朝顔』は、第３話が放火事件を扱ったストーリーだった為、京都アニメーション放火事件に配慮し、放送を延期することにしました。

アニメ『炎炎ノ消防隊』第３話も延期されました。

◆警察庁はガソリンスタンド業界団体に不審者がガソリンを購入しようとした場合、直ちに通報するよう要請。

携行缶給油が欠かせない草刈り機などを扱う農家などに負担大。

◆支援の為のクラウドファンディング等、良い動きも色々ある一方で、便乗する輩がたくさんいることに驚きを隠せません。

◆2019年7月23日には広島市のホームページお問い合わせフォームを使って、丸山穂高の記者会見を開くよう要請した者がいました。他にも「京アニ事件のように…」と脅迫する者が次々出てきては逮捕されました。

◆2021年3月には、ご当地アイドルグループの音楽ライブが行われていた徳島市の雑居ビルで放火事件が発生。
ビルにいた74人を殺害しようとしたとして、殺人未遂と現住建造物等放火などの疑いで徳島市牟岐町の無職の男・岡田茂が逮捕された。
岡田は「京アニ事件を真似た」と供述。
徳島地方検察庁は2021年7月16日に起訴。

嘆かわしいことです。

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