説明不要の有名銘柄「角瓶」の復刻版です。
今や大衆銘柄の代表格となった角瓶ですが、元をたどれば
日本初の12年表記(当時の正式名称は「サントリーウイスキー12年」)銘柄。
それまで見事なまでの不振に喘いでいた壽屋のウイスキーですが、当時の情勢からくるスコッチ不足と、
売れなかったために原酒が十分な熟成を迎えたことが重なり、初めてのヒット商品となりました。
12年表記ではあったものの、現代の12年ものとはイコールではないのでご注意。
現在は最も若い原酒の年齢で表記していますが、この頃は最も古い原酒の年齢を表記しています。
さらに、初期のサントリーは原酒年齢を盛っていたとかいないとか…ゴニョゴニョ。
ウイスキーの階級制度があった頃は特級扱いだった角瓶ですが、
原酒比率は現在も当時の特級レベルなんでしょうか。アルコール度数40°は当時の一級クラス。
値段も一級だったホワイトと同等か、むしろ安いお店も多いですね。
注いで、加水したときにまずその色の濃さに驚く。
シェリーでしょうか、ワイン樽でしょうか。現行の角瓶と比較してみてください。
角瓶に限らず、サントリーの多くの銘柄が柔らかい香りがメインなのですが、
復刻版はかなり骨太。
ヨードの匂いが真っ先に入ってくるサントリー銘柄は初めてです。
アルコール感はそこそこ強め。荒々しいというわけではなく、香りに負けないボディをしています。
最大でも12年ものまで(当時に倣うならば)しか使用していないため、
長熟品の柔らかさには欠けていますが、嫌なアルコール感ではありません。
角瓶だと思って飲むと良い意味で裏切られます。
また、壽屋初年度の原酒がかなりスモーキーだったという話も、
今回の復刻版を飲む限り、正しいのかもしれません。
個人的に、サントリーの安価銘柄にはガッカリさせられるものが
多い印象がありましたが、今回の復刻版、美味いです。
というかこれ角瓶ですか?じゃあ普段売ってる黄色はなんなんですか?
というか現行のサントリーではローヤルより美味いような…
と、無駄な怒りが込み上げてくる、美味しい1本です。
現在発売されている450mlボトルは1000円程度で購入可能なようですので、
サントリーファンならずとも是非一度購入をオススメします。
香りB 風味B+ 厚みB- 余韻B C/P B+ 総合B
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