県庁に巣くう・・・ もののけ

多摩爺の「時のつれづれ（長月の４９）」
県庁に巣くう・・・　もののけ

自民党の総裁選挙、野党第一党の代表選挙が、報道番組やワイドショーをジャックし続けるなか、
負けず劣らず、連日連夜話題に事欠かないのが、
県庁に棲みついた「もののけ」たちの・・・　仁義なき実録ドラマである。

メディアの報道を俯瞰すれば・・・　すでに雪隠詰めに喘いでいると思ってはいるが、
基本的に法廷でなんらかの結論が出されるか、本人が自発的に悪いことをしたと認めるか、
公開、非公開の議論はあるものの、第三者委員会や百条委員会の報告がない限り、
寄って集って集中砲火を浴びせ・・・　私刑に処することは、果たして正しい行為なんだろうか？

然は然り乍ら（さはさりながら）・・・　告発によってハラスメント行為が公にされた知事が、
告発内容に対して異論を訴えていることに加え、県幹部にあった方が２名も亡くなっていることや、
そのうち１名が自死であったとの報道があることを踏まえると、
悠長に構えて百条委員会のなり行きを静観するわけにも行かないだろう。

本件の進行（決着）に関して、個人的には二つの大きな問題があると思っている。
その一つは、いつまで百条委員会をやり、いつまでに決着させるつもりなんだろうかである。
ある番組の報道によれば、百条委員会は６月から始まっているらしく、
期限が決まってるわけではないので、いまのままなら年末頃になんとか決着するとあった。

興味本位の野次馬が・・・　とやかくいう問題ではないと思うものの、
二人の人財が亡くなってるというのに「チンタラするのも大概にせぇ。」と申し上げたい。

百条委員会を取り仕切る県議会は、今週中にも知事に辞職勧告をするらしいが、
その先陣を切って、月曜日に知事と対峙した維新の勧告は、あっさり袖にされているし、
木曜日に行われる予定の、維新を除く全会派からの勧告についても、
これで知事が「うん。」と言うなら、いままでの粘りはなんだったのかであり、これもないだろう。

県政への影響を考えたら、知事には一刻も早く辞任してもらわなきゃならないはずだが、
いまのところ最短でも、不信任決議案を議会に提出して可決されると、
普通なら、知事が議会を解散することから、
選挙を受けて新たに当選した議員が、再度不信任案を提出して、可決する必要があり、
それでやっと知事が罷免されるというのが・・・　失職に向けてのシナリオらしい。

ここでの問題は、議会を解散してしまうと、百条委員会の委員を務める議員がいなくなることから、
選挙が終り、新たな議員が集うまでは、百条委員会が開かれないので、
百条委員会の報告が遅れてしまい、先に不信任が再議決されて、知事が失職してしまうので、
結果的に百条委員会からの報告は、報告されただけで用を足さないことになってしまうのである。

よって現状では、知事が辞めると言わない限り、
どんなに早くても知事の失職は・・・　２ヶ月ぐらい先になるらしく、
百条委員会のスケジュールよりは、少しだけ早く結論が出るが、
県議選に費やすお金が、あまりにももったいなくて、県民としたら堪ったもんじゃないだろう。

どうやらそれが一番手っ取り早いようだが、辞任を求めるということは、失職処分ではないことから、
務めた期間に応じて、相応の退職金が支払われることを意味しており、
懲戒処分を受けて自死した県幹部の退職金は、おそらく処分内容に応じて減額されていると思えば、
「おいおい、そんなんで良いんかい？」とイラつきを覚えるのは、私だけではないだろう。

メディアの報道によれば、２ヶ月前に辞職した副知事だって同罪であり、
知事の命を受けたとはいえ、直接恫喝しているにも拘らず、退職金は満額もらってるはずだから、
遡って懲戒処分の対象者であることを認定し、退職金を再計算して、
懲戒処分に該当する金額は、返納を求めるべきだと思うが・・・　如何なものだろうか？

そのうえで、亡くなった県幹部の名誉回復を図り、
こちらの退職金も再計算して・・・　差額を追加で支払うべきであり、
自死に至らしめる行為の引鉄を引いた知事、副知事に対して名誉毀損の請求がされると、
ようやくというか、不本意ではあるものの・・・　やっと落としどころに辿りつくんじゃなかろうか？

銭金（ぜにかね）の問題を持ち出すことには、異論があるかもしれないが、
一般的に自死には、保険金が下りないことを鑑みれば、
法廷に持ち込み・・・　白黒をハッキリさせることを、避けるべきではないだろう。

そして、もう一つ問題視してるのは、
知事の命を受けた副知事の恫喝により、県幹部が自死に至った可能性が高いにも拘わらず、
県警の捜査が入ったとの情報がないことが解せない。
恫喝という行為は、明らかに刑事事件だと思うが、県警が動かないのは・・・　なぜなんだろうか？

被害届が出されてなくても、事件性が高いと事案だと判断されれば、
自主的に捜査に当たるのが警察という組織であるはずだが、
知事配下の組織であることを踏まえ・・・　忖度したとは思いたくはないが、
県警の動きが見えてこないことがモヤッとして、これにはちょっとムカついている。

あくまでも推測の範疇になるが・・・　不幸にして亡くなった県幹部は、
上司である知事や副知事と、刺しちがえるつもりで自死を選んだのではないと思っている。

公益通報であったにも拘らず、業務用のパソコンを押収されたことから、
苦痛（ハラスメント）を訴えてきた部下や同僚たちの、
所属、役職、氏名を・・・　当局が知ることになり、
それをネタに恫喝されたことが、自責の念となり、自死に至らしめたのではなかろうか？

こんなこと書いちゃ、叱られるかもしれないが、
部下たちの苦痛を肌で感じ、意を決しての直訴（公益通報）だったと思うものの、
やっぱり・・・　死んじゃ、ダメなんだと思う。

残念ながら、お亡くなりになられた・・・　２名の幹部職員については、
一日も早い名誉回復を願うとともに、
いまとなっては、もう叶わないことになってしまったが、
百条委員会で当事者たちと対峙し、正々堂々と論破する姿を見てみたかった。

また一方で・・・　もう一つだけ、気にしなきゃならないことがあるとすれば、
針の筵に連座させられてしまった、知事や副知事の家族や親族の日常生活ではなかろうか？
そっとしておいてあげることができているだろうか？
批判や非難を超えた誹謗中傷が、過激にエスカレートしないことを願ってやまない。

最後になるが、本文はあくまでも・・・　個人的な思いであって、
コメントを頂戴しても、議論するつもりはないので、ご理解をいただければありがたい。