「麺家うえだ」特濃750円。

　志木駅の南口から中央へ突き抜けるバス通りをひたすら歩いて10分あまり、ようやく幟が翻っているのが見えてくると『麺家うえだ』の存在に思わず安堵してしまう。

　

　若過ぎるのか、誘導も不慣れな店のあんちゃんに”特濃”の食券を渡す。ハードかライトかの質問にハードと答え、隅のカウンターで待つと、ほどなく海苔2枚にチャーシューやメンマの具材で覆われたやや小ぶりなドンブリが目に前に置かれた。

　

　ドロッとしたスープは魚介のテイストが強く、コシのある中太麺にしっかりと絡むこの按配（バランス）が、まさに『麺家うえだ』はラーメン専門店を名乗るに相応しいレベルを保っているといえる。惜しむらくば、このドロッとしたスープの深みに、魚介テイストの限界を示さざる得ない”濃い”とか”薄い”ということの選択肢を客に与えるよりも、徐に魚粉を置くことで事足りてしまわせている店がいったいどれだけこの世に存在しているかと思ってしまう程度の呆気なさが漂ってしまっていることだ。メニューがかなり豊富なだけに一度きりの訪問だけではもったいないお店であるのは間違いない。

麺家 うえだ （ラーメン / 志木駅）
昼総合点★★★☆☆ 3.5