お元気ですか?
Mrs.Klous家(Mr.Klous家と書くべきなんでしょうか)で、例のごとくの優雅かつ退屈な生活を送っています。
朝は9:00~10:00にのこのこ起きだして、車でレストランへ行き、ブランチをいただきます。私はたいていソーセージとスクランブルエッグなんだけど、Mrs.Klousはいつも大皿に盛ったhomeny gritsを食べるので、それが美味しそうだったから、この2,3日はそれをオーダーしたら、ウェイトレスには変な顔をされ、Mr.Klousは苦い顔をして、Mrs.Klousが私に変なことを教え込んだ、と言うので(Mr.KlousがMrs.Klousのすることにイチイチけちをつけるのには慣れているけど)、辞めて、またソーセージと卵に戻りました。
どうやらhominy gritsの大皿盛りはMrs.Klousが特別注文するシロモノで、メニューにはないようです。gritsは普通小さい小皿に盛られて、一般の朝食のおかずとしてちょっと食べるものであり、それだけをたくさん食べるのは異常らしい。でも、とても美味しいのよ。ずっと前に初めて食べた時は、ご飯を挽きつぶしたようなもので味もなく、妙な気がしましたが。要するにトウモロコシを挽きつぶしたもので、舌が焼けるほど熱いのにバターをたくさん溶かして、フーフー言いながら食べるのです。アメリカの南部特有のものですが、チコタンも食べたことありますか?
ここ2,3日はR-M sickで沈滞気味でしたが、やっと立ち直りました。でも今でも時々、R-Mの食事の鐘の音や、R-Mの校歌のセレナーデを歌う声が聞こえるような気がしたりします。
ちょっとばかし思い出を書けば、最後につくづくアメリカと日本の経済力の差を思い知らされたのは、たくさんの学生が去った後、空の部屋をのぞいてみると、なんと真新しいローソクや花瓶や大きな毛布やぬいぐるみやらが平気で捨ててあるの。中にはメイドのためのお土産の意味もあるのでしょうが、くず箱の中にまだ使える新しいものが無造作に捨ててあるのにはshock。中には、ちょっとガラスにひびが入っただけのまだ使える電気時計が捨ててありました。これはJenniferが失敬して家に持って帰りました。本当にアメリカ娘は物の価値を知らないの。なんとなk、ここにいると、私があわれな貧乏娘みたいな気がしてきます。アメリカではインフレの危機感なんて、実生活においては皆無に近いみたいです。
おとといはJohnがこちらに来て、夕食を一緒にとりました。食後夜中まで五目並べをして遊んだの。他愛ないでしょ。彼は碁盤を持っているのだけど、お互いに囲碁など知らないから、私が五目並べを教えてあげたら、気に入ってしまって、それ以来毎日のように弟を相手にして練習したのだそうで、今では私よりずっと強いのです。
昨夜からMrs.KlousはR-Mの卒業生のreunionとかで集会があるので、Lynchburgへ泊りに出かけました(例のごとく、Mr.Klousはreunionなんかクソクラエ!みたいにけなしています)。それで、私とMr.Klousとで夜はFiji Islandと言うポリネシア料理店へ出かけました。香港や台湾からきているウェイターやウェイトレスが働いているとても大きい中華料理屋で、私は香港から来ているという可愛いウェイトレスとおしゃべりしました。東洋人と言うだけでとても親近感を感じます。
今日はJohnとLexingtonのW & L Universityへドライブするつもりでいたのですが、あいにくの雨なのでやめて、夜外食に行くだけにしました。正直にいってformalなレストランと「そのへんの」messy placeとどっちがいいか?と聞かれたので、もちろんmessy place!と答えたので、この辺で一番messyな所へ連れて行ってくれるそうです。
ところで、Mr.KlousとMrs.Klousの中は前と相変わらず冷たい感じで、お互いにけなしあっている感じ。本当におかしな夫婦です。昨日だったか、私とMrs.Klousとでdowntownの野菜市場へ行って(何を買うかと思えば、La Princes(猫)のための「パセリ」onlyなのでした)、そこの主人と息子に紹介されたのですが(どんな場合でもMrs.Klousは私がR-Mに入って日本語も教えてて・・・etc.とべちゃくちゃしゃべるのです。その間私はニコニコしながら立っていなくちゃならないのです)、そこの御主人は私に勉強のことや、彼も昔日本に行ったことがある等々としゃべってきたの。そのご主人を手伝っている17,8歳の息子はとってもハンサムで、私はむしろそっちとしゃべりたかったのだけど。
それはともかく、今日Mrs.KlousがMr.Klousの前で、そのご主人がいつもはとっても無口なのに、わたしにはよくしゃべったと話したら、Mr.Klousは、もうこっちがヒヤリとするような皮肉っぽい調子で、"Louise, there is such a thing in this world...as LISTENING!"と言い、お前がしゃべってばかりいて相手にしゃべらせる機会を与えないから、誰でも無口になるのだ、と言いました。これだけの皮肉を言われても、Mrs.Klousのほうは一向にへっちゃらなのには驚きます。しばらく黙られた後にまた例のごとくしゃべり始めるのですから・・・。私がMr.Klousだったら、Mrs.Klousのsnobbismにはやはり我慢できず、皮肉どころか怒鳴りつけるだろうし、私がMrs.KlousだったらMr.Klousの皮肉や無作法さには我慢ならないだろうし・・・まぁ私はいつも聞こえないふりをして黙っていますが、2人ともお互いによく我慢できるなぁ~と感心してしまいます。やはり、どんな夫婦にも良い点はあるものですね。この夫婦の場合は「我慢強さ」がそれです。
それでは、またね。Love