ごみ焼却を考える会 IN Tama

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「採択すれば明日からも焼却が行えなくなる」そんな内容じゃないのに...運営委員会で否決(7月13日)

2012-07-17 01:55:05 | クリーンセンター多摩川
陳情は13日に議会運営委員会で審議され、否決されました。

委員は議決に加わらない委員長を含め4名、さらに議会議長、副議長が陪席しました。
陳情のあげている改善点については、それなりの質疑が行われましたが、まだ不十分と言わざるを得ません。また、その趣旨については曲解されたまま採決されたという印象です。

26日には、本会議で衛生組合議会による採決が行われます。運営委員会に参画していない議員のみなさまに、さらに突っ込んだ議論をしていただければと思っています。
現状に疑問を感じた方は、ぜひ傍聴に行きましょう。



以下の内容は当会の聞き取ったメモです。
個別の審議内容についての当会の意見は、追って掲載いたします。

協議事項、(1)陳情審議について
①災害がれきの広域処理に関する陳情書
②放射性物質を含む家庭ごみ等の焼却に関する陳情書

陳情署名は、①450名、②405名の追加提出がありました。
重複する部分があるので、一括審議する。
[以下、議員の問いに対する事務方の答弁。一部の類似質問はまとめました]
Q1:バグフィルターの性能は十分か、組合はどう考えているのか?
A:テファイヤーという名称のもので、一般に焼却場に広く使われている。不織布のフィルターに消石灰などを含浸させ、煤塵をとらえるもの。煤塵の平均粒径は国立環境研のデータで数十ミクロン、これに対し、バグフィルターはサブミクロン(1/10ミクロン)レベルでの捕集が可能。これまで組合では、ダイオキシン対策で煤塵の捕集性能を充分に高めてきており、改めての対策は必要ないと考えている。
Q2:各地でガレキの受け入れのために補正予算を組んでいるところが見受けられるが、設備増強を目的とするものはあるか?
A:補正はいずれも焼却そのものの処理経費にかかるものであり、追加設備のための例はなく、当組合では不要と考えている。
Q3:モニタリングはどのようにやっているのか、十分か?
A:スラグ、飛灰などは月一回専門業者に分析を委託している。空間線量は毎週測定。
Q4:情報公開について、女川での測定結果などは組合HPから見られるようになっているか?
A:現在は、載せていない。都のHPにあるので、転載やリンクなどを検討する。
Q5:多摩地域の受け入れ7施設と比較して、設備に優劣はあるのか?
A:当組合は他と同程度の設備を有しており、また、どこの施設も不検出である。
Q6:②の3項で求めるごみの減量について、できることはあるか?
A:市民生活に影響が出る部分であり、あまり高い値も出ていない。
Q7:陳情で訴えられている健康被害について把握しているか?
A:健康被害の原因について意見は様々だが、組合としては焼却業務により市民の健康に影響を与えたかについては答えかねる。
Q8:被曝を専門とする医療機関の紹介など、関連の有無の把握に向けた努力を行うべき。疑わしきは放置せず、対応すべきではないか。
A:総括的に見ていかねばならず、組合の責務である焼却について、排ガスが基準を上回ればそうであるが、外因が様々ある中で、焼却が関係があるかは分からない。しかしながら、今後は構成市の市役所などと連携して対応したい。
Q9:要望されている設備は原子力施設並の設備と思われるが、導入しようとした場合、どの程度の費用や工期が掛かるか検討しているか?
A:具体的な数字での検討は行っていないが、現在の建て屋に導入するにはバグフィルターとの置き換えが必要であり、10億円以上、数ヶ月にわたる工事が必要と思われる。しかしながら、バグフィルターで国の基準を満たしているので、そこまでの設備は必要ないと考える。
Q:現状で不安に思う市民が現にいる以上、もっと検討すべきである。
Q10:バグフィルターでセシウムは大丈夫という見解は全国的に一致しているのか?
A:国の基準はCs134の値/20+Cs137の値/30が1を下回ることを求めている。組合での検出下限値はそれぞれ1Bq/m3程度で不検出であり、下限値ぴったりに検出されたと仮定しても、いずれも基準の1/30~1/20程度なので、問題ない。
Q11:「遅滞なく」について、現状はどのようになっているか?
A:月一回の測定である。5月度のサンプルは、6月上旬に結果が届き、HP公開は直ぐに行っている。サンプルしてからは、それなりのタイムラグはある。
Q12:月二回にすることは可能か?
A:国の測定ガイドラインで1回と定められているので、十分である。
Q13:費用的には実施可能か?
A:排ガスが1件10万程度など、2炉分あるので合わせて1回で50~60万円である。回数を追加すれば、毎月それだけ支出が増える。
Q14:モニタリングを月1回としているのは、バグフィルターの性能を信頼してのことか?測定しない間に何かあれば、気がつくことができないのではないか?
A:セシウムは煤塵につくと言われているが、煤塵の濃度は連続測定している。ほかにもSO2, NOx, HClを連続測定しており、ダイオキシン自体は年2回の測定である。また、空間線量は、週1回の測定で平均0.08マイクロSv/hあたりである。こちらは、国の基準に基づくと、組合では0.19以上上昇した場合に異常とすることになるが、現状、(測定開始した)昨年8月以来、変動は最大で0.02程度であり、異常値はない。

委員:農家については、JAなどによる放射能測定を実施しており、ほぼNDであり、風評被害も特に発生していない。
本陳情は採択すると、明日からも焼却が行えなくなるものであり、不採択にすべきと考える。
委員:本陳情は情報公開が足らないが故のものと考える。
委員:基準を満たせばOKでは無く、国の基準はあくまでも最低ラインであり、不安を受け止めて、さらなるチェックを遅滞なく行っていくべき。状況を自ら調査して進めて情報公開していくべき。しかしながら本陳情は、本工場の運用のストップにも繋がりかねなず影響が大きいため、不採択としたい。

採決①:賛成の挙手ゼロにより、不採択とする。
採決②:賛成の挙手ゼロにより、不採択とする。

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