時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

万里一空(ばんりいっくう)

2021年03月31日 | 時のつれづれ・弥生 

多摩爺の「時のつれづれ(弥生の16)」
万里一空(ばんりいっくう)

コロナ禍、オヤジの葬儀、岳父の二度にわたる入退院、さらには女房のコロナうつ 等々
会社人間を卒業し、年金生活に入門してから1年が経っていた。
振り返ってみれば、生活環境が一変しただけでなく、
このタイミングを待っていたかような・・・ 試練、試練、試練の連続でもあった。

なに一つとして、自らの力でコントロールすることができない、大変すぎる難題だったが、
それは、正面から向き合うだけじゃなく、
右からも、左からも、後ろからも、上からも、下からも視点があり、
さらに、少し離れて眺めてみてみれば、いろんなものが見えてきて、
考え方が変わってくる学びの日々でもあり、けっこうな難題ではあったが、
私自身の視線を磨き、新たな着眼点に気づかせてくれ、心を強く鍛える課題だったとも思える。

1年前に記したブログは「草木萌動」と題した回顧録で、半生の振り返りとともに、
お世話になった方々への感謝を綴った
が、まさか、その後こんな状況になるとは、思いもしなかった。
それでも、なんとか、本当になんとか、心が病むこともなく踏ん張りとおすことができたんだから、
自分を褒めてやっても良いんじゃないかとさえ・・・ 思っている。

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草木萌動(そうもくほうどう) - 時のつれづれ(北多摩の爺さん)

多摩爺の「時のつれづれ(その30)」草木萌動(そうもくほうどう)本日(令和2年3月31日)をもって、昭和48年から47年間続いてきたサラリー...

草木萌動(そうもくほうどう) - 時のつれづれ(北多摩の爺さん)

 


感謝の思いを綴った「草木萌動」から1年の月日が流れ、
一つの節目を終えた今年は・・・ 「万里一空」との言葉を掲げて、
やらねばならないことを、元気でキッチリとやり遂げる、決意の1年にしたい。

万里一空」、それは宮本武蔵の「五輪書」にある
「山水三千世界を万理一空に入れ、満天地ともまとめる。」に由来し、
世界は全て一つの空の下にあるという考え方をもとに、
冷静に物事を捉えるという精神的な境地であって、
どこまでも一つの目標を見失うことなく励み、頑張り続ける心構えを表すとの意味をもつ。

この言葉で思いだすのは、元大関・琴奨菊が大関昇進の伝達式で述べた口上ではなかろうか。
たしか・・・ 「万里一空の境地を求めて、日々精進、努力いたします。」だったと記憶している。

昨年は基本的に、成り行きに任せていた感があったが、
今年は、目標を定めて・・・ 頑張らなきゃならないことがたくさんある。

長男として、やらねばならぬオヤジの納骨や、
たいした資産はないが、相続もキチンとしておかねばならないし、
さらには、長女の婿として、岳父や義母の入院費用や、生活支援などにも協力せねばならない。

それが私の、今年の「万里一空」であり
齢67の老体に甘えることなく、期待に応えなければならない。

それにつけても・・・ 難儀なのは、コロナ禍にどう対応するかだが、
東京から帰省すれば、まだまだ色眼鏡で見られるのが現実であり、
大きな壁となって目の前に立ち塞がっている。
頼みの綱は・・・ ワクチン接種以外にないだろう。

来月になったら、住んでる行政から接種案内の通知が来るのだろうが、
幸いなことに、女房が来年1月には65歳になることから、一緒に接種できることは朗報だろう。

二度目の接種を受けてから大よそ2週間が経てば、
グリーンパスを貰ったも当然だから、堂々と帰省できるが、
どうしても気にかかるのは、グリーンパスの普及や一般化もさることながら、
愉快犯や、偏見が捨てきれない人々から、
東京ナンバーの車が傷つけられないかということではなかろうか?

実家は田舎だが、閑静な住宅街にあり、
2台止めるスペースがあるので、ナンバーを隠すことはできるが、
気を付けなきゃと思っても、どうしようもできないのが、
ショッピングセンターでの買い物や、帰省の途中でのパーキングで起こるかもしれない
想定外の被害だろう。

それでも・・・ 今夏だけは、意を決して帰省せねばならないんだから、
車での移動は、けっこう神経を使うし勇気も必要で、
1日も早く、全国的にワクチン接種が拡大し、
人々の頭の中に、安心安全の四文字をインプットして欲しいと願ってやまない。

そんななか、昨日のニュースにはガッカリというか、愕然としてしまった。
コロナ対策を担う本家本元でもある組織の役人たちが、自らが国民に求めていた対策を無視して、
23名という大人数で、緊急事態宣言が明けた直後に、
深夜まで会食をしていたことが発覚してしまった。

その責任を問い正すためだけに特化した、臨時の国会が近々開かれるとのニュースもあった。
確かに大問題だと思うが、役人を吊るし上げるためだけに特化した国会を開き、
野党議員が入れ替わり立ち代わり、延々と同じような質問を繰り返すことに、
私は生産性と必要性を感じない。

どうみても・・・ 「なにやってんだ?」、「ごめんなさい。」の繰り返しだと思うし、
大臣や幹部の責任を問うても、彼らもある意味では被害者だから、
結果ありきのパフォーマンスをいくらやっても、溜飲を下げるのは野党支持者だけであって、
一般国民からすれば、税金の無駄遣いであり、
不毛の議論との誹りを受けることが必至ではなかろうか?

国会における、スキャンダルの追及が無意味で、必要ないとは言わない。
とは云うものの、今回のように、弁明のしようがないぐらいの凡ミスは、
誰になにを問うても想定問どおりだから、
高い給料をもらう議員さんたちが、いくら青筋立てて、語気を強く怒鳴っても虚しさしか残らない。

できることなら、来月入荷予定のワクチン数と、
都度府県への配布数などのスケジュールを詰めてほしい。

さらには、都道府県ごとに高齢者の1回目のワクチン接種を、
いったいいつごろを完了させるつもりなのか?
それが分かれば、2回目は概ね2~3週間後だから、夏の予定も立てられる。

あれほど騒ぐなといっても、意に反して騒ぎ感染するんだから、
もはや、希望はワクチンしかない。

残念なことがあるとすれば、聞き分けのない老若男女に加えて、
他責にすることで納得してしまうよう、指示待ち族を増やすことに成功した、
メディアとネットによって、巧みに進められた
ワンチームを拒もうとする誘引戦略ではなかろうか?

そこら辺りでブラブラしている爺さんが、いくらぼやいてもどうにもならないし、
年寄りの戯言に、構っている間はないとの意見もあるだろうが、
お上が決めた接種の順番がそうだし、それに野党がクレームを付けたという話も聞かないし、
年寄りが終わらないと、次にいけないんだから・・・ 文句を言われても応えようがない。

不毛な議論が好きな、野党やメディアの批判ばかりしても仕方ないが、
宮本武蔵の「万里一空」つながりで、
かつて大河ドラマにもなった、吉川英治の名作「宮本武蔵」の最後が、
こんな言葉で結ばれていたことを紹介しておきたい。

  波騒(なみざい)は世の常である。
  波にまかせて泳ぎ上手に、雑魚(ざこ)は歌い、雑魚は踊る。
  けれど、誰が知ろう。
  百尺下の水の心を、水の深さを・・・

だれが雑魚なのか、あえてそれは問わないことにしておくが、
百尺下の水の心は、間違いなくコロナ禍に喘ぐ民の声であり、
水の深さはコロナ対策(ワクチン接種)だろう。

私にはやることがあって、どうしても夏には帰省したいので、
名作を自分本位に捉えてしまって申し訳ないが、
その例えは、まんざら間違いでもないとさえ思っている。

わがままで申し訳ないが、いまの私はワクチン情報に飢えている。
なぜなら・・・ 接種を終えたその日、その時から、
私の「万里一空」が本格的に始動するからであり、
コロナ対策を怠るつもりはないが、侮れない相手ゆえに、
正しく恐れることも肝要なことだと思っている。

2021年3月31日 万里一空
求められてることを、元気でキッチリと・・・ やり遂げるだけ。
挫けるわけにはいかないのだ。


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