見てきたものや聞いたもの

出雲弁講座⑧

 第8回目になりました出雲弁講座です。第7回執筆時は島根県に大雨が降っており大変な時期でした。実家のまわりでは大きな被害もなく、みな元気にしているとのことだったので一安心でした。

 さて本記事を書いている時も、台風6号が猛威を振るいながら北上しており、各地域で大きな被害が出ないことを祈るばかりです。

 天気が乱れると書きたくなる出雲弁講座ですが、晴天を願う気持ちも込めて投稿していきたいと思います。

 ①『どし』‥年齢の近い学友。なにかの行動をともにする仲間。

 友達 というよりは、仲間というニュアンスの方が近いです。特に、一緒に旅行に行く。であったり、一緒に勉強(仕事)をする。というような何かしらの行動を共にする仲間のことを『どし』と言います。単に一緒なクラスにいるだけの同級生、同じ部署なだけの同僚は『どし』とは言いません。

「〇〇ちゃんは、近所に同い年の子供がおーなーわ。登下校のどしがおーなーけん安心だわ」(〇〇ちゃんは、近所に同い年の子がいるよ。登下校を一緒にできる同級生がいるから安心だわ) 

「あの子、一緒に行ってくれるどしもおらんけん、一人で映画見に行かーなったわ」(あの子、一緒に行ってくれるような仲の良い友達もいないから、一人で映画を見に行ったよ)

 というのがネイティブな会話例となります。

 

 ②『あばかん』‥ものがたくさんありすぎること。しっちゃかめっちゃかな状態。

 ものがたくさんありすぎる状態です。ただいっぱいあるだけでは、ここまでの表現は使いません。『あばかん』が出るのは、上記の通りしっちゃかめっちゃかで、収拾がつかない混沌とした状態を指します。

 うちの母はよく、この『あばかん』を言っていました。

 「やいな!、部屋の片付けせんとあばかんがね けー。足の踏み場も無いがん。どげなかねや!」(もうっ!片付けをしないから部屋の中がメチャクチャになっている。足の踏み場も無いじゃない。どうなってんのさ!)

 実家でよく耳にしていたネイティブな会話例でした。

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