与党幹部が異例の苦言

多摩爺の「時のつれづれ（神無月の４６）」
与党幹部が異例の苦言

今週から本格的な論戦が始まった臨時国会、本来なら補正予算の審議のはずだが、
総理が還元というか、減税すると言い出したもんだから、議論はすっかりそちらに向いてしまった。

臨時国会での審議を垣間見て思ったのは、どちらかといえば、政権に寛容だった私だが、
支持率が低空飛行を続けている総理に、
そろそろ我慢の限界がやって来たかも・・・　なんて、思いだしてきている。

電撃的に戦禍のウクライナを訪問したり、
「Ｇ７広島サミット」に、ウクライナから戦時下の大統領を招いたり、
処理水問題では、毅然とした対応で臨んだりして、
外交面では幾つかポイントを稼いできたが、どうやらそこらあたりが限界だったようである。

世界的に物価高のなか・・・　防衛問題や、少子化、人手不足などさまざまな課題が山積しており、
だれがトップであっても、おそらく似たり寄ったりの対策しか、具体策はないはずであり、
やってきたことと、やろうとしていることは、けっして間違ってるとは思わないが、
あまりにも口下手ゆえに・・・　伝えたいことが、心に刺さってこない。

総理の答弁であるがゆえに、間違ってはいけない数値であるとか、
漏らしてはいけないキーワードになる言葉であるとか、
事務方が作った答弁書（模範解答）を読むのは分かるが・・・　棒読みになってないだろうか？

いろんな単語を巧みに並べて繋いで、やたら答弁が長くなっていないだろうか？
核心部分を、さまざまな単語で遠回しに包んで、言質を取られないようにしてないだろうか？
原稿を読んでいるかような、ひと言ひと言を区切って話す口調に、
訴求力がなく・・・　決断力と、頭の良さ、キレの良さが感じられないのである。

答弁書には書かれてない、鬼気迫るような、自信に満ちた自分の言葉を発してないから、
けっして間違ったことをしているわけじゃないのに
「そうだ。そうだ。そのとおり。」と、相づちが打てないのが・・・　もどかしくて堪らない。

そんな臨時国会で・・・　なんとも言えないハプニングが起こってしまった。
２５日の参院本会議で、代表質問に立った与党の幹部が、
苦言を呈するかのような、異例の質問をしたもんだから・・・　驚きを隠せない。

「国民の期待するリーダーとしての姿を示せてないから、支持率が低下しているのではないか？」
「言葉については、いくばくかの弱さを感じざるをえない。」
「総理が何をしようとしているのか、全く伝わらない。」と・・・　苦言を呈したのである。

内輪揉めは、人が見てないところでやるのが一般的であり、
わざわざ代表質問の場で、一国の総理を名指しで恥を掻かせる必要はなかったと思いもするが、
質問した与党幹部が、総理が主導する還元策にどこまで関わっていたのか？
そういった背景まで知る由もないが、信頼関係の問題というより、根回しが不足している。

個人的には、与党幹部の代表質問には溜飲を下げ、拍手喝采だったが、
処理水の問題を正面から突破したり、すっかり問題視する声がなくなったマイナカードの総点検など、
せっかく良い仕事してるのに、根回しと手順が・・・　あまりにも不細工なのである。

苦言を受けて登壇した総理は、どんな精神状態だったのだろうか？
煮えくり返る腸（はらわた）をぐっと堪え、我慢していたのではなかろうか？
「心配かけて申し訳ない。」と、軽くいなすぐらいの余裕があれば、
まだまだ大丈夫だと思いもするが・・・　どうも、そのような余裕があるようには見えなかった。

苦言を、苦言として捉えたのか、それとも恥を掻かされたと捉えたのか、
総理の表情から、腹の中までは探ることはできないが、
このような状態が、いつまでも続くようじゃ、総選挙を戦うことができないだろう。

臨時国会が始まったばかりだが、補正予算が仕上がるのを待って、
新しい選挙の顔を求める動きが活発化しそうな気がするが・・・　如何なものだろうか？

ひょっとしたら、明日は明日の風が吹くかもしれないが・・・　さて、どうなるんだろうか？
真面目が過ぎることは、分からんでもないが、
トップに立つと、期待が大きく・・・　真面目だけじゃ物足りない。
任期満了まで、残すところ２年弱、いよいよ常在戦場の様相を呈してきたようである。

最後にひと言・・・　ぐだぐだと能書きを垂れてしまったが、
ここで述べたことは、あくまでも個人的な思いであって、
コメントを頂戴しても、議論するつもりはないので、ご理解をいただければありがたい。