時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

国土(道路)保全をどうする?

2023年02月03日 | 時のつれづれ・如月 

多摩爺の「時のつれづれ(如月の23)」
国土(道路)保全をどうする?

最近はテレビで国会(予算委員会)を生中継してくれないので、
暇つぶしができず、少し不満があるが、
ニュースや報道番組によると、防衛費の拡大や、少子化対策について議論されているのは分るが、
いまだに嫌みったらしく、政治と宗教を問う野党議員もいるようだ。

政治と宗教の問題を議論するな・・・ なんてことをいうつもりはないが、
防衛費の問題や、少子化対策の影に隠れて、
野党が最も嫌う、国土の保全(コンクリート)に関する議論が、
すっぽりと抜け落ちているのは、如何なものだろうか?

国土の保全とは、東日本大震災のような、大規模災害から命を守るための強靱化対策などではなく、
いま現在、普通に毎日使用している、道路や、橋、河川などを、
今後どうやって維持して、安全を担保していくのかという話しであり、
分かり易く言えば・・・ 予防のために行う、メンテナンスのことである。

つい先日だったと思うが、高速道路の無料化が・・・ 老朽化を理由に、
当初案の2065年から2115年に延びるということが発表され、
生きてるうちに恩恵を受けることはないと知りつつも、なんだかガッカリしたことがあった。

この国を近代化に導いてくれた、コンクリートの劣化や、老朽化を見逃すことはできない。
そんなことぐらい分るが・・・ 否応なしに同意せざる得ない状況は、ちょっと腹立たしい。

この国の道路に係る維持整備費用は、国民1人当り3万円以上かかっているとの調査データもあり、
結果的には、人口の少ない県ほど、この値はさらに大きくなるということらしく、
予算が乏しい地方では、これは「ちょっと拙いぞ!」ってことに・・・ なるのではなかろうか?

今後も、少子高齢化が進み、生産年齢に該当する人口が少なくなってくると、
自然体で、加速度的にこのような状況が待ち受けているんだから、
少子化問題の影響は・・・ すでに頭が痛いどころでは済まなくなくなっている。

私の出身地でもある山口県は、日本一道路が整備された、ドライバーに優しい県だと思っていたが、
幹線道路の国道2号線に、並行するバイパスができて・・・ しばらく経つと、
たしかに交通量は分散され、時間の計算が経つ道路になってきたものの、
一昨年に気になってた旧道のデコボコは、昨年も補修されておらず、亀裂は益々深くなっていたし、
朽ちかけた歩道橋は撤去されたが、架け換えされないので横断歩道に、小学生が信号待ちをしていた。

都会に住んでると気がつかないが、地方に行けば、こういった状態は日常であり、
起こってはほしくないが、なにかしらの事故でも起きない限り、
残念だが・・・ 改善されることはないだろう。

たしか15年ぐらい前だったと思うが、麻疹に罹ったかのような高熱にうなされ、
「コンクリートから人へ」といったキャッチコピーに、期待を寄せた時期もあったが、
いまになってみれば・・・ 「素人が冗談言うなよ。」だったのだろう。

また、私も勘違いしてたが、ガソリン税は道路の維持整備に使われる目的税だと思い込んでいたら、
どうやら数年前に、道路以外にも使用できる一般財源に組み込まれたらしいが、
そのガソリン税がこの先ピンチらしい。

脱炭素化の影響が、年々大きくなってきており、
電気自動車(EV車)が増えてくると、ガソリン税はジリ貧になるし、
消費税との二重課税との問題もあり、ある意味ダブルパンチで影響を受けることから、
けっこう大きな問題だと思っている。

現状の道路の維持整備に目を向ければ・・・ 表面上の訴求力に押されて、
ソーラーシステムを活用した、LEDライトの街灯や、信号機への切り替えなど、
人目に付きやすいところの改善は進んでいるが、
それだけ、補修工事のプライオリティが下がっていることも忘れてはならない。


閑話休題
今週の始め、ハイブリッドカーで業界を牽引してきた、この国で最大の自動車メーカーであり、
世界に冠たるトヨタのトップ(60代半ば)が・・・ 会長職(所謂、名誉職)に退き、
後任には50代前半の執行役員を抜擢するとの人事が発表されている。

辞められる社長も、50代の半ばで社長職に就いてはいるが、
リーマンショックを受けての立て直しと車内の結束に、創業家の血筋が必要だったとの経緯があり、
いま上席にいるであろう、7~8人の取締役や執行役員を飛び越えた、今回の大抜擢人事が、
吉と出るのか、凶と出るのか、吉であってほしいが・・・ しばらく目が離せなくなった。

人事の背景に、いったいなにがあったのか・・・ ちょっと気になるが、
いままさに春闘の真っ只中であり、賃上げに大きな影響をもつ、
次期の経団連会長を睨んだ、政治絡みの人事ではないかと云われているし、
いやいや、今春退任が予定されている、日銀総裁への抜擢ではないかとの憶測もでている。

そこら辺りで、時事ネタにボヤキまくってる爺さんには要らぬ心配だが、
健康問題が、背景になかったのであれば、
ここで、彼(トヨタの社長)には・・・ 一肌脱も二肌も脱いでもらいたいと思っている。

モビリティを掲げて経営を進めてきたトヨタが、スマートシティを目指すのは分るが、
彼には新たな視点で、国土全体を俯瞰した、道路財源の原資確保(税制改革)の道筋を作り、
保全強化のプライオリティ付けには、道路を使ってきた自動車メーカートップの視点で知恵を絞り、
妙案を提示してほしいと願っているが・・・ 如何なものだろうか。

社長交代のタイミングと前後して、大陸最大手の電気自動車メーカーが、この国で販売を開始し、
これから3年ぐらいかけて、100店舗ぐらいの販社を作るとのニュースもあった。
ひょっとしたら・・・ 今回の発表は、そこらあたりを睨んだ、
なにかしらの思惑があるのかもと思いもするし、そうであることに期待をしたいとも思う。

世代交代は、力ある年長者には耳が痛い話しだが、
彼には、経験を活かして・・・ もうひと踏ん張りしていただきたいと願っている。

さすがに10年頑張ってくれとはいわないが・・・ 仮に10年頑張ってもらっても、
ラグビー好きでロシア通の、人を不愉快にさせることにかけては天才的な元総理にように、
老害と呼ばれるような心配はないだろう。

誰かに・・・ なにかを期待したい。
そんな思いから、勇退されるトヨタのトップの名を挙げさせてもらったが、
個人的な期待であり、他意がないことだけは記しておきたい。


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