僕は高校生になっても「朝鮮戦争」というのは「北朝鮮と韓国の戦争」だと思っていた。
実質上は「ソ連の支援を受けた中国+北朝鮮」と「アメリカ+韓国+その他の国」の戦争だと知ったのは、高校を出て随分たった頃であった。
ネット辞書を引用する。
ソウルの支配者が二転三転する激しい戦闘の結果、韓国軍は約20万人、米軍は約14万人、国連軍全体では36万人が死傷した。一方、米国の推定では、北朝鮮軍が約52万人、中国義勇軍は約90万人が死傷したとされており、毛沢東国家主席の二人の息子も戦死した。一般市民の犠牲者は100万人とも200万人とも言われ、一説には全体で400万人の犠牲者が出たとされる。
米軍が14万も死傷し、中国軍は90万も死傷したと推定されている。むろん朝鮮の犠牲者のほうが多い。しかし実質上「米中戦争」と呼んだほうがよさそうである。
日本はこの戦争の「おかげ?」で、特需が生じ、経済復興に弾みがつくことになる。
話かわって。
安倍次期総理は、北朝鮮と一戦も覚悟みたいなことを言っているが、本気なのだろうか。ポーズなのだろうか。当然ポーズだろう。
軍事専門家という人間たちがどこまで専門家かは分からないが、安倍らの発言を「幼稚園児のたわごと」と斬って捨てた人もいる。
当然である。純軍事的に言ってありえない、らしい。
①今のミサイル防衛力ではミサイルはおとせない。長距離スカッドは迎撃できない。防衛網が整っても、大量発射されたら、どうしようもない。
②ゲリラの上陸を完全に阻止することはできない。原発をいくら守っても、主要都市で彼らが少しでも行動できれば、大量破壊、殺人はいくらでもできる。水源、電気、ガス、水道、交通。ちょっとした雨や雪でも止まってしまう。ゲリラが数名でも行動できればたやすくパニックは起こせる。
まあ、この二つだけでも安倍ら「なんか勇ましいことを言ってる政治家」の発言が非現実的であることは分かる。僕にも分かる。普通の頭で考えれば誰でも分かる。
自衛隊の元幹部、軍事アナリスト、米軍関係者、もれくる発言のほぼすべてが以上の二点に触れ、あるいはもっと専門的な問題にふれ、安倍らの発言を「話にもならない」と斬り捨てている。軍事専門家はリアルにものを見ている。
もっとも日本人に数千、数万の死者を出すつもりならできる、という人もいる。
「いわゆる軍事専門家」はほとんど「こちらにも多大な犠牲がでてもいいならできるが、あまりに非現実的、戦闘行動などありえない。外交しかない。」と口をそろえている。
つまり「外交的解決しかない」のである。北朝鮮だけではない。中国とも韓国とも外交で共存するよりはない。北朝鮮は貧しいのだ。貧困にあえいでいるのだ。日本が戦争をおこした理由もそれである。「世界の富の格差」が問題なのである。北朝鮮を助けながら改革解放をうながす。北朝鮮人を救う。金一族、軍高官、その他報復を受けそうな人間、は中国に亡命させる。「亡命などするわけない」って?できないことをするのが政治家の役割である。普通のことなら官僚で十分にできる。
また彼らの残虐行為や偽札、麻薬などの犯罪行為はこれを問わない。結果として軍備拡張も抑える。僕の考えることなどこの程度だ。いくらでもつっこむ点はあるだろう。が、方向性としては正しいと思っている。
指がちょっと切れても人間は強い痛みを感じる。だから僕は戦争を愚行として否定する。別に憲法がどうとかではない。憲法がどうとか、も大切だが、もっと根源的に「痛み」の感覚が僕に戦争を否定しろという。こっちに数万の犠牲がでなくても、向こうにでるなら、否定する。向こうだって痛いだろうからである。それが子供並みだと言う人は包丁で指を切ってみたらいい。もの凄く痛い。
西郷隆盛はすぐに死を口にする若者をいつもいさめてこう言った。「簡単に腹など切るな。切れば痛いぞ。」と。
自衛隊と関係の深い新聞「朝雲」でさえ、テロは戦争では根絶できないとコラムで書いている。コラムの論調をやや単純化すると「やらないほうがいいよ。こっちも沢山死ぬよ。痛いよ。覚悟はあるの?」と問いかけている。政治家の発言とは違って、リアルである。
ぐだぐだ書いたが結論は安倍らにも分かっているのである。外交しかないのだ。あとは「いかにうまく外交を行うか」だけである。たぶん、分かっていると思う。自信はないが。変な「しがらみ」とか小泉法皇とかの存在もあるだろうしな。もっとも小泉の今後の動きは予想もできない。すっぱり引退してくれればよいのだが。
安倍が次期総理だとして外相は誰であろうか?本当は総理は谷垣が良い。この理由も極めて単純である。どうみても彼の方が信用できるし、バランス感覚がよい。政策はよくまだ調べていない。直感である。お公家さんとか揶揄されるが、「中庸の徳」を最も感じる。消費税10パーセント。嫌だけれども現実的ではある。
安倍らの非現実性に負けないぐらい非現実的な夢想であるが、民主、共産、社民、谷垣支持派が組んで、谷垣を総理にできないものであろうか。やはり夢想であろうな。政治基盤もなく総理になったところで何もできない。真夏の夜の夢である。