時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

都知事曰く「重大局面」

2020年03月26日 | 時のつれづれ・弥生 

多摩爺の「時のつれづれ(弥生の7)」
都知事曰く「重大局面」

新型コロナウイルスの猛威が止まらない。
「日本はきっと大丈夫だから・・・ ゴールデンウィーク頃には落ち着いてるよ。」なんて、
そんな安易な気持ちで、私も含めてだが、
事態の進展を楽観視している人々が多かったんじゃなかろうか?
それが一夜明けると一変、昨日と今日では世の中の空気が大きく変わっていた。

昨日、目覚めてテレビを付けると、いきなり飛び込んできたニュースは、
芸能界の大御所が緊急入院したとの一報だった。

そして夜になると・・・ 都知事が緊急会見し、今日1日だけで都内では41人の感染者が出ており、
今週末は不要不急の外出を自粛して欲しいとの要請があった。

さらに、いま現在の状況は、オーバーシュート(感染爆発)直前の重大局面にあり、
このまま、なにもしないでいると、ロックダウン(首都封鎖)しなければならなくなると、
脅しともとれるようなコメントも付け加えた。

翌日には、隣接(神奈川・埼玉・千葉・山梨)する各県の知事も、即座に呼応し会見するんだから、
事態の緊迫度は相当なもんだと伝わってくる。

昨日は、近場で短時間だったとはいえ、のん気に花見にでかけてしまい、反省すること大だが、
正直なところ、桜の開花とともに、気持ちに緩みが出ていたことは否めない。
そう捉えれば、ここで再度引き締めを図った知事の発言は・・・ かなり重たい。
事実、今朝のご近所のスーパーでは、週末に備えて食料品の買いだめに走る方々が多くレジは大行列
脇目も振らず、ひたすら仕事に精を出す店員さんが、可愛そうになるぐらいだった。

とは言うものの・・・ 知事の会見に不満を持つ文化人・知識人という分類のコメンテーターは、
ワイドショーに出てくると、開口一番「もう少し早く言ってくれ!」などと不満タラタラ

さらには、SNSを使って元知事や元総理、野党の幹部までが、
とても政治家とは思えないような悪口三昧だから・・・ 品格の欠片すら感じられない。

挙句の果てには、オリンピックの延期が決まった直後だということにこじつけ、
都民の健康とオリンピックを天秤にかけて、
タイミングを計って会見したに違いないと、実しやかな陰謀説まで飛び出した。

ただ一つ、思うに・・・ 街頭インタビューやコメンテーターのコメントを聞くにつけ、
自分で悩み、考えることを忘れた「指示待ち族」が多すぎることに、
別の意味で恐ろしさを感じている。

この国は自由主義なのに、この国に住む人々の行動の多くは、
新型コロナウイルスの発生源となった、社会主義の国民と同じ思考を持ち、
誰かが指示してくれるのを待っている。

けっして、我儘し放題で、好き勝手なことをやって良いというのではない。
あまりにも危機管理意識が欠乏しているうえに、
それを打開する想像力が足りず、常に誰かを頼っている。
学校の休校宣言や、各種イベントの自粛についても、常に誰かを頼って指示を待っている。

不要不急の意味すら分からないといった若者が、あまりに多いことには・・・ 正直、ガッカリした。
いつの時代でも、若者が尖がるのは専売特許みたいなものだが、
尖がってるんじゃなくて気にしてないんだから始末が悪い。

誰かの意見や行動を参考にして、自ら考えて行動するならまだしも、
多くの人々が、誰かの発言や行動を見ながら、右へ並へで良いと思ってるんだったら、
これはこれで恐ろしいことではなかろうか?

30年ぐらい前から、世の中はアナログからデジタルへと進化し始め、
情報の収集が格段に早くなっている。

特にガラケーからスマホへ切り替わってからは進化が加速し、
ネットでの情報収集は通勤通学の暇つぶしになってしまい、
電車やバスの中で日経新聞を見ながら、
1日遅れの情報に目を通すサラリーマンは驚くほど減ってしまった。

また、朝から夕方まで登場人物をとっかえひっかえしながら、
垂れ流すかのように放映してるワイドショーによって、
自宅に居ることが多い人たちもいま、おそろしく世の中の動きに敏感になっている。

いま、日本の各地で何が起こり、半島や大陸の指導者が何を言って、
アメリカやヨーロッパのスポーツがどうだったなど、
明らかに情報過多だと思うが、これを取捨選択することなく、
目の前で次々と情報が流れるのを見過ごしている。

その一方で、新聞や本に接する時間はめっきり少なくなり、その結果どうなったかと言えば、
想像力の欠如を棚に上げ、後付けの批判を展開する無責任な人々がネットに溢れかえり、
テレビでも無責任なコメントが横行するようになっている。

そういった人々が口を揃えて言うのは、
「もっと早く言ってくれ。具体的なことを指示してくれ。」を繰り返し、
「不要不急の意味が分からない。」などと、自ら考えること、想像することをしない。

「いつまで我慢すればいいんだ!」と語気を強めて文句タラタラの、
サラリーマンや自営の方々も多くいる。

申し訳ないが・・・ それが分かれば苦労はしない。
それが分からないから、様々な要請をして、その状況を分析しつつ、次の一手を模索している。
ちょっと考えれば分かることを考えず、つい口に出して誰かを罵る。

テレビが、そういった人たちの声だけを拾ってるのかもしれないが、
レベルが低すぎやしないだろうか?

いくら高学歴だろうと、いくら社会的に地位があろうと、
情報を持ってるだけの人は・・・ ただの「もの知り」に過ぎない。

大事なことは・・・ 情報を活かすことであり、
そのために考え、想像力を発揮することなんじゃなかろうか?


北海道、大阪、東京のトップが声を出して訴えかけたことについて、

対案もなく、想像力を発揮することもなく、後付けで批判することは正直言って理解に苦しむ。

想像力が足りないと言っても、難しいことをやれと言ってるのではない。
国や行政のトップが公共の電波を通して発した「不要不急の外出自粛を要請する」という言葉に、
どういった意図があって、どう行動すべきなのか。

それを自らの頭で考えて、行動(外出を自粛)する。
ただ・・・ それだけのことである。
けっして、難しいことではない。


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