時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

興奮と感動のゾーンに入る。

2021年07月28日 | スポーツ観戦

多摩爺の「スポーツ観戦(その17)」
興奮と感動のゾーンに入る。 (東京2020)

東京2020で新種目となったスケートボード(女子ストリート)の実況中、
担当アナウンサーが思わず叫んだ。

「13歳、真夏の大冒険・・・ 」その言葉に、総ての興奮と感動が凝縮されていた。
13歳と16歳の可愛い女子中学生と、女子高生が表彰台に上り、
きょとんとした顔で国旗の掲揚を見守る姿に、
テレビ画面の向こうでは、きっと・・・ たくさんの拍手があっただろう。 

さらに夕刻、アーチェリー団体で、銅メダル獲得の一報がニュース速報に流れると、
続けて、柔道の芳田選手は準決勝で惜敗したものの、銅メダルを確保するなど、
メダルラッシュの勢いは止まらず、
ナイトゲームのメインイベント3連発(柔道男子、体操男子団体、卓球混合ダブルス)へと続いた。

まずは柔道男子、コロナ禍でオリンピックが1年先送りされ、
多くのアスリートたちが目標を見失いかけたとき、
「私はアスリートではなく・・・ 柔道家だ。」とのコメントを発し、
修行僧ですら「恐れ入った。」と云ってしまうような厳しい環境下で、ストイックな練習を積み重ね、
美しく強い柔道で、淡々と有言実行(金メダル)を成し遂げた
大野将平という柔道家に、多くの視線が集中していた。

相手に敬意を表す柔道家は、勝敗が決した直後であっても、
ガッツポーズはなく、笑顔も見せない。

彼の顔が綻んだのは、深々と畳に一礼して試合会場から離れ、関係者と抱き合ったその瞬間だった。
それはきっと、自らを律し、追い込み続け、自らの意思で積み重ねてきた、
鋼のようなゾーンから解き放たれた、瞬間だったのではなかろうか?

試合後、修行僧が語った・・・ この日、この時まで歩んだ道程の一つ一つに頷き、納得した後は、
体操(男子団体)と、卓球(混合ダブルス)を見るため・・・ リモコン操作が忙しい。

まずは体操(男子団体)だろう。
最終演技者となった橋本選手が、鉄棒に手を掛け、離れ技を次々に決め・・・ 着地もピタリ
まさに、2004年のアテネ大会の名文句「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への懸け橋だ!」と
ダブって見えた。

全員が初出場で10代の選手も2人いる若いチームだったが、
「ひょっとしたら、大逆転したんじゃなかろうか?」
そう思って期待していたが・・・ わずか0.103点だけ届かなかった。

正直な思いとしては、0.103点なんて「なにをどうすれば、良かったのか?」なんて問われても、
そこに明快な答えを見つけることができない・・・ 誤差の範疇である。

ただ、思うに・・・ 0.103点の差を、次へのステップだと感じ取ることができれば、
日頃からの練習に取り組む姿勢に、なんらかの変化がでてくるだろう。
「心で勝て、次に技で勝て、故に・・・ 練習は実践、実践は練習」という言葉がある。
3年後のパリに繋がる、若いチームに期待したいと思う。

そして、いよいよ・・・ 卓球(混合ダブルス)だ。
生まれも育ちも同郷(静岡県磐田市)の水谷選手と伊藤選手が、
準々決勝であり得ない得点差から大逆転を見せてくれた。

相手が難攻不落の中国チームとはいえ・・・ ひょっとしたらの期待はあったが、
立ち上がりがあまりにも厳しく、いきなり2セットを先取されたときは、
やっぱりダメかと、ため息をついてしまったが、

諦めていたのは私だけで、水谷・伊藤ペアはウォーミングアップぐらいにしか捉えてなかったようだ。
第3セットを接戦で奪うと、第4、第5セットも取って、金メダルに王手を掛けたんだから、
申し訳ないが・・・ おいおいだろう。

その後、第6セットを奪われ、セットカウントを3対3とされると、
無観客試合で、関係者以外は居るはずのない、
中国チームの応援団が俄に活気づき大声援を送り始めた。

そこにはガイドラインに定められたルールは・・・ もはや存在すらしていない。
超大国であり、卓球強豪国でありながら、自らの行為そのものが、ルールブックであるかのように、
平然とルール破りを敢行する・・・ これが共産主義の恐ろしさなんだろう。

そう思って、若干の苛立ちのまま迎えた最終セットで、いきなり8連続得点で大きくリードすると、
あれほど五月蠅かった、中国チームの応援団が静かにならざる得ないんだから、
溜飲を下げるとは・・・ まさにこのことだろう。

興奮と感動のゾーン入ってしまった月曜日から・・・ 一夜明けた
火曜日には、
女子ソフトボールチームが、北京大会から連続となる13年ぶりの金メダルを勝ち取り、
新種目のサーフィンでは、男女ともにメダルを獲得するなど見所満載で、
まだまだゾーンから抜け出せないでいる。
いろんな種目についても、語りたいのは山々だが、次回のネタに取っておくことにしたい。

気になる天気予報によれば、台風の東京への直撃は、どうやらなさそうだが、
予報進路になってしまった東北地方には・・・ 大きな災害とならないよう祈念したい。

まだまだ暑い日は続き、熱い戦いも続く。
コロナ対策に細心の注意を払い・・・ 自宅での観戦を楽しみたいと思う。
ガンバレ! ニッポン


追伸

昨日の東京は、これまでの最大感染者数を大きく上回る、
新型コロナウイルスの新規感染者が出てしまった。

発表された数値を見ると、半数以上は20代、30代の若者世代である。
同年代の若者が、オリンピックで大活躍し、多くの人々に感動を与えているなか、
遠慮がちに、控えめに、彼らが発するコメントを、
君らはいったい、どのように捉えているのだろうか?

オリンピックをやってるんだから、緊急事態宣言は無視してもいい。
政府は、何の対策もしていないし、強制じゃないし、自由なんだから・・・ とほざく者たち、
いまだに自制することに目を向けず、
どうしても政府の責任にしたい野党と、一部のメディアと、一部の医療関係者と、
その発言に同調し、都合良く利用し「大変だ。」と言いながら、
自分だけは特別だと勘違いしている、お気楽な人々

この冬、対策に罰則をつけようと、国会で提案されたとき、君らはどのように言っていたのか?

冗談じゃないよ、バカも休み休み言えである。
都合の良い、ゾーンのなかに浸って、
都合の良い理由で、オリンピックの責任にするのは・・・ 如何なものだろうか?

 


東京オリンピック (7月23日~27日)

[ 金メダル ] 10個
 ・7月24日 柔道 男子60キロ           高藤直寿
 ・7月25日 競泳 女子400メートル個人メドレー  大橋悠依
    〃   スケートボード 男子ストリート     堀米雄斗
    〃   柔道 女子52キロ           阿部詩
    〃   柔道 男子66キロ           阿部一二三
 ・7月26日 スケートボード 女子ストリート     西矢椛
    〃   柔道 男子73キロ           大野将平
    〃   卓球 混合ダブルス           水谷隼、伊藤美誠
 ・7月27日 柔道 男子81キロ           永瀬貴規
    〃   ソフトボール              日本代表チーム(ソフトジャパン)
 

[ 銀メダル ]  3個
 ・7月24日 柔道 女子48キロ           渡名喜風南
  7月26日 体操 男子団体             北園丈琉、橋本大輝、谷川航、萱和磨
 ・7月27日 サーフィン 男子            五十嵐カノア

[ 銅メダル ]  5個
 ・7月26日 スケートボード 女子ストリート     中山楓奈
    〃   アーチェリー 男子団体         古川高晴、河田悠希、武藤弘樹
    〃   柔道 女子57キロ           芳田司
 ・7月27日 重量挙げ 女子59キロ         安藤美希子
    〃   サーフィン 女子            都築有夢路


コメント    この記事についてブログを書く
« 泥臭く、粘り強く。 | トップ | ビッグネームのオリンピック »

コメントを投稿

スポーツ観戦」カテゴリの最新記事