時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

1都3県知事たちの思惑

2021年01月05日 | 時のつれづれ・睦月 

多摩爺の「時のつれづれ(睦月の7)」
1都3県知事たちの思惑

1月4日午前11時、総理の年頭挨拶が行われた。
首都圏1都3県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)の知事から要請されていた
緊急事態宣言について、専門家の声を聞いたうえで発出する方向で検討に入ると発表されるとともに、
併せて、新型コロナウイルス特別措置法の改正についても、
次の国会に法案を提出し、早急に成立を目指すととのことだった。

昨年の春先に発出された緊急事態宣言では、学校の休校要請に加えて、
様々な業界へ自粛要請があったが、
今回はちょっと違っていて、一次感染が起こりやすい場として、専門家が特に強調していた、
深夜営業をしている飲食店にターゲットを絞って、営業に制限をかけようとしている。

特にビックリしたのは・・・ 政府から要請されていた、飲食店の営業時間の短縮について、
現在要請している22時から20時へと、さらなる時短要請をすることに加え、
1都3県の統一的な「緊急事態行動」として、
知事自ら、20時以降の不要不急の外出を控えるよう、都県民に呼びかけたことだろう。

これは、柔道でいう・・・ 合わせ技である。
都知事や県知事が云うには、居酒屋に営業時間を20時までにしてくれと、
いくら要請(懇願かな)をしても、
云う事を聞いてくれない店舗が8割程度もあるらしく、ほとんど効果がないと泣きが入っていた。

ならば、お客になる利用者サイドに働きかけ、20時以降は外出しないでくれと要請すれば
合わせ技で1本取れるのでは・・・ という思惑があるらしい。

なかなかの妙案だと思うが、ここまでやるなら・・・ もう一つ先まで、突っ込んでもらいたかった。
飲食店ではないが、24時間営業しているコンビニにも、20時までの時短要請をすれば、
仕事帰りのサラリーマンが立ち寄る場所がなくなり、真っすぐに帰宅せざる得ないし、
自粛警察の目が気になったりして、外出も少なくなり、その効果はもっと大きくなると思っている。

少しだけ気になるのは、受験シーズンということもあって、塾帰りの学生たちが腹を空かすことだが、
寒い時期でもあり、寄り道せずに帰宅を促すことは、けっして悪いことではなく、
親がフォローすれば・・・ なんとか凌げるんじゃなかろうか?

聞き分けのない国民が多い1都3県だが、これで結果が出ないと、
次はいよいよ、緊急事態宣言が解除の目安となる、2月の早い段階には成立するであろう、
特措法の改正を受けて、罰則付き、補償付きの時間短縮または休業要請が躊躇なく発出されてしまう。

この法案が成立すると、補償の額が少ないからといって、メディアに露出し不満を言うのは自由だが、
違反してしまえば・・・ 否応なしに罰則がついてくるのである。

私権の制限に関わる法律が、短期間で決定されることには、いささか問題ありと思うが、
感染拡大防止の1点について・・・ 反対する国民は少ないことから、法案の成立はそう遅くはない。

そもそも政府は、緊急事態宣言の発出には乗り気ではなく、
飲食店への罰則付き、補償付きの、時間短縮または休業要請にも乗り気ではなかった。
にも拘わらず・・・ 緩みといった、自分勝手な行動をとる者が後を絶たず、
とうとう地雷を踏んでしまった。

緊急事態宣言や、特措法の改正が遅すぎるといった声が大半だが、
政府は、緊急事態宣言や、特措法の改正が・・・ 伝家の宝刀ではなく、
後々、借金(国債)の返済で、首を絞める劇薬だということを知っているから、
我慢していたわけである。

ところが、メディアに雇われた知識人や芸能人の、おバカなコメントに同調して批判を繰り返し、
医師の声にも耳を貸すことなく、緩みを謳歌していた国民が、
そのツケを払うことが・・・ どうやら決まってしまった。

申し訳ないが、1都3県の緩みが引き金となり、
特措法の改正によって、今後新たに発生するであろうツケの返済を、
全国民に分担して、面倒見てもらうことになりそうである。

虫が良すぎると思うがメディアも野党も、居酒屋にお金を払いたいらしく後戻りできなくなっている。
願わくは、改正された特措法の発出前に沈静化することだが、もはや手遅れだろう。

メディアや野党は、昨年の一斉休校のときには「唐突過ぎる。根拠がない。」と非難を繰り返し、
今度のGoTo中断や、緊急事態宣言については「遅すぎる。」、「ブレすぎる。」と非難する。
どっちに転んでも・・・ 非難しかせず、
その時々の政策や判断を、全て政局に結び付け、なにをやっても非難を繰り返している。

さらに質が悪いのは、メディアに誘引されてしまった者たちが、
SNSを使って同様の声を上げ、国民を煽り続けると、それをまたメディアが利用するという、
負のスパイラルに陥っていることだろう。

そして結果的に、どうなるかと言えば、
国民が情報に対して、正しい選択ができなくなつてしまい、
この国を二分するような分断をひき起こしている。

昨日までは医療現場の大変さを訴え続け、緊急事態宣言を早く出せと云ってたにも拘わらず
今日からは飲食店が大変だとの声を拾って、補償しろ、見合った金を出せと連呼する。
いったい、どうしろというか・・・ 愚かなメディアが、国民を惑わせ不幸に導いている。

そもそも、8割9割の人々は緊急事態宣言が出ようと出まいと、
日常生活にはなんら変化は起こらない。
いうことを聞かない、迷惑極まりない1割2割の人々に対して、行動変容を求めているだけである。

1割2割の人々が、ここまで事態を大きくしてるということを、
メディアは、もっと訴求すべきではなかろうか?

行き当たりばったりだろうが、なんだろうが、
いまは、なにを優先すべきで、なにが重要なのか、いま考えられることに最善を尽くす。
それで良いんじゃなかろうか?

なんとか、本当になんとか・・・ 1都3県の知事たちの思惑(技あり、合せ技1本)が、
成功して欲しいと願いたい。
私権を制限されることは、なんとか勘弁してほしい。
自粛警察が巷に溢れ、その目を気にする生活は・・・ 息苦しくて堪らない。


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