多摩爺の「時のつれづれ(卯月の44)
上級国民は優劣を付けたがる。
昨日、記者会見を開いて、6月の議会を持って辞任すると表明した首長がいた。
たぶん7~8年ぐらい前のことだと思うが、総理と野党のトップが対峙する党首討論の場で、
ある野党のトップが、強行採決を批判して「息をするように嘘をつく。」と揶揄したことがあった。
辞任を表明した首長は、同党の流れをくむ、現在の野党第一党の推薦を得ていたはずなので、
そっくりそのまま、同党お得意のブーメランとして引用させてもらうとしたら、
「(人や職業、教養や容姿などについて)息をするように差別する。」となるだろう。
いままでにも、県議に対して「ヤクザだ。ゴロツキだ。」と云ってみたり、
元総理には「教養レベルが露見した。」などと、無礼にも程がある発言をしていたが、
今月1日に行われた、今年度の新規採用職員に向けての訓示で、
とうとう自らの口(舌禍)で、自らの首(辞任)を締めてしまったようだ。
その発言を要約すると・・・
「県庁はシンクタンクだ。毎日毎日、野菜を売ったり、牛の世話をしたり、
モノを作ったりとかと違い、基本的に皆さま方は頭脳、知性の高い方たち。」と云ったもんだから、
あっという間に、職業差別じゃないかとの批判を浴びてしまい、
どんなに弁解しようと、これではもう・・・ にっちもさっちもいかなくなってしまった。
そして、翌日(2日)にはぶら下がりで、6月議会後に辞職すると発表したものの、
続けて質疑を受けなかったが、さすがにそれでは拙いと思ったのだろう、
翌々日(3日)の午後になって、改めて記者会見を開き、
手遅れ感は否めないが、次のように謝罪している。
「第一次産業に従事する皆さんを傷つけ、心から申し訳ありませんでした。
私の不徳の致すところです。どうか皆さんの仕事に誇りをもって続けてください。」と述べたが、
これまでの舌禍もあって・・・ 覆水盆に返らず、予定通り6月議会後に辞職するようである。
思うに・・・ 首長っていう仕事は、上から目線で人や職業や教養、容姿などについて比較して、
どちらが上だ下だと判断を下し、公に区別する立場にあるのだろうか?
同首長の学力や教養が、いったいどれだけのものか、それについては知る由もないが、
生意気なことを言わせてもらえれば、あなたは公僕の代表であって・・・ 上級国民ではないはずだ。
ワイドショーを梯子して見て見れば、左寄りのコメンテーターまで批判していたが、
元を正せば、あなた方が担いだ首長でなんだから、
責任の一端があることを自覚して欲しいと思うが・・・ 如何なものだろうか?
昨年、県議会で不信任決議が出され、1票差で否決されたが、
否決に投票したのは・・・ 同首長を担いだ野党第一党を中心とする議員たちである。
そのときに引導を渡しておけば、今回のような暴言はなかったのに、
まさか、いまになって批判に転じてるとは思わないが、その責任は大きいのではなかろうか?
まっ、それはそれとして・・・ 近いうちに責任を取る(辞任)と表明したんだから、
これ以上このことで責めたら、悪口になってしまうので、
この件については、もう触れないことにするが、どうしても気になるのは、
記者会見で「リニアの開業時期が延期され、自分の責任は果たした。」と述べたことである。
もともと同首長は、リニア中央新幹線で、同県内で行われる予定の約9キロの工事について、
同県の農業や生活用水に影響が出るとして、水資源問題を掲げて工事の着工を認めないばかりか、
その対策についても、JRサイドの提案と真摯に向き合うこともなく、
いたずらに時間だけを浪費し、つい先日JRから開業の延期を表明させるに至っている。
リニア中央新幹線の主体はJR東海だが、工事総額や期間などを含め、経済効果などに注力すれば、
国策と云っても過言ではないはずだが、そういった工事に対し、建設的な議論をしないまま、
延期させることを公約に掲げることが・・・ 果たして公益につながったのだろうか?
同首長がその任に就いていた期間、この件に費やされた時間は、いったいなんだったのだろうか?
「リニアの開業時期が延期され、自分の責任は果たした。」との言葉が、
あまりに虚しすぎると思ったのは・・・ 私だけではないだろう。
双方に言い分があって、それを論じ合う協議の場が設けられたが、
JRサイドから提案があったにも拘らず・・・ 未だに着地点がみえてないのだろうか?
だれの目で見ても、首長サイドが真摯に向き合ってなかった、それに尽きるのではなかろうか?
進展がないまま、反対することだけが目的になってしまったと思うが・・・ 間違っているだろうか?
真面な議論をしてきたのであれば・・・ 会見の席において、
「リニアの開業時期が延期され、自分の責任は果たした。」との発言は、でてこなかったはずで、
真摯に議論するつもりなど、ハナから無かったことを吐露したに等しい。
リニア中央新幹線の東京から名古屋までの区間が開業すれば、
専門家の試算では50年で約10.7兆円(年間では約800億円)の経済効果があり、
大阪まで開通すると、50年で約16.8兆円(年間では約1,200億円)になるらしい。
私は専門家ではないし、数字が途轍もなく大きくて想像が付かない金額なので、コメントは控えるが、
地震大国としては、想定しておかねばならない大規模震災が起こったとき、
東海道新幹線のバックアップインフラになることは、経済効果以上の価値があると思っている。
それを・・・ 今回、自らの舌禍問題で辞任を表明された首長が止めていたのである。
6月議会を終えて辞めると仰られていたが、
まさか・・・ 退職金をいただいてから辞めるつもりなんだろうか?
お金の話をしたら僻みになるので、本来は取り上げたくないが、
この自治体の首長の退職金は・・・ 1期4年で約4,000万円らしい。
既に3期務められているが、最初の1期は「退職金はいらない。」を公約にしたもんだから、
受け取ってないようだが、2期目と3期目はいただいているらしく、
4期目の今回、1年の任期を残して辞めても、
計算上では・・・ 3,000万円ぐらい、いただけるというから驚きが隠せない。
リニアの経済効果を止めて、1億1,000万円の退職金を手にし、
散々暴言を吐きまくって、退職金1億1,000万円にプラス月々のお給料だから、
上級国民と云われようが、なんと云われようが、
もはや、蛙の面に小便(正確には水かも)状態といっても、的ハズレじゃないだろう。
辞任後は、おそらく左派系のメディアで、
なにを喋っても、けっして責任を問われることのない、コメンテーターたちの横に並んで、
報道番組という看板を掲げた、ちょいと偏った番組の顔になるのではなかろうか?
期待はしてないが・・・ そのときは、公僕ではなくなっているので、
さぞかし箍(たが)が緩んだコメントを連発されるのだろう。
追伸
人の悪口のようなことを書くことは・・・ ハッキリ言って本意ではない。
にも拘らず、今回は随分と乱暴な言葉を使ってしまって、反省せねばならないのかもしれない。
然は然り乍ら(さはさりながら)・・・ プライドが高すぎる上級国民が、
自分目線だけで人々を見下し、なにかにつけて優劣を付けたがることが、あまりに腹立たしくて、
勢い余って乱暴な表現になってしまった。
品がなくて大変に申し訳ないが、ご容赦願えればありがたい。
当該首長を頑固者といった方も居たが、
それを言ったら・・・ 頑固ジジイの逆鱗に触れるのではなかろうか?
なにはともあれ・・・ 個人的な思いとしては、
市井の人々とともに、額に汗することを厭わず、陰日向のない本物の一流と、
偏差値だけの舌禍の権気とは、いったいなにがどう違うのか、それを学んだような気がしている。
仰るとおりですね。
どこのだれが、こんな方を知事に担ぎ、
県民はいったいなにに期待して、15年もこの方に託したのでしょうか?
不真面目で申し訳ありませんが・・・ 笑っちゃいました。
頭脳明晰で学業優秀な人物でしょうが、人の心と常識と知恵を身に付けなかった首長の人格がまた出ましたね。
どんなに学があろうと、どんなに財があろうと、だからこそ謙虚でなければ、トップは務まらないと思います。
これまでこの方を支えてきた、同県の議員や有権者は、この方になにを求めていたのか?
リニアの展望についても、実際のところ地元民はどう捉えているのか、本音を聞いてみたいものですね。