時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

それって、ズックでしょ。

2024年02月08日 | 時のつれづれ・如月 

多摩爺の「時のつれづれ(如月の35)」
それって、ズックでしょ。

大雪が降った翌日、MRI検査の結果を聞きに、女房に付いて出かけた総合医療センターからの帰り、
唐突に女房が「あなたの靴、相当草臥れてるから駅ビルのお店で買おうよ。」と言ったもんだから、
特に遠慮する必要もないし、検査結果も問題なしで、気分も良かったので、
つい調子に乗って「じゃぁ、行こっか。」ってことで、シューズショップに寄ってみた。

昭和60年(31歳)に上京して以来、経理、総務、労務、企画の仕事をしていたことから、
身なりは、スーツにネクタイと革靴が定番だったが、
45歳ぐらいの時に、職場での服装がカジュアルで良いってことになると、
管理職だったので率先して、ノーネクタイにボタンダウン、ブレザー、スニーカーで仕事をしていた。

なお、革靴は持っていたが、人事発令などスーツを着るときだけ履いて、
いつもは4足の色違いのスニーカー(ウォーキングシューズタイプ)を履き回していた。

いま履いてるスニーカーは・・・ その当時から履いてるもので、
靴紐で締めるタイプではなく、
履いたり脱いだりするときは、横に付いてるチャックを上下するタイプで、
それが普通というか。当たり前だと思っていた。

4足を履き回しているので・・・ 破れてないし、靴底の摩耗も軽度だし、
10円玉を入れてるので消臭対策もバッチリで、全くもって不満はないものの、
しげしげと足下を見てみれば、約20年を経過した骨董品であって、
女房の言うとおり・・・ 草臥れ感は否めなかった。

そんなこんなで、お言葉に甘えることにして、シューズショップに向かってると、
女房が「スケッチャーズが楽で良いよ。」と言ってきた。

「なにそれ?」と返すと、
CMでやってるやつで、立ったままで履いたり脱いだりできるやつらしい。
気に留めてCM見てるわけじゃないが、そんなCMがあったことを、なに気に思いだしてきた。

「ハンズフリーで、足を滑り込ませるだけで履ける、スリップインタイプだから便利だよ。」と、
女房にしては珍しく、カタカナを駆使して説明してくるので、ちょっと笑っちゃったが、
どうやら・・・ それを買わせたいらしい。

「それってさぁ・・・ ズックのことじゃないの?」と私が聞くと、
「そうそう、そういうタイプのやつよ。」と女房は笑ったが、
子ども頃に履いてた、ズックタイプの靴を、この歳になってまた履くことになるとは、
思いもしなかったが・・・ 案外、理に適っているんだから驚く。

小学校のころ、日常的に履いてたのがズックで、
小中高と12年間は、上履きとしてお世話になってたのもズックである。

厚手の布をサイズに合わせて裁断、縫製し、
靴底とのつなぎ目はゴムを当てて接着されていたが、
雨に濡れたら、あっという間に靴下まで染みてくる・・・ ちょっとチープな昭和遺産である。

まっ、ズックの話しは置いとくとして、店員さんに「スケッチャーズあります?」と聞くと、
そのコーナーに案内されたんだが・・・ ここで大問題が起こってしまった。
知らなかったが、スリップインタイプはけっこう人気らしくて、
残念なことに、私の足のサイズに合うスリップインタイプは売り場にも、在庫にもなかったのである。

なお、全くもって勘違いしてたんだが、
スケッチャーズが、スリップインタイプシューズの商品名だと思ってたんだが、
スケッチャーズは、アメリカのメーカー名であって、
スリップインタイプのシューズは、スリップインズという同社製造シューズの種類の一つであった。

せっかく、その気になって買いに来たのに・・・ いやぁぁ、まいった。
「またにするか。」と女房と話をしてたら、
スケッチャーズではないけど、他のメーカー(プーマ、ナイキなど)で良かったら、
スリップインタイプがありますよと・・・ 店員さんが言うから、なんともはや商売上手である。

女房は、いろんなメーカーの物を比べるタイプだが、
私は最初の物が気に入ったら、値段なんてたいして差がないんだから、
他社の物と比べることなく、即決してしまうタイプで、
最初に見せていただいた、プーマ製のスリップインタイプのシューズで決めてしまった。

因みにスケッチャーズ社製のスリップインタイプは「スリップインズ」というらしいが、
聞き間違えだったらゴメンだが、他社製では「スリップオン」とか「スリッポン」とかいうらしく、
店員さんが丁寧に応対してくれたが、元々ズックだと思ってたぐらいだから、
これはなんですと云われても・・・ なんのことやらである。

結局、買った「スリッポン」は、踵のところにズックにはなかった、小さな滑り台が付いていて、
パッと見は、ちょっと不細工だが、
履いたら目に付く場所じゃなくなるので、気にする必要もないだろう。

問題は、ホントに立ったまま、スムーズに履けるか否かだが、
ホントに立ったままスムーズに履けるし、片足を添えればスポッと脱げるしで、
履き心地も、脱ぎ心地もすこぶる快適だから、
ここまで随分つまらん能書きを垂れてしまったが・・・ 結果オーライで大満足といって良いだろう。

この歳じゃ、この先成長して、足が大きくなることはないので、
たぶん、私かスリッポンのどちらかが草臥れるまで、玄関先で毎日待ってくれているのだろう。

なお、新しい靴を下ろすのは、吉日の午前中が良いと云われているが、
次の大安(9日)まで待つわけにもいかないので、
翌日(7日)の朝イチ、新聞を取りに行くときに下ろすつもりだったが、
うっかりしてスリッパで行ってしまったので、3時間後のゴミ出しがデビューとなってしまった。

あれこれ考えて、なんやかんや予定を立てても・・・ まっ、そんなもんだから、
靴を買うにしても、靴を下ろすにしても、人生いろいろで、
行き当たりばったりを楽しむことができれば、それが一番だと思うことにしている。


買ったのは、プーマ社製のスリップインタイプでスリッポンという商品、
お値段は税込みで9,000円弱で、いままで履いてたスニーカーは12,000円ぐらいしたので、
いまさら貧乏比べしても仕方がないが・・・ 随分と、節約になったと思う。


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12 コメント

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Unknown (kazukomtng)
2024-02-08 05:43:40
おはようございます。
なんかこれ、、、
サメ氏が船旅用に購入したのとよく似ています。
値段も同じ位だったかな?
1秒で履ける靴って触れ込みでした。
船旅中、便利そうで気に入っていましたよ。
くちこもメーカー違いを購入しました。
サメ氏もくちこも他にもスニーカー持っているし、もう死ぬまで大丈夫方かと。
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イイ商品ね (みこのひとりごと)
2024-02-08 06:40:36
おはようございます。
うちの旦那さんにも
勧めてみます,
ひも靴のスニーカーをヨレヨレで
靴を買う様な事言ってましたから
脱いだり,穿いたりに時間短縮。
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Unknown (kiko)
2024-02-08 07:05:33
おはようございます。
大工さんに入って貰っている時に
靴滑りが要らない靴だと教えて貰いました。
いま、私が欲しくて探している靴です。(^^ゞ
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Unknown (多摩爺)
2024-02-08 08:06:37
くちこさん、おはようございます。

仰るとおり、この歳で新しい靴を買うと、ホントに一生物だと思ってしまいます。
楽チンで助かってます。
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Unknown (多摩爺)
2024-02-08 08:08:43
みこのひとりごとさん、おはようございます。

これホントにお薦めです。
時短と云うより、靴べら要らず、紐結び要らず、チャックの上げ下げ要らずですから楽チンです。
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Unknown (多摩爺)
2024-02-08 08:11:39
kikoさん、おはようございます。

メーカーの直営店でしか売ってないのかと思ってましたが、普通のシューズショップで売ってました。
因みに私が行ったお店は、ABCなんとかというシューズショップです。
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Unknown (なおとも)
2024-02-08 08:32:07
おはようございます!

初めて知りました!とても勉強になりました。ズック懐かしい言葉です。小学生の時はズックオンリーでした。買われた靴、とても履きやすそうですね。靴売り場に行きたくなりました。
今度、夫が買い換える時の参考になりました。有り難うございました!なおとも
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Unknown (多摩爺)
2024-02-08 09:19:01
なおともさん、おはようございます。

CMでよく見かけていたのに、こんな靴が売られているなんて、ほとんど気に掛けていませんでした。
女房の気づきに感謝です。
それもありますが、一方でしっかり歩かなきゃ足腰が弱るよと、厳しい指摘も受けています。
ここんとこ寒すぎて、ずっと家に籠もってましたので、そろそろウォーキングを再開しようと思います。
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ズック! (kiyomi)
2024-02-08 10:15:16
おはようございます
ズックって懐かしい響きです~
スニーカーという言葉は中学生になってから使っていたと思いますが・・・
多摩爺さんの文才は素晴らしいですね~
ズックでこれだけのことが書けて引き込まれるんですから!
お若いころから本をたくさん読まれているんだろうなって・・・思っています!

毎回楽しく拝読させていただいております!
私のブログにもご訪問いただきありがとうございます~
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Unknown (多摩爺)
2024-02-08 11:03:42
kiyomiさん、こんにちは

老夫婦の他愛もない話しに共感していただき、嬉しく思います。
文才だなんて、とんでもありません。
ほとんどボヤキですので、笑ってやっていただければ幸甚です。
コメントを頂戴し、ありがとうございました。
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