時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

言論の自由を乱用している。

2024年05月16日 | 時のつれづれ・皐月 

多摩爺の「時のつれづれ(皐月の43)」
言論の自由を乱用している。

年齢的には、いい歳をした大人のはずなのに、
大人になりきれてない、やんちゃが過ぎる大人たちが、
公衆の面前で・・・ 迷惑極まりない騒動を起こしてしまった。

先月末に行われた衆議院の補欠選挙において、他陣営の街頭演説中に選挙カーで乗り付け、
拡声器を使って大音量でヤジを浴びせたり、
選挙カーを追いかけて、選挙活動を妨害した疑いで、
候補者を擁立した政治団体に・・・ 2週間が経った今週になって強制捜査が入った。

捜査の理由は単純明快で・・・ 当該政治団体が、選挙期間中に行った行為が、
法律に定められた表現の自由なのか、それとも選挙妨害に当たるのか、その一点が問われている。

さて、この政治団体の代表や、妨害したとされる当事者は、
はたして、法の裁きを受けるのだろうか?
もしも立件されたとしたら、司法はいったいどのような判断を下すのだろうか?

ややこしいのは・・・ 5年前の参院選挙で、ヤジを飛ばした聴衆を警察官が排除したことについて、
「言論の自由」を訴えた当事者に対し、一審では「言論の自由」を認める判決が出たものの、
二審では「強制的な退避措置(排除)をしなければ、危害を避けられなかった。」として、
警察官の排除は合法だったと・・・ 判決が変わったことにあるだろう。

早い話・・・ 「危害を与えるような暴力的な行動がなければ、
言葉でどれだけ選挙を妨害しても合法である。」とのお墨付きを与えたことに等しく、
この判例を、今後同様のことが起こった場合の、前例としてしまったのである。

また、その2年前の東京都議会議員選挙では、街頭演説に立った時の総理に対し、
SNSなどで呼びかけられて、組織的に動員された聴衆が、総理の演説を遮るようなヤジを飛ばすと、
「こんな人たちに、私たちは負けるわけにはいかない。」と反論した総理の言葉を捉え、
野党と一部のメディアは、待ってましたとばかりに都合良く切り取って、
偏向報道(印象操作)を行い・・・ あろうことか、ヤジを言論の自由として正当化してしまった。

このような・・・ 過去の事例を踏まえると、
野党と一部メディアには、途轍もなく巨大なブーメランとして跳ね返ってきたんじゃなかろうか?
そんなこんなを踏まえて、取りあえず警察の捜査が入るには入ったものの、
今回の件がどのように処理されるのかについては・・・ 未だ闇があるような気がしないでもない。

警察だって、振り上げた拳をそう簡単には下ろせないだろうし、
おそらく逮捕するなり、在宅起訴ぐらいはするんだろうが、
司法が下した過去の判例には、それなりに重みがあることから、
その後の裁判において、司法がどういった判断を下すのか・・・ けっこう悩ましいと思う。

なんだか、野次馬根性丸出しで、いささか恥ずかしくもあるが、
ホントに、ホントに、どうなるのだろうか?
5年前の参院選挙の判例もあり、法律的にはギリギリでセーフなのかもしれないが、
感情的にはというか、良識的には・・・ どうみてもアウトだと思う。

すでに行われた政治団体への捜査に関しては、
法治国家の検察が、どういった理由と段取りで、落としどころを見つけ、
どんな理屈を付けて着地させるのか、興味津々だが、
私の知る昭和のヤジは・・・ インテリ階層というか、知識人たちの専売特許だったと思う。

クスッと笑えるような言い回しを、絶妙のタイミングで発すると、
その場に居た人々の表情が思わず綻び、「座布団10枚!」の声とともに拍手喝采を送っていたが、
最近のヤジには、そういったユーモアは・・・ すっかり消え失せ、
ヤジを切っ掛けに、いきなり戦闘モードに突入なんだから、なんともはや物騒である。

思うに・・・ ここ最近よく耳にする、言論の自由とか、表現の自由は、
公に認知された自由ではなくなってしまい、
世界の各地で流行りの、自国第一主義の潮流に呑み込まれた、
排他的な思考に偏りかけているようにも見えるが・・・ 思い込みが過ぎるだろうか?

普通に考えれば・・・ どうみても、言論や表現の自由の乱用だと思うが、
言論や、表現の自由って、簡単に乱用されるような、軽いものだったんだろうか?
良心に基づいた高潔なものだと思っていたが・・・ 違うものになってしまったのかもしれない。

こういった問題が起こると、いつも法律を改正すれば良いと安易に考えてしまうが、
個人的思いとしては、法律に書くようなものではなく、良識に任せる問題だと思っているが、
それじゃ埒が空かないのであれば・・・ ヤジの度合いにもよるが、拡声器のあるなしなどを参考に、
5年前の判例を覆すような、裁量を警察に持たせる法律改正も有りなのかもしれない。

もちろん大音量による妨害や、追いかけ回したりする行為は、全くもって論外であり、
5年前の参院選挙のときの判例を参考にして・・・ 危害を避けるためにも、
躊躇することなく、即刻排除するなり拘束をして、
罰金を含む公民権の停止などに処すれば良いのではなかろうか?

良識ある行動は、基本的に個人の内心に基づくものであり、
個別具体的に法律に書くことが・・・ 適切だとは思わないものの、
司法がそういった行為を、違法だと判断するのであれば、
内容が内容だけに、公民権の停止が一番相応しいと思うが・・・ 如何なものだろうか?

旬な話題かなと思って、タラタラと能書きを垂れてしまったが、
本文はあくまでも個人的な思いであって、
コメントを頂戴しても、議論するつもりはないので、ご理解いただければありがたい。

追伸
昨日、政治と金の問題で処分された元大臣が、
総理による元総理の聴取について批判し、総理が責任を取るべきだと話したらしい。

大変申し訳ないが・・・ あなたが知ってることを喋れば済むことである。
責任ある立場にいる人が、責任を取るのは当然のことだが、
それはあなたにも該当するのではなかろうか?
この方の発言も、言論の自由の乱用だと思うが・・・ 如何なものだろうか?


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10 コメント

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Unknown (wada67miho)
2024-05-16 05:15:57
多摩爺さま

僕は選挙演説に対する個人的な野次はオーケーだと思います。組織的にやるのはヤリ過ぎかな。だから北海道警察が個人を排除したのは、これはヤリ過ぎ。
今回の件は奴らが何を言おうと選挙妨害だと思う。以前は選挙カー同士がかち合うと互いに「何々候補さん頑張って下さい」とエールを送り合って邪魔にならないように離れてましたね。多分、奴ら以外は今でもそうしてるでしょう。良識の問題です。良識のない奴らは現行法でも対処出来るのでは、と思いますが…。
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Unknown (多摩爺)
2024-05-16 05:35:15
和田さん、おはようございます。

私も全く同感で、現行法で対処できると思いますが、
良識という物さしが曖昧で、北海道での判例の捉え方が、ちょっと厄介かなと思っています。
いずれにしても、今回の捜査をどこで決着させるのか、そこに注目しています。
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Unknown (ぐふ)
2024-05-16 07:43:51
言論の場を奪われていく運びですね。。。
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Unknown (多摩爺)
2024-05-16 09:53:21
ぐふさん、こんにちは

勝手な解釈をする不とどき者がいただけで、言論の場が奪われていくとは思いませんが、
スキャンダルの追求ばかりに熱を上げて、真面な議論が出来てないことの方が心配になっています。
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Unknown (uparupapapa)
2024-05-17 22:03:21
お初にコメントします。

人類史上、政治は権力を握った者のエゴと不条理の積み重ねでした。
現在に於いても現状の日本の民主選挙の結果は、民意からかけ離れた愚政に塗れていると私は感じています。
それを踏まえて、つばさの党の暴挙は、あまりに稚拙過ぎる子供の駄々っ子の仕草としか思ません。
でもそれは、一般国民の潜在的不満と反発の現れと言えるかもしれません。
悲しいかな、彼らは他に自分の主張の訴える方策を知らないのだと思います。

現状ではこの国に明るい未来は無い。その危機感は私にも理解できます。
では、この先どうすべきか?
重い命題を問われているのではないのでしょうか?
裁判の判決は、条文の法解釈のみで決まるとは言えない事例・判例もあると思います。
世論の力。それが判決に影響する事も。


主権者として善意と責任ある人間として支持できる政治的行為と、詭弁を弄し自らを正当化する民主主義にとって悪意をもった勢力の、言葉尻を都合よく利用し自らの主張を正当化する身勝手な暴力的行為を同一次元で論じるべきではない。これは既存政党の議会運営等にも言えます。
司法・立法・行政を司る者と、社会のルールを決する主権者という憲法で保障された立場の、司法・行政・立法の上に立つべき国民という良民の意識の一致が不可欠であると私は思っています。
故に政治を語る主権を持った者には知識・良識・責任が要求される。
政治を直接司る者には、それを上回る厳格な資格と足枷が必要だと思います。
だから政治の仕組みは、議会制の仕組みを含んだ全面的な改革が必要ではないでしょうか?
私はそう思います。
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Unknown (yuki)
2024-05-18 04:13:58
いつも拝読しています。
憲法に保障された・・・?
言葉少ないのですが、同感です!
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Unknown (多摩爺)
2024-05-18 06:12:40
uparupapapaさん、おはようございます。

昨夜は早く床に就き、先ほどコメントを確認しました。
仰るとおり、さまざまな思いが脳裏を駆け巡りますが、
バカ者のひと言でかたづけるのは簡単ですが、
具体例を挙げての説明に苦慮する、良識のあるなしに尽きるのではと思っています。
コメント内容はとても勉強になりました。
ありがとございました。
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Unknown (多摩爺)
2024-05-18 06:15:24
yukiさん、おはようございます。

拙いブログを読んでいただき、コメントまで頂戴し感謝しています。
今後とも宜しくお願いいたします。
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Unknown (コージー大阪)
2024-05-18 08:07:26
初めまして♪
私のブログは完全に趣味と仕事のブログなので、こうした内容には一切触れていませんが〜

拡声器などを使ったヤジは違法など〜
一定の線引きが必要かと思いますね。

まわりが色々と関係して居ますので、安倍元首相は多少のヤジは当然かと思いますが(苦笑)

ニュースの映像を見たところ、どう見ても堅気ではない職業右翼の印象を受けました。
言論の自由に制限をかけるために仕組まれたマッチポンプ かと思いました〜
現実的に そうした動きがあるという事を大部分の人は理解していません。
ご存知かもしれませんが、世論を誘導するために色々な力が働いています。
そしてそれは資金を出せる権力者側の方が圧倒的です。
特に国家レベルを超える大きな利権と戦略を伴う原子力や基地問題などはそうなる傾向があります。

父親が大手新聞の高い地位に居た事や、今までの人生で色々なお年寄りと知り合いや友人なり教えていただいたので ダーティな面を知る事になりました。

日本人は少なくとも、新興右翼 [日本会議]の事についてはある程度 知っておく必要があるかと思います。
スポンサーが日本財団(モーターボート協会)である事から、 どんな組織か?はさして知るべしですが。

#多くの人は読売新聞を戦後大きくする原動力になった 正力松太郎が CIA 協力者であることも知りません。
別に Wikipedia にも出てるレベルの情報なんですけどね。
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Unknown (多摩爺)
2024-05-18 08:37:39
コージー大阪さん、おはようございます。

さまざまな角度からのコメントをいただきありがとうございました。
大変に勉強になります。

戦後の混乱期において、経済界がCIAに協力してきたのも事実でしょうし、
ソビエトがシベリア抑留者をスパイに教育して帰国させ、組合活動に潜り込ませたのも事実なんだと思います。
この国の歴史教育が明治の半ばで終わり、近代史を深く学んでないことに原因があり、知らないことが多すぎると思いますが、
それはそれとして、良識のある国民性をなくしてはならない思っています。
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