時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

空飛ぶペンギンは泳いでいた。

2023年03月06日 | 時のつれづれ・弥生 

多摩爺の「時のつれづれ(弥生の28)」
空飛ぶペンギンは泳いでいた。

先週末の金曜夜のことだった。
息子から突然かかってきた電話に・・・ 女房が「え゛ぇぇぇ。」と声を挙げるから驚く。
なんのことはない・・・ 日曜日に急な仕事が入って、嫁も仕事だから、
孫の面倒を見てくれないかということだった。

早い話が、女房が発した「え゛ぇぇぇ。」は、なにか特別なことがあったわけではなく、
いわゆる一つの・・・ 照れ隠しだったのである。

そんなこんなで、最近コロナも落ち着いてきてるので、
池袋のサンシャイン水族館にでも行こっかとなり、息子も了解してくれたので、
あっという間に週末のスケジュールが決まったまでは・・・ 良かったが、
ここでもう一つ・・・ 「え゛ぇぇぇ。」が飛び出すんだから、いったいなにが起こるんだである。

前夜(土曜日)の22時過ぎ、そろそろ寝ようかと思っていたが、
なにげにサンシャイン水族館のホームページを開いたら、
なんと、コロナ対策で入場整理券が必要とあるから・・・ ビックリしたが、
さらにそれを女房に伝えると・・・ 再び「え゛ぇぇぇ。」だから、連日連夜のビックリとなった。

慌ててホームページにアクセスすると、午前中の予約は既にいっぱいだったが、
辛うじて11時45分からの予約が取れて・・・ ひと安心、
なんとか、孫二人と老夫婦の水族館デートはボツにならずに済んだのであった。

サンシャイン水族館といえば、いろんな仕掛けや、工夫があって楽しいと聞いていたが、
私の頭の中に、10年ぐらい前からインプットされてるのは、
そりゃもう、なんてたって「空飛ぶペンギン」である。

いままでサンシャイン水族館に、行ったことすらないのに、
いかにも知ったげに・・・ 孫に「空飛ぶペンギン」がいるよと孫を案内すると、
上の孫(5歳女児)がいきなり、「飛んでないよ。泳いでるだけだよ。」と、
素っ気ない言葉で返してきたから・・・ また、また、また、「え゛ぇぇぇ。」となった。

正確に言えば、大きな水槽の中を泳いでいるペンギンを、
下から見ているだけだから、確かにそのとおりで、
「空飛ぶペンギン」は間違いであって・・・ 「泳ぐペンギン」と言った方が正しい。

現実を直視して・・・ それがいったい、なんであるのか?
自ら導き出せるということは、とっても素晴らしいことだと思うが、
期待していた返答とは、あまりにも違ってたものだから、私も女房も返す言葉がなかった。

一瞬脳裏を過ったのは「想像力が足りないのか?」という「あれっ?」と思う不安と、
私たちが思ってた以上に「知恵がついているのか?」という「よしっ!」と思う安堵だった。

ただ、その後思ったのは・・・ その解が、前者であろうと、後者であろうと、
仕方なしにテレビやユーチューブに接する時間よりも、
本と接する時間をもっと増やし、想像力を膨らませて欲しいとの思いだった。

よって、要らぬお節介とは思いつつも、夕方迎えに来た息子に、そのことを伝えておいた。
孫の成長は、なんであっても嬉しいものだが、
一方でそれは・・・ 成長にともなって、相応の不安も膨らんでくるということだから、
息子は軽く「了解」とは言ってたものの・・・ 親ってホントに大変だと思う。

何年か前に「子育ては親育て」という言葉を聞いたことがあったが、
孫を見ていると、いまになって・・・ その意味が分るような気がするんから、
いままでの私が、いかにダメ親であったかと、反省することしきりだが、
もう元に戻れないんだから、現在進行形で子育て真っ只中の息子夫婦への期待は限りなく大きい。

とはいえ・・・ 一方で視点を変えてみれば、
孫が年寄りにボケることを許さず、気づきと成長をもたらしてくれるんだから、
それはそれで、感謝せねばならないことなのかもしれない。

そう捉えれば・・・ 「子育ては親育て」でもあるが、
「孫育ては爺婆育て」と言っても、強ち間違ってもないだろうし、
「え゛ぇぇぇ。」なんて、惚けたことを言ってるような状況ではないのかもしれない。

追伸
帰りは・・・ コンビニで「からあげクン」と、ジュースとおやつを買って、
レッドアロー号(西武鉄道の特急)に乗って、池袋から所沢まで約17分のプチ旅行気分
孫は二人とも、リクライニングでフワフワの、豪華な座席が超お気に入りだった。

ひょっとしたら・・・ サンシャイン水族館のお魚見学より、
レッドアロー号で、ムシャムシャした方が、思い出になったかもしれない。

孫とのお出かけは、メッチャメチャ疲れるし、お金もかかるが、
その分だけ、年寄りの琴線に触れるリターンがあるので・・・ 楽しくて堪らない。
さて、次はどこに行こうか、それが悩みどころだ。


プールの上に薄く網が張ってあるのが見えるが、おそらく鳥インフルエンザ対策だと思う。
そうでなければ、ペンギンは飛ばないので網は不要なんじゃなかろうか?

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