時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

ピカピカの1年生

2021年04月08日 | 時のつれづれ・卯月 

多摩爺の「時のつれづれ(卯月の15)」
ピカピカの1年生


珍しく朝メシのパンを買い忘れたもんだから・・・ 早朝から駅前のコンビニに出かけると、 
「おっはようございまぁぁ・・・ す。」と、甲高い元気な声が聞こえて来た。

葉桜が薫る武蔵の丘を、南北に往復するローカル線の駅に、黄色い電車がホームに入線し、
プシューという音とともに、乗降ドアが開いた途端、
ランドセルを背負い、マスクをした子供たちが、勢いよく改札口を目指して走ってくる。
あっ、そうか・・・ 新学期が始まったんだ。

「おいおい君たち、そんなに急がなくても、学校はどこにも行かないから・・・ 。」
そんな思いもするが、元気が過ぎる子供たちの耳に届くはずもなく、
改札口を目指して脱兎の如く駆けてくる。
誰かと誰かが、競走してるようには見えないが・・・ とにかく元気がいい。

おそらく、低学年の子供たちだろう。
電車の中で騒ぐと叱られるから・・・ 乗ってる間は、じっと我慢してパワーを溜め込み、
開扉とともに、思いっきり爆発させて走り出すのだろう。

ニコニコしながら、改札口の外で出迎える、学校関係者の肩口に、フワリと蝶が飛んできた。
毎朝のように繰り返される・・・ おなじみの光景に、今朝は蝶も仲間入りしていた。

子供たちの元気な声と、爽やかな挨拶は、いつ聞いても心を和ませてくれる。
新芽から若葉へと、草木が萌える玉川上水緑道、木立の間をさっと吹き抜ける風が光っていた。

楽しかった春休みが終わって、進級・進学した子供たちを迎え待つ北多摩の私鉄沿線
私が住んでる町には私学の小学校があり、
窓を開けると電車通学する子供たちの、賑やかな話し声が聞こえてくる。

歳を取り、リタイアしてからは、朝夕に子供の声が聞こえるところに住みたい。
そう思って、この町に終の棲家を購入して、既に20年の歳月が流れ、
ふと気がつけば・・・ 既に願いが叶ってる年齢に至っていた。

この季節には、そんな元気が良すぎる子供たちに混ざって、
ホントは、小学校なんかに行きたくなかったのに・・・ なんて顔をした、
なんとなく足取りが重く、少しばかり集中力が欠けた、小さな子供たちを見かけることがある。
真新しいランドセルを背負い、若干大きめの制服に身を包んだピッカピカの1年生たちだ。

先月までは、幼稚園や保育園に通ってた・・・ 幼児だったのに
たった2週間、眠って起きただけなのに、
彼ら彼女らは、もう幼児ではなく、子供(小人)として扱われることになってしまった。

さらに、朝は早く起こされるし、分刻みで食事したら、直ぐに着替えなくちゃならないし、
何度か練習したとはいえ、定期券という不思議なカードを持たされて、
まだまだ慣れたとは言い難い、バスや電車を乗り継ぐんだから、不機嫌になるのも分からんではない。

とはいえ・・・ 萌えるような若葉が、色濃くなるころには、
こういった状況に動じることはなくなり、すっかり慣れてくるんだから、
人さまの子の成長は・・・ 驚くほど早い。

幼稚園や保育園だったら、鼻水を垂らしても、先生が優しく拭いてくれてたのに
今日からは自分で拭かなくちゃ、誰も拭いてくれないし、着替えだって誰も手伝ってくれない。

私学に通う子供たちだから、どちらかといえば・・・ 恵まれた子供たちなんだと思うが、
この子供たちが、そういったことを自覚し、
親に感謝する日がやってくるのは、しばらく先になるのだろうが、
何年先になっても構わないので・・・ 親と家族への感謝を忘れない、
心優しい大人に育ってほしいと、願ってやまない。

面白いのは、1年生が着ている制服の殆んどが・・・ ブッカブカで大きいこと、
成長が早い年頃だけに、ワンサイズどころか、
ツーサイズぐらい大きい制服を着てる子供もいたりする。

「ちびまる子ちゃん」のように、大きなスカート履いた女の子や、
半ズボンなのに、ひざ丈サイズになってる男の子が、仲良く話しながら歩いてる姿が可愛いすぎる。

他人(ひと)さまの子供だし、うちの孫じゃないんだけど・・・
どの子供を見ても、みんな可愛いく見えてくるんだから、
子供っていうのは・・・ ホントに、ホントに宝物なんだと思う。

うちの孫たちは、間違いなく公立だから、お揃いの制服を着ることはないと思うが、
いったい、どんな格好で小学校に通うのだろうか?

勉強ができるに越したことはないが、元気で学校が好きになってくれれば、それだけで嬉しいし、
友だちがたくさんできると、もっと嬉しいなと思う。
まだ3年も先なのに、恥ずかしながら・・・ 爺バカ、まる出しになってしまった。


追加
ちょっと恥ずかしいんだが、
フォローしていただき、いつも拝見させてもらってる方々の、素晴らしい俳句に刺激を受けて、
玉川上水緑道の通学路を行く、子供たちを詠んでみたので紹介させていただきたい。

 ・木間(こま)を舞う 蝶に連なる ランドセル
  通学路の玉川上水緑道を並んで歩く子供たちを、まるで先導するかのように、
  木々の間を飛び交う蝶々がいたので・・・ その光景を詠んでみた。

 ・タンポポの 綿毛にニヤリ 一年生
  緑道脇に咲いてるタンポポの綿毛を、目ざとく見つけた低学年の子供らが、
  嬉しくてニヤッとしながら摘まんだ場面が、なんとも微笑ましかったのでその光景を詠んでみた。


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