1930年発売「赤札」の系譜を継ぐ銘柄、サントリーレッドです。
1929年、壽屋から初の国産ウイスキー、通称「白札」が発売されたのは周知の通り。
当時の白札はウイスキーに馴染みのない日本人にとってはスモーキーすぎたのか、
残念ながら好評を博すことはできませんでした。
より飲みやすいウイスキーをと、翌年リリースされたのがこの赤札。
しかし、上限で5年ものしか原酒がない上に、白札以上の割合で中性アルコールを
ブレンドした赤札は、舌の肥えていない日本人の評判を得るには至らず、
数年での終売を余儀無くされました。
この不遇の銘柄が再びリリースされたのは1964年のこと。
当時の酒税法上の二級ウイスキー(原酒比率0~5%)上限まで原酒を使った
ハイニッカがヒットを飛ばした故に、その対抗銘柄としてサントリーが
復活させたのが「赤札」改め、サントリー「レッド」です。
現在でも、ハイニッカとレッドは同価格帯、同度数にて販売されています。
瓶から直に嗅ぐとトリスと同等程度に香りが昇ってくるのですが、
いざグラスに注ぐとアルコールの臭いのみ。
加水してもここまでほとんど香りが見えてこないのもある意味すごい。
口に含んでからもアルコールの厭味ばかりが先行してしまい、
スモークもウッディさも甘みもほとんど感じられません。
比較で飲んだブラックニッカクリアの美味しさがはっきりと分かるほど。
価格的にはレッドがやや上であるだけに、ちょっとこれはいただけません。
喉を通りすぎるまで、何一つポジティブな表現が浮かばなかったのは初めて…
ハイボールにすればまあ飲めますが、それこそクリアやトリスでいいわけで。
1つ上のほぼ同価格帯にトリスがいる現状、ラインナップにいる意味が
よく分からない銘柄、と言ったら言い過ぎですかね…笑
ベビーボトルを見つけて買ってよかった(悪い意味で)1本。
香りE 風味E 厚みE 余韻F C/P D 総合E
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