時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

小さな変化と確かな手応え

2021年09月10日 | 時のつれづれ・長月 

多摩爺の「時のつれづれ(長月の16)」
小さな変化と確かな手応え

女房がコロナうつを発症したのが昨年の4月末だから・・・ 早いもので、1年と4ヶ月が経った。
あれほど好きだったサスペンスドラマどころか、
1時間もののテレビドラマさえ、見ることができない状況が続き、
下半身が常にピリピリしてて、静かに横になることができず、
23時に睡眠薬を服用しても、4時ぐらいには目が覚め・・・ 睡眠不足の日々が続いていた。

さらには・・・ 虚血性大腸炎になったり、脾臓に動脈瘤が見つかったり、
便秘や腹痛も度々あったりして、
胃カメラに続いて、大腸カメラで内視鏡検査を受けたりで、
精神科、神経内科、消化器内科に通うなか、内視鏡検査の前にはPCR検査も2度受けているし、
3月には義父(私の父)、6月には実母(女房の母)が亡くなり、
精神的にも肉体的にも、辛い日々が続いていた。

そんな女房に・・・ 最近、ちょっとした変化がみられる。
本人に言うと、意識するかもしれないので・・・ まだ言ってはないが、
顔色も、顔つきも良くなったし、ちょっとだけだが・・・ 元気になってきている。

7月の後半だった。
食事のとき以外は、ほとんどテレビを見ることがなかったのに、
リビングのソファに座ったり、横になったりして、かれこれ1時間ぐらいオリンピック見ている。
ときおり声を出しながら・・・ 声援を送っている。

そのときは気づかなかったというか、特に気にかけてはなかったが、そういえばそのころから
オリンピックの中継に続いて、1時間もののドラマやクイズなどを見るようになっていた。
そして、パラリンピックのころには、
20時ぐらいから22時ぐらいまで、テレビを見るようになってきた。

まだまだ、サスペンスを見る気にはならないようだが、
あまり愚痴を言わなくなったので、下半身のピリピリ感も・・・ 和らいでいるのだと思う。

ワクチン接種が、切っ掛けになったかどうかは分らないが、
私たち夫婦が、2回目の接種をしたのが7月17日で、
息子は8月1日、娘は8月3日に1回目の接種を終え、2回目接種を終えて2週間経っているので、
気持ちが楽になったのかもしれないし、
タイミング良く「東京2020」があったことも影響しているのかもしれない。

女房が体調を崩してからは、料理以外の家事は・・・ 基本的に私がやっている。
もともと、昨春にリタイアした後からは、そのつもりだったので、
それが苦になってるわけではないが、
なぜ料理をしないかと言えば、それは屁理屈になるかもしれないが、
女房のボケ防止だと考えたからである。

それは、私がリタイア後に、ボケ防止のために、時事ネタを中心にブログを始めたのと一緒で、
頭と指先を使わなきゃ、老化が進み、ボケてしまうとの、私の勝手な思い込みからで、
献立を考え、包丁を使って調理し、味見することがボケ防止に繋がると考え、
女房に話し納得してもらった。

その代わりと言っちゃなんだが、
献立に注文つけたことはないし、味付けに不満を言ったこともない。

女房がうつを発症してからは、女房のことがずっと気にかかって、
ほとんどの行動は把握するようにしているが、だからといって・・・ 干渉することは一切なく
見て見ぬふりをするように心がけながら、
女房からの指摘については、総てを受け入れるようにしているんだから、
自分で自分のことを、誉めてやりたいとさえ思っている。

うつ病だが、けっして女房のことを、病人扱いしたくない。
とはいえ・・・ これぐらいしないと、
結婚してから40年以上も尽くしてくれたことに恩返しできないし、
家事が苦になることもなく・・・ いまじゃ当たり前のようになっている。

そんな女房の顔色が・・・ 最近、少しだけ明るくなり、
言葉や行動にも、本当に少しだけだが、私だけが感じることができる積極性がでてきている。

心の中では「最近、少し元気になったね。」と声をかけたいのだが、
女房は自分の変化に気づいてないようだし、余計なプレッシャーになったら元の木阿弥になるので、
しばらくは静かに見守ろうと思っている。

女房が自分で自分の変化に気づき、なにか言ってくるまでは・・・ 見守ろうと決めたのだ。
うつに悩み、辛い思いをしていたあの頃は、いったい何だったんだろうと、
笑って話せる日が来るまで・・・ 静かに見守ろうと思っている。

だからといって・・・ 今日、明日に事態が一変するわけでもないし、
トンネルを抜けだすまでには、薄皮が一枚一枚はがれるように、もうしばらくかかるのだろうが、
小さな変化に、確かな手応えを感じるようになってきた日々が、
ちょっと嬉しい、この頃である。

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6 コメント

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Unknown (けいこ)
2021-09-10 06:33:52
おはようございます。
お優しいご主人さまです!!!!
奥さま 絶対感謝されてます。
あうんの呼吸で〰40年の積み重ねの歴史がありますもの。

うちでも リハビリ兼ねて夫が洗い物します。
水 使い過ぎ そこまで洗剤使わないでも良いのになあーーと思いますが 私 言いません。

奥さま 本当に良かったですね。
今年は本当に大変なことが続きましたから 明るい兆し 心より嬉しく思いました。
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Unknown (多摩爺)
2021-09-10 06:49:29
けいこさん
嬉しい言葉をかけていただき、ありがとうございました。
東京2020の開催には、賛否がありましたが、スポーツの力って、やっぱりあるんだなと思っています。
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Unknown (力丸ママ)
2021-09-10 11:24:25
多摩爺さんは本当にお優しい方です。
私も更年期の頃電車にに乗るとめまいがして、どうしても乗らないといけないときは各駅にしました。
2年たっていつの間にか直りましたがきっと奥様も薄皮をはがすように良くなると思います。
夫も何も言わないで力丸の世話をしてくれたし奥様もきっと感謝の心いっぱいだと思います。

オリンピックやパラリンピックは開催するまではコロナが心配でしたがいっぱい感動をもらえましたね。
読ませていただいて涙が出ました。
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Unknown (多摩爺)
2021-09-10 11:51:22
力丸ママさん
優しい言葉をかけていただき恐縮です。
仕事一筋で、家庭を顧みなかった人間が、リタイア後もそれでいいわけがないと、ずっと思っていました。
うつ病にはまいりましたが、家事は決めてたことですから、そんなに苦じゃないんですよ。
早く自由に外出ができて、美味しい食べ物が美味しいと、美しい景色が美しいと、
女房と出かけることができたら良いなと思っています。
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Unknown (びこ)
2021-09-10 12:00:57
多摩じいさんはお優しいですね。わが家は夫に私の片付けが行き届かないことを責められると私が鬱になります。70歳を超えると疲れやすくなり、ご飯を作ったら休まないと身体がもちません。週に2、3回テニスに行く夫に家事を手伝ってもらいたいと思いますが、76歳の夫も、まだ仕事していますから無理でしょうね。
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Unknown (多摩爺)
2021-09-10 16:22:35
びこさん、こんにちは

私は優しいと言うよりも、40年以上も知的障がいの娘と向き合い、大事に育ててくれた女房のことが愛おしくて堪らないんです。
ただそれだけといえば、それだけなんですが・・・ リタイア後は、女房のために頑張ろうと決めていました。
でも・・・ ときどき、喧嘩することもありますから、まだまだ修行が足りていません。
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