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おやじの独り言

ニュースな出来事、身近な出来事、季節の移ろい・・などなど。要するになんでもあり

グスタフ・アイク

2008年09月14日 08時24分39秒 | 防災
カリブ海の島々に大きな被害を出したハリケーンがアメリカメキシコ湾岸に立て続けに上陸している。このハリケーンの来襲に備えてアメリカでは沿岸地域に避難指示が出されて、100万人単位の人が実際に避難を行っている。グスタフの場合には避難対象地区の住民200万人のうち190万人が避難した模様とされている。その避難距離も非常に広範囲にわたっている。今回のアイクの場合も100万人単位で避難したようである。

カトリーナの被害の記憶が新鮮であることも高い避難率の理由であろうが、それ以外にもハリケーンに対する避難計画をより実効性の高いものに改定されたことも大きいと思う。これらはいずれもカトリーナでの被害の経験を踏まえて改定作業を行っている。例えば避難を嫌う理由の一つが略奪の不安があるが、徹底的な対策を実施するとされていて、今回もその通りに実施されたようである。

日本の場合は、避難計画というより、ハザードマップと言われる危険度を示した地図の整備が大急ぎで進められている段階である。東京、名古屋、大阪の3大湾沿の高潮災害や利根川や荒川の洪水災害が発生すると、その被害はカトリーナの被害とは比較にならない巨大災害となることが予想されている。しかもその災害発生の確率は決して低くない。

いざ災害発生の危険性が高まると日本でも避難勧告・指示が出されることになるが、100万人単位の避難が必要となる巨大災害時に、今回のアメリカのような避難が可能かどうか。誰も検証していない。

都賀川災害

2008年07月29日 22時23分23秒 | 防災
神戸の町中の河川での痛ましい災害である。しかし、この都賀川の近くの雨量観測記録では10分間に17mmという猛烈な豪雨(1時間にすると100mmを超える)だったことを考えると、子供たちが遊んでいたその場所でも相当の雷雨だったものと思う。そういう状態で一時的にしても川の中の、しかも3面コンクリート張りの川の中の橋の下の雨宿りは、あまりに不適切だ。

ニュース記事によると、三面張りの河川が急な増水をもたらしたように書かれていたが、この場合には川の流れの流速が速くなる効果の方が問題である。河床がコンクリートの場所では例え水嵩が足首くらいまでしかなくとも、そのような状況で立っているのは大変なことで、いったん転倒するとそのまま流されて立ち上がるのは至難の技である。三面張りの都市河川の怖さはそこにある。

今回のケースはあまりに極端ではあろうが、神戸のこのあたりは山からすぐの場所で周辺の都市化は極端に進んでいる。山と町に降った大雨が同時に勾配の急な都賀川に流れ込んだのだろう。

この都賀川も水位上昇が10分間で1.3mと報道されているが、水嵩は増したが洪水で氾濫したというわけでもない。上流で大雨とは言っても洪水のレベルに達しないと警報によって避難を促す仕組みがあるわけではない。川の中では、あくまで自分で危険の判断をしないと安全は守れない。山の中の河川の河原でキャンプの危険性と全く同じ状況である。そういう危険性については、専門家が正しく伝える必要があるということだろう。

震度と地震被害

2008年07月26日 00時00分29秒 | 防災
今の計測震度は昔の震度になるべく合わせる趣旨で周期補正などをして機械的に決定される。ここのところ震度6強の地震が続いているが、建物の倒壊がものすごいことになっているわけではない。

この場合には地震の揺れの卓越している周期帯との関係が問題になる。戸建て住宅の固有周期と外れていたということである。これが同じくらいだと揺れが増幅されて(共振して)被害がでかくなる。

普通の戸建て住宅の固有周期は簡単に調べるわけにはいかないが、例えば今回のような強い地震のときに、地震の揺れが収まったあとにも家の揺れが続いているのを感じることがあると思うが、その揺れの周期が固有周期となっている。ストップウォッチをもって揺れの回数を数えながら時間を計るわけである。自分がやったわけではないが、地震の揺れの記憶を辿る限り出来そうな気がする。

例えば、壊れそうでゆっさゆっさ揺れる家だと、多分だが、固有周期は0.7,8秒といったところだろうか。最近の東北の地震の揺れの卓越周期は0.2秒以下という非常に短周期の波が卓越する地震だった。阪神大震災だと1.2秒くらいにピークがあった。ゆっさゆっさ揺れる家にとって、この阪神大震災の場合は地震の周期の方が長いために共振は避けられる。ただし、共振しないというだけであって、もともと地震動のエネルギーがめちゃくちゃでかいので建物の強度が無ければ倒壊することに変わりは無い。

強い地震のときには、やみくもに外に出るのは危険である。例えば、緊急地震速報で数秒の準備時間があれば、まず自分の身の安全を図るのが良い。いまどき地震だ火を消せは時代遅れ。マイコンメーターが作動して勝手に消える。下手に棚を押さえるもの支えきれずに大変なことになりかねない。

壊れそうな家だと解っているときはどうかだが、これは難しい。正答なしが正解か。

地震防災マニュアル

2008年07月25日 22時40分26秒 | 防災
震度5弱で電車が止まる。点検をやって安全確認してから動き出す。高速道路も同じように震度5弱で通行止めにして安全確認をする。というようなルールになっている。

1996年から今の計測器の測定結果を機械的に変換して震度を出すようになってからこの強とか弱という表現がつくようになった。なのでこの震度5弱というのは、昔の人の感覚・観察で決めていた震度で言えば4の強い方である。昔の感覚が記憶にあれば震度4では強い地震という程度で被害は出そうに無いが、震度5といった瞬間に大変だ、という思い出がある。この今の計測震度5弱は、どちらかというとこの昔の震度5に引きずられている。

実際に被害が出始めるのは大概震度6弱からである。だから精々震度5強が妥当な線なんだと思う。NEXCOは見直しをしていて震度5強が妥当ということになっている。

だいたいこういうのは横並びになる。ひとりだけ違う基準を採用して、それが原因で何か問題が起こったときに責任を取りたくないということだろう。まあ、それよりも本当に問題なのは、何でも自分たちの基準を作らないと気がすまない縦割りのほうだとは思う。

地震

2008年06月16日 22時50分05秒 | 防災
最初に見た地滑り映像が衝撃的だった。その割には建物の被害がごく少ないのがきになった。震度6強と言えば、家屋倒壊がそこらじゅうに拡がっていてもおかしくない、はずである。地震観測結果でもその特徴が出ていて、家屋や建物を壊す周期帯のエネルギーは小さいようだ。

今回は緊急地震速報が地震発生の4秒後(だったか)に出されたようで、震源近傍を除けばそれなりの余裕時間を提供できたようだ。能登半島の地震で直下型地震だと効果ない、と書いたが、今回のようなマグニチュードが7以上だと、100km離れていても相当に揺れることもあり、侮れないということだろう。

航空測量を専門にやっている業者は、地震後に飛行機を飛ばして被害箇所の航空写真を撮っていてそれを一般公開している。撮影地点の情報を合わせて公開されているので、被害の全体像を掴むのも簡単である。日本には数社あるのだが、そのうちの2社が今回共同で撮影を行っていた(いままでは別々だったと思うのだが、もしかしらた気がついていないだけかもしれない)。結局同じものを撮って同じように公開するのであるから、お互いのメリットを考えれば当然の成り行きか。ただ、写真は同じなのだが、その加工の仕方や公表の仕方は両者に違いがあった。観るほうとしては、P社がわかりやすかった。

テレビのニュースを見ていると専門家の先生が何人も出てくる。先月の四川大地震の時と同じような山間部での土砂災害が多いので、結局同じようなことを喋ることになる。中国と違ってこちらは1週間もすれば詳しい情報が手に入るだろう。

今回の地震後の対応を見ていると、その素早さに驚く。実際に被害に遭う市町村には経験は少ないはずであるが、援助する側の対応力が向上しているということだろう。このあたりは、これまでの地震被害の対応の教訓が生かされているのだと思う。

例のTEC-FORCEも初出動だったようだが、ミュースを見る限りは・・あまりパッとしない、ようにも・・


NHKスペシャル四川大地震

2008年05月24日 21時30分26秒 | 防災
気がつけばすでに被災後10日が過ぎている。

今一番必要なのはテントだということのようだけれど、その必要な数が500万張りという膨大な数である。それが世界のテントのほとんどが中国製なのだそうだ。10日もあれば、被災者の生活の確保が最重要課題の時期だろうが、それが全く追いついていない状況である。

それにしても、今回の地震被害の現場に海外メディアが結構自由に入れるようになったとのことであるが、それにしても、情報が少ないのは相変わらずで、すでに見た映像の繰り返しばかりで、テレビの見てもその被害の状況がどの程度かは不明。

大量のがれきをどうやって処分するのか、考えるだけで気が遠くなるような量だろう。


四川大地震とミャンマー

2008年05月23日 23時38分11秒 | 防災
学校が倒壊して子供が沢山なくなっている。手抜き工事が指摘されて、責任者が親などから吊し上げ状態である。これから復興が進むにつれて、責任問題が出てくるのだろうが、今の状態はまさにかつての文化大革命そのまま。背筋が寒くなる。

日本の学校も耐震化が遅れていることを指摘する声も多い。以前にも書いたが、それは事実ではある。ただ、日本の学校が中国のような、一瞬にしてがれきと化すような壊れ方をすることは無い。

たかだか4階建ての鉄筋コンクリート造である。同じくらいの高さの古い集合住宅に比べれば、脆弱性は高いかも知れないが、古い鉄筋コンクリート造の低層建物は意外と粘りづよい。設計上は強度を見込まない非構造部材が少なからず寄与することも理由となる。実際に、阪神大震災でも中越地震でも学校が倒壊したという例を目にするよりも、被災者が避難所として利用しているところを見ることの方が多い。

それでも、既存不適格は間違いないわけで、場合によっては、被害を被る可能性が無いとは言えない。

一方のミャンマーであるが、国連事務総長が海外からの支援受け入れを再三再四要請しても、すでに復興段階にあるとして、それを断っているという状況のようである。一方では、援助物資と金だけは、どんどん寄こせという状況もあって、理解不能。

災害援助隊

2008年05月17日 10時49分31秒 | 防災
災害直後の活動が必要とされる倒壊建物などからの人命救助を専門とする援助隊がやっと日本から派遣されたわけであるが、最初に連れて行かれた災害現場は大規模な山崩れで集落全体が土砂に飲み込まれた場所だったそうだ。これでは活動できなと中国側に伝えて、やっと倒壊瓦礫での人命救助現場にたどり着いた、というような経緯のようである。中国側の期待は、すでに大規模な土砂災害による二次災害防止に移っているということだろう。

つい先日であるが、国土交通省に緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)が正式に発足したばかりである。国内外で災害が発生するたびに、緊急対応のために必要な技術者と資機材の提供をおこなってきていたものを、正式に組織として立ち上げたものである。今中国が必要としているのは、こちらの組織による災害援助だろう。なにしろ災害の範囲が広すぎて対応すべき箇所・施設が膨大である。

土木学会にもそういう関係のNPOが組織されている。これらの組織と合わせて日本から援助の手を差し伸べるべきだろう。同じような災害は間違いなく日本でも起こる。

火山噴火

2008年05月16日 23時30分33秒 | 防災
5月に入ってから災害のニュースが続いている。最初のニュースがチリのチャイテン火山の噴火で、9000年ぶりの噴火ということだ。カルデラの規模が2kmということで、これが噴火によって出来たものであれば9000年前の噴火が相当の規模だったということのようである。

昔の理科で習った火山の分類だと、まさに死火山というところだろうが、ほぼ1万年前ということにも驚かされる。それから比べれば300年前に噴火した富士山なんかは、ほんの数日前に噴火したという感じだろうか。

そのチリのチャイテン火山であるが、その後のミャンマーのサイクロンで影が薄くなり、中国の大地震で止めを刺されて、その後のニュースが伝わってこない。噴火は収まらず、避難地区も拡大しているという状況で、降灰も相当量に上っているようである。

情報が入らなくなったのは、ミャンマーも同じであるが、こちらの方は、相変わらず、外国人を制限しているようである。住民にはサイクロン情報は事前に伝わっていたようであるけれど、過去の経験もなくてどうすべきかが解らないまま被害にあった、という人が多かったようである。

災害は忘れた頃にやってくるのは一つの教訓であるが、経験していない災害に対する備えも必要ということだろう。


中国大地震

2008年05月15日 21時37分43秒 | 防災
地震から数日たっても被害の全貌は掴めていないように見える。地滑り(山崩れ)による道路の寸断で中山間地の集落が孤立している状況は、地震の規模は全く異なるが、新潟県中越地震の被害に似ている部分が多いなという印象である。報道される震源位置が南はインドシナ半島までなのでわかりにくいけれど、2004年スマトラ沖地震を北に伸ばすと今回地震発生場所に至る。

ニュースを聞いていて驚いたのが、地震予知に対する報道である。過去には地震予知に成功しているが、今回は予知ができていない、ことが非難されているものである。日本でも地震予知に金は投入し続けているが、東海地震対応だけで、基本的に予知はできない、というのが大方のコンセンサスだと思う。

中国の地震予知は、例の文化大革命の時期に共産党政府の強い指導の下に始まったようで、あれだけ広大な国家で、地震対策として防災・減災投資がとても国家予算の規模でまともに機能することを期待できないことも一因なのかもしれない。地震予知できて、その間に安全なところに避難していれば被害は最小限に留められるという発想である。それが、いつも成功しているわけではないのは、幾つかの被害地震の発生例をみれば明らかである。文化大革命の時期ということで、地震対策は国家の威信をかけた事業と見られていたことも、当初の外国からの援助隊の受け入れ拒否につながったのだろう。

今回地震を起こした断層の近くにも沢山の大衆観測所と言われる地震予知のための観測点がある。これらの観測点では地殻歪、地磁気、地電流などを毎時計測しているようである。これらの観測記録がどうなっていたのか興味があるが、結果がでてくるのは随分先になるのだろうか。