時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

応援したいから応援にいかない。

2021年01月03日 | スポーツ観戦

多摩爺の「スポーツ観戦(その9)」
応援したいから、応援にいかない。(箱根駅伝2021)

コロナ禍のなかで行われた・・・ お正月の風物詩「箱根駅伝」
「応援したいから、応援にいかない。」をキャッチコピーに、沿道での観戦自粛を呼び掛けたものの、
為政者や医者の云うことさえ聞かない国民は、平気で沿道まで出て来て、
観戦するだけじゃ飽き足らないのか、飛沫感染が主たる原因だと云われてるにも拘わらず、
恥ずかしげもなく大きな声をだしていた。

残念というか、もはや・・・ 恥ずかしくもあるが、
直向きに箱根を目指すランナーたちの、迷惑になってることに・・・ なぜ、気づかないのか?
ただ、ただ・・・ 情けない。

閑話休題
下馬評を覆して・・・ 見事に往路優勝を成し遂げた創価大学の監督は、
「まったく予想していなかった。選手たちがよく走ってくれた。」とインタビューで応えていた。

とはいえ、この監督は総合3位を目指すと公言していたのに、マスコミが注目してなかっただけで、
創価大学のサイドから云えば、なにか一つ波長が合えば、想定通りの結果になり、
マスコミサイドから云わせれば、なにか一つ歯車が狂えば、想定外の結果となるから、
どっちに転んでも・・・ あり得る結果だったということになる。

スピードランナーが揃い、厚底シューズの影響もあって、ハイペースが予想されていたにも拘わらず、
最初の1キロが3分30秒という、超スローペースでスタートし、微妙なペース配分となり、
注目されたスーパールーキーが、集団に呑み込まれてしまった想定外の1区

優勝候補と前評判が高かった青山学院大や、明治大学、
さらには1区で区間賞を取ったのに大失速した法政大学などが、
エース区間といわれる2区で、早々と後退し始め・・・ ここら当たりから波乱含みではあった。

3区、4区の海岸沿いにでると、向かい風がスピード自慢のランナーたちにブレーキをかけ、
じわりと体力を奪っていく。
そして・・・ 5区、箱根の山登りでは、気温がぐっと下がり、
多くのランナーたちの体温が奪われ、足が攣ってしまい、立ち止まる選手もでてしまった。

どなたか忘れたが解説者が、創価大の選手は風に向かって、ピッチ走法ができていると云われていた。
こういった環境の中では、スピード重視のストライド走法ではなく、
ピッチ走法が有効だということだと思うが、
そういったことも、スピードに欠ける創価大学に影響したのかもしれない。

夜になって、BSで放送されたダイジェストを見てみると、
確かに創価大の選手は、昔の瀬古選手のように、上体が左右に揺れることが少なく、
跳ねるような走法ではなかった。
さすが・・・ 専門家(解説者)は、見ているところが違う。(これには納得)

とはいえ、往路を制した創価大学のタイム5時間28分08秒は、
スピード決着となった、昨年のタイムと比較すれば9位相当になるのだから、
今年の大会が、我慢と忍耐が求められる大会に、大きく様変わりしていたことが見て取れる。

その結果、1区は法政大、2区は東京国際大、3区は東海大、4区・5区は創価大と、
トップが目まぐるしく入れ替わったものの、
そこには前評判が高かった大学が登場しないという、
大会的にも、視聴者的にも、異常事態になってしまった。

そうなると、どうしたことか、中継の中心となる映像が、例年なら1号車を中心に放送を組み立てるが
今大会に限っては、2号車、3号車、4号車へと、目まぐるしく映像が切り替わっている。

そりゃそうだろう、前評判が高い大学だったら、いろんなことを取材してるので、
しゃべるネタは幾らでも用意されているが、
評価が低かった創価大や東京国際大については、事前に詳細な取材をしてないもんだから、
中継されても喋るネタがなく、テレビ画面が切り替わった途端に、
ラジオのように見れば分かることを・・・ ただ喋り続けるだけになっていた。

明らかに事前の評判が高いか低いかで、実況内容の濃淡が違うのだ。
早い話が、ランナーたちの、ここに至るまでの背景を知らないというか、調べてないのである。
これは・・・ ランナーたちに失礼だし、恥ずかしいことだし、
手抜き覚悟で放送してることに等しい。

女子マラソンの解説をされる増田明美さんのように、たくさんの引き出しを持つ必要はないが、
ラジオじゃないんだから、もう少し解説者にコメントを求めてほしいし、
選手たちの、ここに至るまでの環境や、実績やなどの背景についても説明してくれたら、
前評判で差をつけず、各大学に対し平等に取材をしてくれていたら、
感情移入できてて、もっと楽しめたんじゃなかろうか。

判官びいきだから、こんなことを言うんじゃないが、番狂わせがあるから・・・ スポーツは面白い。
いつも強いものが勝っていたら、ウサギとカメの話は成立しなくなってしまう。
また、宗教がどうのこうのとの声もあるが、
いまや皇室の方々がICU(国際基督教大学)に学ぶ時代であり、
いちゃもんを付け始めたら切りがなく、アンチの存在そのものが鬱陶しくなってしまう。

とはいえ・・・ どんなに番狂わせがあっても、実況するアナウンサーは、絶叫でごまかすことなく、
内容で勝負して欲しいと思うが、どんなもんだろうか?

前評判が高い他校と比べると、選手層では厳しいといわれる創価大が、
復路でどこまで逃げ切れるかは不明だが、
復路が往路と同じ風向きだとすれば、今度は追い風となり、スピードランナーの背を押すことになり、
新たな番狂わせが起こる可能性も・・・ 高いのではなかろうか?

また、青山学院大、早稲田大といった実力上位の常連校が、往路を終えてシード権外にいるだけに、
往路の中継以上に、復路の放送では、
優勝争いよりも、シード権争いにカメラが多く向けられることは覚悟せねばならない。
番組の視聴率などを考慮すれば、ある意味致し方なく、これもまた・・・ 番狂わせなんだろう。

昨日の昼過ぎには、1都3県の知事が政府に緊急事態宣言の要請をしたというニュースが駆け巡った。
当然のことだと思う。
いまさら、遅すぎるなどといった、だれでも云えるコメントは・・・ もはや、聞きたくもない。

いま切実に求められているものは・・・ いったい、なんなのだろうか?
「応援したいから、応援にいかない。」
学生たちが発する、切なる願いに・・・ 大人たちは、もっと耳を傾けるべきだろう。


追伸
残り2キロのところで、残念ながら・・・ 創価大学のジャイアントキリングは叶わなかった。
3分19秒の差で襷を受けたアンカーに、脱水症状のアクシデントが起こったのではなかろうか?
銀座通りに入ったところで、駒澤大学に逆転されてしまった。

実況アナウンサーが、創価大のアンカーがゴールテープを切る時、
2位と云わず、準優勝というフレーズを使ったことに・・・ なぜか、熱くなっていた。

スーパールーキーが伸び悩み、各校のエースが期待に応えられなかった、今回の箱根駅伝を見ていて痛感したのは「タイムが走るのではない。人が走るのだ。」の、一点に尽きるのではなかろうか?

ゴール直後、テレビ局のインタビュー受けた創価大の監督は、次のように応えていた。
 「選手たちは良く戦ってくれた。
  アンカーにしっかり走れる選手を据えられなかったのは・・・ 指導力不足
  選手が悪いわけではない、次の挑戦をしろということだと思う。」

また、新聞社のインタビューを受けて、
10区で大逆転を喫した選手に対して、心が熱くなるようなゲキを飛ばしている。
 「この悔しさを一生、忘れるな。
  でも・・・ 卑屈になることはない。
  この悔しさを、バネにして成長すればいい。」

創価大学は、箱根駅伝への出場は4回(そのうち2回はシード落ち)の新参チームである。
常連校でもないし、注目するような選手も少なく、マスコミの話題にすらならない、
云わば・・・ その他大勢の中に含まれるチームである。

しかし、結果を他責にせず、自責として受け止めることができる指導者が、
情熱を込めて育成するチームは・・・ 必ず強くなる。
今回、残り2キロで出された宿題に、来年はどんな答えを持って出てくるのだろうか?
1年後が・・・ 待ち遠しくなってきた。

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